三原橋地下街や観光センターの経営者の新東京観光株式会社についてのメモ
三原橋地下街や三原橋観光センターについて文献をあさると出てくる新東京観光株式会社について調べてみた。
はまちゃん氏の「地下鉄日比谷線の上に謎の映画館!? (1) 三原橋地下街の謎」によると
戦後の混乱期の闇に発生した政商といわれる人間と、土地を所有していた東京都との複雑な利権関係があったようです。 その政商とは小宮山英蔵氏と云われる平和相互銀行創業者で、小佐野賢治などと同様に戦後の混乱に乗じて屑鉄商などから始め、裏の利権社会を生きて来た人だそうだ。 そして当時の東京都知事の安井誠一郎との間で政商ぶりを発揮し、小宮山氏は新東京観光㈱と云う受皿会社を設立し三原橋地下街・観光館の権利を得たとのではないかとのお話でした。 |
● 運輸省告示 第二百八十八号 旅行あつ旋業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第五条第一項及び同法施行令(昭和二十七年政令第四百十六号)第三条の規定により東京都知事が次のように旅行あつ旋業の登録をした。 昭和二十八年七月四日 運輸大臣 石井光次郎
3 登録邦人第三号 |
宮路知覚氏は、下記のように国会で朝鮮銀行の戦後整理の中で名前が出てくる方である。なお、読売新聞 1954(昭和29)年10月30日の記事では、『私は二代目社長だが都との使用契約についてよく知らない』と述べている。
衆議院 決算委員会 - 30号 昭和32年04月27日 ○山田委員 旧朝鮮銀行の当時の整理の衝に当っている者の名前は何というのですか。そしてあなたの方の折衝した人の名前は……。 ○渡部証人(前第一相互銀行常務取締役) 朝鮮銀行のは星野喜代治さんが責任者であります。そこに頼みに行きました。 ○山田委員 これが全部証人が当ったということは理解できないのですが、証人に話を持ってきた人はだれですか。 ○渡部証人 この話を持ってきたのは宮地さんという人でございます。その人が紹介しております。 ○山田委員 宮地さんというのは、宮地何という人です。 ○渡部証人 宮地智覚という人でございます。 ○山田委員 宮地智覚という人はどういう人ですか。 ○渡部証人 この宮地智覚という人は三原橋の橋の建築をやった人で、あそこの権利を持っております。 |
役員のうち、多久安信氏は、戦前の公選知事、金谷鮮治氏は、日光金谷ホテル、千葉胤次氏は弓道家にして戦前の公選東京区長、大政翼賛会局長、のようであり、すごいメンバーが揃っているようだ。
小宮山氏の名前は無いようだが、平和総合銀行系の人が入っているのだろうか??(その他の役員についてご存じの方はご教示いただけますと幸いです。)
旅行あつ旋業の営業保証金取戻し公告
旅行あつ旋業法第二十一条及び旅行あつ旋業者営業保証金規則第七条の規定により次のように公告する。 一、 商号又は名称及び氏名 新東京観光株式会社 井上喜一郎 事務所所在地 東京都中央区銀座四の五 二、 登録年月日 昭和二十七年十一月二十日 更新昭和三十五年五月一日 登録抹消年月日 昭和三十八年六月十八日 三、営業保証金の額 金五万円也 四、前号の営業保証金につき旅行あつ旋業法第十七条第一項の権利を有する者は本公告の日から六箇月以内にその債権の額、及び債権の発生の原因たる事実並びに住所及び氏名又は名称を記載した申出書二通を東京都オリンピツク準備局観光部に提出して下さい。 五、申出書の提出がないときは、営業保証金は取りもどされます。 昭和三十八年七月十三日 東京都中央区銀座四の五 新東京観光株式会社 代表取締役 井上喜一郎 |
下記は、旧平和相互銀行系の「総武都市開発(小宮山義孝社長)」が経営破たんした際に、関連する厚生年金基金が解散したことを告知する公告。この3に挙げられている会社が「旧平和相互銀行系」ということなのだろう。
厚生年金基金解散公告
当厚生年金基金は解散したので、厚生年金保険法第116条及び厚生年金基金令第42条の規定に基づき、次の通り公告します。 1.厚生年金基金の名称 総武厚生年金基金 2.事務所の所在地 東京都千代田区神田須田町1-12 3.設立事業所の名称及び所在地 総武都市開発株式会社 東京都江東区木場1-4-12、 株式会社武蔵野ゴルフクラブ 東京都八王子市宮下町656、 新東産業株式会社 東京都豊島区西池袋1-16-1新東第1ビル、 総武商事有限会社 東京都中央区銀座5丁目10番2号、 足立産業株式会社 東京都中央区銀座5丁目10番2号、 新東京観光株式会社 東京都中央区銀座5丁目10番2号、 総武健康保険組合 東京都千代田区神田須田町1-12、 総武厚生年金基金 東京都千代田区神田須田町1-12、 総武都市開発株式会社総武カントリークラブ 千葉県印西市草深302、 株式会社中山カントリークラブ 千葉県八千代市桑橋1299番地、 総武流山電鉄株式会社 千葉県流山市流山1丁目264番地、 株式会社グリーンセクション 千葉県印西市草深242-1、 東京書庫株式会社 埼玉県川越市下赤坂字大野原752番地、 株式会社川越カントリークラブ 埼玉県東松山市大字大谷4189、 妙高観光開発株式会社 新潟県中頸城郡妙高村関山大洞原6323-4、 株式会社軽井沢森泉ゴルフクラブ 長野県北佐久郡御代田町茂沢森泉371-300、 スプリングフィルズゴルフクラブ 茨城県真壁郡協和町小栗浦山6588 4.解散の理由 厚生年金保険法第145条第2項による 5.解散の認可の年月日 平成16年6月24日 平成 16 年7月8日 東京都千代田区神田須田町1-12 総武厚生年金基金 |
お目当ての新東京観光とともに、総武流山電鉄(現・流鉄)が入っている。
流鉄は、現在も小宮山英一氏が社長であり、大株主に新東京観光等が名を連ねているという。
余談だが、つくばエクスプレスが建設中の際に「流山電鉄がつくばエクスプレスに乗客減の補償を要求し、その要求が呑まれなければ、交差協議に応じない」というような新聞記事をかつて読んだような気がする。
かつて、堤家の近江鉄道が新幹線建設にあたり、国鉄に沿線風致阻害観光価値減殺による旅客収入減補償1億5410万余円を要求したという事案と似たようなものを感じたものだったが、やはり似た者同士の社風だったのだろうか。
旅行あつ旋業の営業保証金取りもどし公告 旅行あつ旋業法第二十一条及び旅行あつ旋業者営業保証金規則第七条の規定により次のように公告します。 昭和三十六年三月二十七日 東京都中央区銀座四丁目五番地 宮路 知覚 一、(一)登録番号 東京都知事登録邦人第四四四号 (二)住所及び氏名 東京都中央区銀座四丁目五番地宮路知覚 (三)商号 宮路興業株式会社 (四)主たる営業所の位置及び名称 東京都中央区銀座四丁目五番地 宮路興業株式会社 二、(一)登録年月日 昭和三十二年十一月十三日 (二)登録抹消年月日 昭和三十六年二月二十三日 三、営業保証金の額 金五万円也 四、前号の営業保証金につき旅行あつ旋業法第十七条第一項の権利を有する者は本公告の日から六箇月以内にその債権の額、債権発生の原因たる事実並びに住所及び氏名又は名称を記載した申出書二通を東京都オリンピツク準備局観光部に提出して下さい。 五、申出書の提出がないときは営業保証金は取りもどされます。 |
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コメント
http://books.google.co.jp/books?id=4zujwQfCAJcC&pg=PA13-IA19&dq=%E2%80%9D%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%94%B0%E6%A0%84%E2%80%9D&hl=ja&sa=X&ei=aHihUsGnI4vHkAX4nYCABQ&ved=0CDcQ6AEwAg#v=onepage&q=%E2%80%9D%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%94%B0%E6%A0%84%E2%80%9D&f=false
東京都競馬の 当時の役員と微妙に メンツがかぶるようです
投稿: くれど | 2013年12月 6日 (金) 16時13分
たぶん 蛇足になると思いますが
久保田栄が 安江誠一郎東京都知事の秘書 金谷鮮治は ニュージャパン副社長(ニューラテンクオータがここの地下1階)とか北炭観光開発(社長の萩原が 児玉誉士夫の盟友)というとこから 児玉誉士夫人脈 当時 同時進行で 東京温泉をつくっていたんで それと関係して考えるのも面白いです
小宮山英蔵は この頃は 銀行家よりも 解体屋のおやじということで 埋め立ての廃材集めを名目で 裏で 次の転身にかけていたんでしょうか 平和相銀って 金屏風だけしか 語られないけど この時代があって 闇社会の貯金箱なんですから
それから 官報って どこで見られるもんなんですか?
投稿: くれど | 2013年12月 7日 (土) 15時04分
くれど様 情報ありがとうございます。(ご教示いただいた情報は初耳でした。)
東京温泉は単に近所にあるだけじゃなくて、相応の人脈でつながっていたのですね。
なお、官報は
https://search.npb.go.jp/kanpou/
で有料で過去分を検索できます。
最近では公共や学校の図書館のオンラインデータベースで見ることができるところも多いようです。
(私も図書館のデータベースの新聞や官報を使うことが殆どです。無料で見れます。)
投稿: 革洋同 | 2013年12月 8日 (日) 22時39分