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2012年8月19日 (日)

首都高速道路が三多摩地区を含まない理由

 「東京都民なのに首都高とは別に中央道の料金を払わなきゃいけないのは納得いかない」というのは「三多摩格差」の一つというらしいのであるが、国会ではどのように議論されていたのだろうか。

 もともと首都高速道路公団(当時)の業務範囲は、「東京都の区部と、その周辺」と首都高速道路公団法で定められていたのだが、横羽線を事業化するにあたりそれではまずいのではないかということで質疑が行われた。

 

     
第046回国会 建設委員会 第10号
昭和三十九年三月五日(木曜日) 

○田中一君 いまその点は、提案者が来るからちょっと待ってもらって……。
 これは神崎さんに伺っておきますが、基本計画それから業務方法書、それらのものは、あなたのほうで直接に原案をつくって、政府のほうに協議をするのか、政府のほうでじかに先にぽんと打ち出してきて、これをやれということになっているのか、それが一つと。それから首都高速道路公団という形をとっておりますが、私は、日本道路公団との地域的競合の問題と権限の問題、これらが今度羽田-横浜間というものの高速道路の建設にあたってくずれてくるのじゃなかろうかと思うのです。首都高速道路というのは、首都圏という意味の高速道路なのか。首都圏なら首都圏の高速道路で、業務範囲は首都圏全般をやるということならおのずからわかります。ことに京葉国道なんというものは、これは首都圏の中にありますけれども、これは道路公団が行なっているように承知しております。たとえば神奈県と東京都は、地方行政区分としてははっきり分かれておるはずなんです。これはどういう根拠と、どこにそれらを指定して事業を行なうという権限があるのか、それから日本道路公団法の私どもが通念的に考えておる事業区域と首都高速道路公団の行なうという区域とは、今回の羽田-横浜間の新道の建設によって混乱を生じておるわけなんです。その点は、どういう経緯をもってそういう決定をしたか伺っておきます。

○参考人(神崎丈二君)
 (首都高速道路公団理事長)いま田中委員の御質疑の最初の私どもの基本計画、これは政府において御決定になって、現在の七十キロという分は、昭和三十四年の十月に、建設大臣から私に御指示があったのであります。計画そのものの決定には私どもは関与いたしておりません。
 それから私どもの事業範囲でございますが、私が了解しておることは、首都圏、すなわち、半径五十キロ-東京都を中心にしまして五十キロの範囲の既成市街地に私どもの仕事の範囲があると了解 しております。道路公団と私のほうとの仕事の範疇、区別の基準等は、きょう建設省の方がおいでですから、その方の御意見のほうが私より正確ではないかと思います。いま御質問にあった羽田――横浜間を私のほうで担当することに相なりましたのは、建設省からの御命令によってさようになったのであります。

○田中一君
 鶴海都市局長からお伺いします。

○政府委員(鶴海良一郎君)(建設省都市局長) 首都高速道路公団の行ないます事業の地域的な範囲でございますが、これは公団法の第一条にありますように、東京都の区部と、その周辺というふうに書かれております。その周辺という意味は、どこまでかということにつきましては、法律では明記されておりません。この公団の運用方針といたしまして、建設省で考えておりますことは、都市内の都市高速道路、これを首都高速道路公団でやっていただくという方針でおります。したがいまして、ただいま神崎理事長の言われましたように、主として既成市街地、これは首都圏整備法では、東京都の区部とか川崎、横浜というものが既成市街地になっております。そういった既成市街地内の、都市内の高速道路、これを担当してもらいたいという方針で打ち出しております。

○田中一君
 この公団法の第一章第一条は、「東京都の区の存する区域及びその周辺」となっておるのであって、これは、他県にわたるという読み方は、われわれはこの法律をつくるときからしておらないのです。東京都の区の存しない区域が東京都にあるのです。区の存しない区域があるのです。それを明文化しているんだというようにわれわれは理解して、今日までこの法律の制定以来の認識のしかたをしておるのですが、これによれば、たとえば、ここに既成市街地云々ということもございません。鶴海局長の答弁は、非常に拡大解釈して、どこでもできるんだということは、われわれは受け取り得ないのです。東京都の区の存する区域並びにこの周辺だと、したがって、東京都というものを中心として東京都の場合、たとえば阪神高速道路公団は、阪神という二つの区域にまたがった区域を明示しているわけでありますが、いま鶴海君がここでもって幾ら重ねて答弁をしても、われわれは、この法律をつくったときから承知しておるものでありますから、幾らどういう――この第一条の目的によると、この条文による説明をしても受け取りません。ただ建設大臣が、今度法の解釈はこうしたんだと言うなら、明らかに法律を改正して、われわれの前に示していただきたいと思うのです。建設大臣には、いま鶴海君が、私の質問と違った説明をすると、またあなたとぼくとやり合わなきゃならぬから初めから申し上げます。この三十九年度の予算の説明――大蔵省が出している説明書を見ますと、明らかに外債をとる、外債を首都高速道路公団に五億円というものを計上しておる。したがって、これは前回の委員会においても、羽田-横浜間の高速道路をつくるのだ、そうしてそれによって、委員なども神奈川県からも一人か二人か入れるんだという法律の改正が出ている。したがって、これは、羽田-横浜間を実施するのだという計画に基づいて法律の改正を提案されておるのでありますが、いま鶴海都市局長からも、私の質問したのは、日本道路公団の施行区域並びに首都高速道路公団の施行区域という毛のが、法律で明文化されておるわけです。首都高速道路公団法では、「東京都の区の存する区域及びその周辺の地域において、」ということが明文化されておりまして、局長の解釈では、既成市街地という範囲を新しく加え、かつまた、首都圏というような考え方ですね、いわゆる日本橋だかどこだか知らぬけれども、五十キロの円の周辺が、首都圏整備法の区域になっておりますから、これも含めるのだというような答弁がありましたけれども、このいまの第一条の目的では、そう読めないわけです。そうしてそれらが、むろん今度の羽田――横浜間の工事も、神崎理事長に聞くと、建設省の命令によって、これを自分のほうで受けることになったということであります。そうすると、日本道路公団との区域というものが明確化されないと、これは非常に困ると思うのです。阪神高速道路公団は、阪神という地域を明らかにしておりますけれども、その点もしも首都高速道路公団に、羽田――横浜間の高速道路の新設を担当させるならば、目的を明らかに明文化する法律の改正案を出していただきたいという要求をしているわけなんですが、その点はどう考えますか。

○国務大臣(河野一郎君)(建設大臣) 政府といたしましては、先ほど来都市局長から御説明申し上げておりますような解釈に立ちまして、今回の施行区域につきましては、あらためて田中さんの御主張のような解釈に立たずに、この法律の改正をしなくても、このままで、しいて申しますれば、この首都高速道のほうは、一般道路公団との間に施行区域に混淆があるのじゃないかというお話でございますけれども、このほうは、東京都内もしくはその周辺として、いま神奈川県の川崎-横浜が問題になっておりますけれども、これらの市街区域の工事を施行するという解釈に立ってやっておるのでございまして、同じ神奈川県内でも、神奈川県の市街区域に属さぬところは道路公団でやる、たとえば、東名道路をやるというふうに解釈いたしておるわけであります

○田中一君
 それなら法律を改正してください。明らかにいまのように、首都圏という思想がこの道路公団の施行範囲とするならば、法律を改正してほしい。これは拡大解釈というよりも、もう少し的をはずれているのじゃないかと思うのです。どこをやったっていいじゃないか、おれのほうで言いつけるのだ、こういうことだけではないと思うのです。おのずから私は、大体首都高速道路公団とか阪神高速道路公団なんという団体を、屋上屋を架すようにたくさんつくるのはどうであろうか。道路公団には、何にもその規定はないのです。道路公団は既成市街地をやらなくちゃならないのだということも書いてございません。それがやたらにそういうものをつくって、高級官僚がそこに入り込んで――耳ざわり悪かったらごめんなさい、入り込んで、うば捨て山か、うばあげ山かになるということはいけないのじゃないか。これは河野さん、あなた、いつも持論じゃありませんか。せんだっても閣僚懇談会か何かで議論になったと新聞に出ておりますが、こういうことは必要じゃないのじゃないか。日本道路公団は日本道路公団で全部やったらいいんじゃないか。そして、もしも人によって運営が円滑にならないという心配があるならば、たとえば東京都内の場合には、神崎さんにひとつ全責任を持ってやってもらいたいという形のほうが、道路行政の単一化という面からいっても、一番好ましい姿だということを、私は、この首都高速、阪神高速、両方の法律の提案をされた場合にも議論をしたものであります。しかし実情において、それだけの大きな仕事がとても日本道路公団にしょわしたのではたいへんだ、期待する成果があがらないじゃないかという心配からつくったとすれば、これも一つの、われわれの知らない範囲で皆さん方が行政圏内における判断でもってきめられたものだというふうに理解をしているわけですが、また、ここに明文化されない範囲までも拡大解釈してやるということになりますと、これは、その範囲というものを明かに区分しなければならぬと思うのです。もっとも神奈川県のこの羽田-横浜間には、あなた直接に選挙等に関係ありませんから、これはもう私は変な誤解はいたしませんけれども、やはりはっきりする形をとったらどうかということを私は要求するのでありますけれども、河野さんが大臣のときにはそうやった、今度また次の人が来て、それはいけないから、今度それはやめようじゃないかということになったら困ると思うのですよ。だから、やはり行政の担当者は、法律の命ずるところで行政をやっていただくのが、これが一番正しい姿だろうと思うのですが、どうです。これがいま私が申し上げたような誤解を国民に与えるといけませんから、十分に道路公団とも相談して法律の改正をしたらどうか。そして京葉国道は御承知のように道路公団がやっております。決してこれが全然市街地を通らぬのじゃない。市街地を通っている部分もあるのです。今度の羽田 横浜間は、陸上を通ることは少ないのですよ、やはり海上を通るのだと思います。海上が既成市街地というかどうかわかりません、しかし、少なくとも海上を通るとするならば、これは、たんぼを通るとたいした変わりはないと思うのですがね。その点、私は、こういう首都高速道路公団が仕事をすることはいけないと言っているのじゃないのです。やるならば、だれもが納得する、正しい理解をするような形でやったらどうであろうかということを申し上げているのです。

○国務大臣(河野一郎君)
 ただいまも申し上げましたように、われわれとしては、東京都といいましても三多摩のように、人家の稠密していない農村に属する方面は道路公団、川崎、横浜の人口の非常に稠密しておりまする部分、要するに市街地を主として通る道路については、首都高速道路公団というふうな解釈のもとに扱っておるわけでございます。したがって、決して首都といいましても首都圏という解釈をもってやっておるのじゃないのでございまして、お話のように、この公団の事業の施行区域を明確にするということは、確かに御主張の点も、私はわからぬことはないと考えますけれども、いま私から申し上げますとおりに、人口、人家棚密なところ、市街地の道路を行なうという意味において、阪神といたしましても、首都にいたしましても、そういう意味でこの公団をつくられた。したがって、そういう意味からこの羽田-横浜間におきましても、その精神で延長しておると、こういうことに解釈をしておるのでございまして、決してこれがさらに京葉道路のほうに延びていくことがあるかないかという場合には、そういうことは絶対にないということに御承知をいただきたいと思います。

○田中一君
 私は、やはり建設大臣の言うこともわからないじゃないのです。わかるから明確にそれを規定なさいと、こういうことを言っております。わかるからそれを明確に目的を、拡大解釈よりも、変更したらどうか。それからいまのお話ですと、たとえば、ここにあるのは、東京都の区の存する区域とその周辺だというんです。だから、多摩川を越えた川崎も入るんだよということなのか、あるいは東京都というものは、全部が区の存する区域じゃないわけです。お話のような三多摩もございます。また、首都高速道路公団は、いまお話のように、三多摩は全然しないのだということになるのか、これはあいまいですよ。御発言のように、首都高速道路公団は、三多摩はしないのだ、三鷹、武蔵野だけは、首都圏整備法によって指定区域になっているから、これはするけれども、ほかはしないのだということなのか、その点はやはり明確にせぬといかぬと思うのです、事業区域というものは。しかし、何かそういうことが単に建設大臣の命令ではなくして、根拠がある何かの規定なり申し合わせなり、あるならば、これはまた、忙しいから、どうだい、日本道路公団か首都高速道路公団でやってくれんかということもあり得ると思うのです、実態論からいって。建設大臣、これ以上言っても建設大臣も困るでしょうから、法制的に聞きます。法制局としてはこの読み方を、首都高速道路公団法の一条、この目的は、どういうぐあいに解釈しようとするのか、と同時に、日本道路公団法、首都高速道路公団法、この二つの法律が提案された時期、それから首都高速道路公団法は相当、数年後に出発しております。したがってその場合に、おのずから日本道路公団法と競合しない範囲というものを考えられて法制局としても賛成したろうと思うのです。それらの点を、ひとつ歴史的な事実を明確にしてください。

○説明員(荒井勇君) (内閣法制局総務主幹)所管部長ではございませんが、この高速道路公団法の第一条及び第二十九条第一項におきまして、「東京都の区の存する区域及びその周辺の地域」云々ということが規定されてございます。「東京都の区の存する区域」というのは、法令上非常に慣用されている一定の法律制度を前提とした、いわば既成の概念でございますが、その意味で申しますと、「東京都の区の存する区域」というのが一つのことばでございまして、その次に、「及びその周辺の地域」ということが書かれてございます。それはその二十三区の存する区域の周辺である、それは、東京都はわが国の首都として人口最も欄密であり、政治、経済、産業、そういったものの中心である、そういう区域の周辺にある区域ということでありますし、そしてそこに書いてございますように、その「自動車専用道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を総合的かつ効率的に行うこと等により自動車専用道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もって首都の機能の維持及び増進に資することを目的とする。」ということを書かれておりますので、それは非常に交通の激しい、そういう稠密な地区であるというようなことが、この目的の規定からいってもうかがえるのではないかというふうに思えるわけでございます。
 それからなお、第四条におきまして、その第一条なり、あるいは第二十九条で業務を施行します区域というものが、地域というものがどういうものであるかにつきまして、うかがうに足るような規定があるわけでございます。それは第四条第一項におきましては、「公団の資本金は、十億円と政令で定める地方公共団体が公団の設立に際し出資する際の合計額とする。」と、こうあるわけでございます。これが、東京都内に限るという趣旨でございましたら、そのように規定をしたでありましょうというふうに思えるわけでございます。
 それからなお、第四項に、「政府及び第一項の政令で定める地方公共団体は、前項の規定により公団がその資本金を増加するときは、公団に出資することができる。」と、こうございますが、この第四項につきましては、今回お願いをいたしております一部改正法案におきまして、その「第一項の」というのを削るという改正を入れているわけでございます。それはすなわち、この第一項は、設立に際し出資する額が、政令で定める地方公共団体によって出され、それから十億円は政府自身から出されるということでございますけれども、第四項において書かれておりますところの、この追加出資に関する規定におきましては、そこに追加出資する地方公共団体というものは、第一項の「政令で定める地方公共団体」といたしまして、設立当初に出資をいたしました団体とは異なり得る、異なるということは、範囲が縮小するということは――東京都よりも小さくなるということは考えられませんので、それはむしろ拡大するということが、この第四条第四項の改正の中からうかがいとることができるであろう、こう考えられるわけでございます。以上のように、第一条におきまして、「東京都の区の存する区域」という、法令上慣用されておりますそういう制度上のことばと、「及びその周辺の地域」ということが書かれております点と、第四条におきまして、そういう地方公共団体が、決して東京都という単一のものではなくて、「政令で定める」ということが書かれているということは、必ずしも単一でなくて、複数が出てくる。しかも第一項の、設立当初に出資をいたしました地方公共団体のほかに、なお追加出資をすることができるということが、第四項でうたわれるということは、それだけの変化があり得るということを法制的にいっているものだと考えますので、設立当初の目的からいいましても、必ずしもはずれているといいますか、当たっておらないということにはならない、その意味で、政府が、現在この法律案を出しますにあたって、前提としておりますところは、法律解釈上許されるところである、こう考えております。

○田中一君 首都高速道路公団法のときには、あなた審議したろう、法制局で。

○説明員(荒井勇君) はい。内閣法制局の総務主幹といたしましては、内閣法制局で審査します法律案につきましては、一通りは目を通しておりますが、直接は審査を担当したということはございません。

○田中一君 ちょうどこの法律が出た時期には、京葉道路、東京-千葉の道路をやっておったのです、日本道路公団が。そこで、先ほど首都圏整備法には関係ございませんと言っているけれども、第三十条の基本計画に、明らかに首都圏整備法の思想、考え方というものをその計画の中心にやれということが書いてある。それならば、はっきりと首都圏高速道路公団法でいいじゃありませんか。だから、この法律をつくるときに、ちょうど、首都圏高速道路法では困るのは、やはり京葉道路を日本道路公団がやっているからちょっとそれにのせられない、それで私どもが、もしそういういろいろな意味の伏線がある、われわれの理解できない伏線、官僚独善の、将来どうでも動くのだというような伏線を持っている法律案が今後とも出るならば、私どもはもっと慎重審議しなければならぬと思うのです。

○説明員(荒井勇君) 首都高速道路公団法は、成立いたしましたのが三十四年の四月でございまして、このような公団がこういう事業を実施するということになりましたのは、もちろんその施行された後でございます。京葉国道の場合には、事実関係でございますけれども、伺いますところによれば、首都高速道路公団法が成立する前から施行されているというふうに伺っておりますので、法律の施行前におきましては、当時は、日本道路公団法一本であったという意味で、日本道路公団が実施したのはもちろん当を得ておるところであると思いますし、まあそのことが、しかしながら直ちにその後に施行されました首都高速道路公団法の規定に抵触するということにならないではないかと思います。
 それから、第三十条のほうで、「建設大臣は、首都圏整備法の整備計画に基き、」その「基本計画を定め、これを公団に指示するものとする。」と書かれておりますけれども、これは、「政令で定めるところにより、」ということもございますし、その首都圏整備法の整備計画によったもの、すなわち、首都圏の全地域にわたるものについて、すべてやるということは、この第一条の目的の範囲内に当然規定されるということでございますから、必ずしも首都圏の全体をひっくるめた高速道路公団法ということには当たらないのではないかと存じます

○田中一君 日本道路公団法が制定された際に、地方等が持っておった、施行しておったところの道路が、工事全部、接収ということばでいいのか、あるいはかえって向こうから委託されたのか、少なくとも日本道路公団の事業として工事そのものを接収したのです。これは考えられるのですよ。したがって、あなた方がしょっちゅう高級官僚として、官僚のなわ張り争いというものはおそろしいものでしょう。これはもうちょっとしたことでも、これはおれのなわ張りだといったら、なかなか承知しない。したがって、日本道路公団、首都高速道路公団等が、官僚でないからもっと社会常識によってなされたと思いますが、しかし、法律というものはそれじゃ困るのです。日本道路公団が出発するときには、あらゆる地方の公共団体の仕事は、全部接収しましたよ。いいですか、数を全部教えてもいいですよ。私はあなたに、どこを取った、どこを取ったと、当然、もし首都圏という思想のもとにやろうとするならば、首都高速道路公団が道路公団がやっている京葉国道を引き継いでも一向差しつかえないのです。私は、いま建設大臣に言っているように、実態論としては、非常に買収その他やりにくいところがたくさんある。そういうところは、ひとつまとまったものでやったほうが、よくその地域を知ってているほうが楽じゃないかということでくることはわかりますよ。けれども、この法文の解釈からいった場合に、まあ鶴見も横浜市だといったら横浜市です。周辺というのは飛び地ではむろんないと思います。川崎市があって、その向こうにある川崎市までは周辺という見方をしてもいいけれども、川崎という地方行政区域があって、それを飛び越えて横浜に通ずるものが、「周辺の」とは言えないと思います。しかしながら、三多摩等においては、東京と横浜にくっついている町田というところがあるのですよ。町田というのは隣が横浜市。これならば周辺ということも言えるけれども、これは三多摩地域だから首都高速道路公団の施行区域じゃないと、いま建設大臣が言っている。しかし、常識的に川崎を通って横浜に通ずる道がなければ、道路としての機能はないのだから、川崎と横浜市との間を、向こうは向こうでもって日本道路公団がやるなんというむだな二重投資的なことはしないでもいいのでありますけれども、実態論として反対しているんじゃないのです。明確におしなさい、と言っているのです。明確におしなさい。拡大解釈、つごうのいい解釈でもってものをやったんじゃ困りますよ、ということを言っている。いま建設大臣にこの次に質問する問題もありますけれども、そういう点を将来検討するなら検討するという答弁がないと、なかなかぼくも引っ込まないから、何とか適当なおさめ方をしなければ困ると思う。

○国務大臣(河野一郎君) 将来の運用の基盤となりますように、この機会に建設大臣から明確にいたしておきます。道路公団の扱います事業は、役所の中で申しますれば、道路局が管掌いたしまするし、道路局の所掌事業の中の道路も扱う、首都高速道路公団の扱うもの、阪神の扱うものは、都市局のいわゆる市街街路――といいますか、に属する部分も扱うということに御了解願うと明確になるんじゃないかと 思います。そういうことに将来この法律の解釈を明確にいたしておきます。

ということで、「三多摩地区は、首都高速道路の範囲には入らない」ということになっている。

河野一郎は、後の総理大臣で、息子が河野洋平(元・自民党総裁)で、孫が河野太郎(自民党代議士)。田中一は、社会党参議院議員



環八上にある、「ここから中央自動車道」遮音壁(ノイズリデューサー)の形がここで変わっている。 手前のクリーム・茶色系が首都高で、奥の緑系が中央道

大きな地図で見るgoogle map(というかゼンリン?)の首都高新宿線と中央道の区切りは間違っている。

<上り線> 中央道 → 中央道・高井戸出口 → 首都高
<下り線> 中央道 ← 首都高・高井戸出口 ← 首都高

のように書き分けている模様だが、実際には、上下線とも環状八号線上空で区切りとなっている。


環状八号線(中の橋交差点)のすぐ西側に立つ中央道の橋脚「0.01kp」NEXCO中日本。


環状八号線(中の橋交差点)北東側にある「ここから首都高速」(上り線)

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