高架下建築:阪神高速高架下 木津地方卸売市場
本日(と言っても日付を跨いでしまったが)ニフティDPZのUSTで大山顕さんが「高架下建築」について語ったと聞いて(仕事していたので見れなかった)私も高架下建築ネタを書いてみる。
デカいというか道路の高架下では類を見ないし、市街地からも近い(というか難波の隣)のに何故かあまり知られていない「木津地方卸売市場」。
なぜ、都市高速道路の高架下にこのような建物ができたかというところについては、とある文献に下記のような記載がある。
「従前より、木津青果卸市場が存在しており、この一角を阪神高速道路が高架で横切ることとなった。市場側は、用地買収には応ずるが、市場面積を減少し、当該箇所の商品販売を中止することは、市場の機能を著しく低下することとなり、また、代替地を求めることが出来ない事情から、是非、高架下を利用させてほしいとの申し出がなされた。道路側(阪神高速道路公団:当時)は、やむを得ないと判断し、当該高架下に二階建ての建築物の占用許可を阪神高速道路協会に与え、協会は建築物を完成して市場側に貸与することとなったのである。」
さて「建物」とは書いてみたが、厳密には建物といえるか疑問符がつく。上記文献によると
「この建築物の特徴は、建物の柱を道路の橋脚でもって利用しているため、建物には「柱が無い」といわれる。建物側は、壁を所有しているにすぎない。」
「建物の構造から、法務省登記当局から、建物としての表示の登記及び所有権の登記が拒否されているということである。」
ちなみに同じ阪神高速道路の高架下建築である船場センタービルについては、柱は建物側の所有であり、登記も行われている。(逆に船場センタービルの上に乗っかっている道路は自分の柱を持たないということになる。)
高架下の「べんてん通り」「西のコリドー街」と呼んでも差し支えないのではないか?
場所は南海線今宮戎駅、地下鉄御堂筋線・四つ橋線大国町駅から徒歩数分。
南海線の高架下もなかなか味があるのでまた紹介したい。
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