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2013年10月14日 (月)

日本道路公団の未成道路「焼津道路」・・東海道線の石部隧道を有料道路にする計画

国鉄東海道本線の日本坂附近のトンネルでいろいろな経緯があるのは、有名で、在来線と新幹線(弾丸列車)でトンネルをやりとりしたり、廃線ブームのきっかけともなった、大崩海岸に坑口が落っこちている写真が有名だったりするわけで、よっきれん氏のサイトでも詳しく紹介されているところである。
http://yamaiga.com/road/ookuzure/
http://yamaiga.com/road/ookuzure/main3.html

しかしながら、東海道本線の旧トンネルを日本道路公団が一般有料道路のトンネルとして再利用しようとしていた(が、未成に終わる)というのは、あまり知られていない。

焼津道路
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/m_jsce/42-07/42-7-005.pdf

上記は、土木学会誌昭和32年7月号「ニュース」欄からの抜粋であるが、日本道路公団の昭和32年度事業の紹介として、末尾に「その他、焼津道路は十分の調査がすむまで保留となっている。」と記されている。

(追記)

日本道路公団年報に「昭和33年度の新規事業路線」として、東京高速道路(現在の首都高速道路)等と一緒に掲載されていた。

起点は静岡市用宗、終点は焼津市浜当田の約5キロで、幅員は6メートルだから片側1車線の道路ということか。路線名は2級国道150号だから未成国道でもあるということだ。(国鉄の廃トンネルが国道になった例は他にあるのだろうか?)

道路公団年報から東京高速道路、焼津道路など

(追記終わり)

しかし、未だ一般有料道路「焼津道路」という道路は営業されたという話は聞かないし、官報データベースや土木学会のアーカイブ等学術論文系のアーカイブを検索しても出てこない。私も公開された資料をいろいろと探してやっとそれらしきものを見つけたのでご紹介する次第。

-衆議院-運輸委員会請願審査小委員会-1号 昭和32年05月17日

○西村直己君 ちょっと各委員の方々に御説明を簡単に申し上げたいのは、一三一号の国鉄燧道の払い下げの問題でございますが、ちょっと短時間いただきまして、御説明いたしたいと思います。私どもの郷里の静岡市がございます。それからその次に東海道線で用宗という駅がございます。用宗の駅の隣に焼津駅というのがございまして、その用宗駅と焼津駅との間に、旧国鉄の遊休燧道があるわけでございます。現在東海道線をお通りになりますと、焼津を出ますと、あるいは用宗を出ますと、そこに新燧道が昭和十七年以来ずっとできております。これは日本坂燧道といっておりますが、これを本線が上下線通っております。その下に昭和十七年以来約十五年間遊休になっておる明治二十二年建設の燧道がございます。その燧道は明治二十二年の建設でございますから、れんがで作りました小型のトンネルでございますが、ずっとあいております。そこで地元の者としては、長い念願で、ぜひそこを通らしてもらいたい。と申しますのは、そこは宇津谷峠という大きな峠がずっと続いておりまして、その山坂を通って二級国道がずっと通っておるのでありますが、大崩というくらいでありまして、非常ながけでございまして、太平洋に面しまして毎年がけがくずれる。昨年も一年間は通行ができなかったわけであります。そこで国鉄の方の遊休燧道を一年の間臨時に通らせていただいておりますが、それが内部が全然整備きれておりません。あかりもついておりませんので、非常にでこぼこで危険状態でございます。といって、地方自治体がそれを修理するわけにもいかない。臨時に一年間使わせていただいているというような状況でございます。そこで私ども考えまして、県、市も非常に熱心でございますが、有料道路にさせていただく。あるいは道路公団でもって今年度の融資の中に、大体一億二、三千万円かければりっぱに有料道路になるだけの経費は一応見積られておるわけであります。そこで問題は、国鉄さんの方がこれを建設省、道路公団、あるいは地元の県にお貸し下さるかどうか、あるいは渡して下さるかどうかという、そういう請願でございます。そこで今までの経緯を見ますと、地元の静岡電気鉄道にすでにそれを国鉄さんの方では免許と同時に貸してやっております。しかし実際は静岡電気鉄道も使えないし、そこの社長に先般会いましても、自分の方はその前に安倍川の鉄橋を作らなければならないから、会社としてはとてもまだ現在それを使っていく段階ではない、しかし権利として借りる権利は持っているけれども、国鉄さんの方でそれを有料道路に切りかえて下さるなら、自分の方はバス経営としては楽だからその方がいいじゃないか、こういう御意見であります。一にかかって国鉄の方が遊休財産を県あるいは道路公団、建設省方面へ転換していただけるかどうか、その請願でございます。私どもとしては、十七年以来使ってない燧道でございますから、ぜひそうお願いしたい、こういう請願でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○細田政府委員(鉄道監督局国有鉄道部長)  現在の東海道線の用宗-焼津間の日本坂燧道は、実は戦争中に広軌新幹線の計画がございました。そのルートといたしまして掘さくいたしました燧道を、新幹線がほかの点から中止になっておりましたので、新しく掘りました燧道を現在の東海道本線に切りかえておるわけであります。従いましてただいま西村先生から御説明のございましたように、旧燧道-石部燧道と磯浜燧道の二燧道が、現在使っておらないものがそのまま残っておるのでございます。これにつきましては前々からお話もございまするし、非常にごもっともな請願の御趣旨かと考えるのでございますが、ただ問題は、実は東海道の現在線がそのままでは早晩行き詰まるのではないかということが非常に心配されておりまして、東海道の線路をさらにふやさなければいかぬのではないかということが考えられまして、実は今いろいろ国鉄の内部で検討いたしておるのでございます。その計画があまりおそくなるようなことでは困ると思いまして、できるだけ早く、われわれ運輸省としましてもその必要の有無、あるいは経路、方向等につきましても結論を得たいと考えておるのでありますが、実はその計画がはっきりして、旧燧道を使わないということがはっきりきまりますれば、あるいは移管ということが可能になってくるかと思いますけれども、ただいまのところはまだその決定は見ておりませんので、移管はできないかと考えます。ただこの間施設をそこなわない――もちろんそこなわないどころではなくて、おそらくよくなるのではないかと考えるでございますが、この間一時道路として使用するということにつきましては差しつかえないかと思いますが、ただ問題は、今申し上げた東海道の線路をどうするかということをきめる段階にきておりますので、この結果これを使うということになりますと、一たんつながったものがまた道路が切れるというような問題が若干心配される状況でございます。率直に現在までのことを御報告申し上げます。

○西村直己君 実はこれは請願ですからあまり激しいことも申しませんが、この機会にお許しを願って申し上げておきたいのは、国鉄さんとしてはそう言っていつも御答弁願ってもう二、三年来知っておるのです。計画ができたらあれしようとおっしゃっておって、臨時に使っていただくのはよいと言っている。臨時に使うのにはあまり危険です。カーブのひどいトンネルで新線には使えそうにありません。明治二十二年の建設でれんがで作ったものでありますから、国鉄さんとしては財産を持っていれば何かになるだろうというのでいつまでも日がたっていく。地元民としては非常に不満です。十五年間も遊休財産として、ほうっておいて、電気鉄道の方には免許を与えて、毎年十五万円ずつ借賃を取っておいてそのまま寝かしてある。災害が起るとそこを通りなさい。電気はついていない。中はでこぼこで穴があいておる。戦争中は工場の疎開で道具なんか置いてやっておったというようなところです。そこで道路公団の方では一億三千万円からの金を用意している。建設省もやりたいとおっしゃっている。そういうようなところまできておるのに、これから複々線の計画を立てて将来きまったらやってやろう、そうしてそれがもしきまらぬ場合は、困ったときには臨時にお使いなさい程度で、国有財産をただ寝かしておくという結果が起りますと、おそらく今度国鉄に対する怨嵯の声が強くなってくる。国鉄も公社の経営である以上は、民間協力を得ないでにだ困ったら便宜に考えてやろうという程度では、とても私どもはおさまらないので、一つ速記に載せまして――同時に私は総裁、副総裁にも理事の諸君にも、またその他の局長にも、ここに大臣もいらっしゃいますが、大臣にも、前の大臣にもたびたびお話を申し上げている。地元を代表しましてずいぶん長い間お願いしておる問題でありますだけに、一日も早く御決定を願わないと、国鉄あっての国民であって、国民あっての国鉄というものではないということになってしまう。こういったおそれが多分にある。一方においてすでに道路公団を通じて私どもは建設大臣、大蔵大臣その他の間で一応話し合いを進めてもらえる予定で金は用意している。地元はむしろ道路としての建前をとることを希望している。そこには二級国道が通っているのを切りかえていただきたい。そうしませんとおそらくことしもまた過ぎていく。率直に申しますと、国鉄の東海道の複々線の完全なる計画、具体的な場所の計画まで立つのは三年、五年先になりましょう。かりに世銀の融資があったにしても、この具体的な決定までには三年、五年、そうすれば結果においてはお断わりだということをおっしゃっていただいた方がいいので、政治的答弁、御不便があれば何とかしましょうということだけでは私はおさまり切れない。それでわざわざおじゃまに上った次第であります。

○細田政府委員 ただじんぜんほったらかすというような気持でおらないということは、まず申し上げておきたいと思います。東海道の線増の調査については、この問題につきましては私も一、二年来伺っておると思うのでありますが、相当進んでいるのでございまして、実はもうそう遠くない時期に省の態度も決定しなければならないという段階にきておりまして、調査もかなり進んでおります。従って私一存でここでどうかということを結論的に申し上げることはできませんが、いずれにしましてもじんぜん時を過すということではございませんので、早急にこの問題を解決するような方向で努力いたしたいと考えております。

○西村直己君 時間をとって恐縮ですが、ぜひ早急にきめていただきたいのと、私ども常識から見ますと、あのカーブの強い、明治二十二年に作られたトンネルを、今かりに複々線を作る場合にお使いになるといっても使えないのではないか。しかも国鉄さんとしては、それではなぜ地元の電気鉄道等から十五万円も毎年借賃を取って、切りかえ切りかえでお使いになっておるか。これ自体がすでに国鉄が使わない意思を地元の一業者にしておる。地元の一業者にはしておって、一般民に対してこれを拒否なきるということになると、私どもは国会において争っていかなければならない。その事情をはっきり申し上げたいのでございます。なぜその免許をなさったか。毎年十五万円ずつ切りかえ切りかえで金を取って戦後数年来続いておるのです。

○細田政府委員 お話の趣旨はよくわかるのでございますが、静岡鉄道に貸しておるのは、あくまでも暫定で、いつでも取り上げるという前提でやっておるために貸しておるのでございまして、業者であるからどうとか、一般だからどうという頭で考えたものではございませんので、その点は一つ御了承願います。なお、これは一般にいたしますれば、先ほど申し上げましたように、金もかけなければいけないだろうし、おそらくこれは暫定といっても、実際暫定にはできないのではないかということでございますので、その点は一般をどうこうして特定会社をどうこう、特に利益をどうこうするという考え方ではございませんので、その点だけは御了承願います。

○西村直己君 何も特定会社の利益をはかったという意味ではないのですが、鉄道としては暫定にしろ数年間毎年十五万円ずつ借賃を取って、免許を与えてやっておる。しかし事実使ってないのです。そして人は通ってない。だから、鉄道としては要らないものだといって、暫定にしても数年間ちゃんと放棄しておった。たまたまこの節複複線の問題が起ってくるので、万一要るならば大事をとっておこうという程度ならば、これは国鉄だけの利便を考え過ぎる。土地の人間、一日千台以上、あるいは二千台以上トラックの通る山坂の道が上でくずれる。ですから、あまりにも国鉄本来の利便だけを考え過ぎて、地元民の利益を度外視することは、将来そこにまだいろいろたくさんの問題があります場合に、私は協力が得られないと思う。その点で一つ御考慮を願いたい。私はあくまでもこれからしつこくやりますから……。もしどうしてもただ財産として保全しておくのだ、そして便宜のために一時電気鉄道に使わしたけれども貸しておくのだという程度のことでごまかしをされておったのでは、地元の者としては非協力の態度に入って参ります。どうぞその点お願いをいたします。きょうは紹介議員でございますから穏やかに申し上げます。御採択だけをお願いいたします。
    



この約1週間後、同年5月25日には鉄道技術研究所(現:鉄道総合技術研究所)が、「広軌新線ならば東京-大阪間の3時間運転は技術的に可能である」という報告を創立50周年記念講演会で述べたそうである。

結局、東海道新幹線が具体化して、旧石部隧道は東海道線に再転用され、国道になることはなかったのであるが。。

日本道路公団の一般有料道路としては、越路橋が国鉄の信越本線の旧橋を改良して道路橋にしたように、終戦後10数年程度の頃は、土木資産を再活用することが珍しくなかったのだろう。

http://library.jsce.or.jp/jscelib/committee/2003/bridge/T3-014.htm
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00034/44-02/44-2-14338.pdf
http://www.nikkenren.com/archives/doboku/ce/ce0903/100nen_project.html

ところで、日本道路公団の有料道路計画はともかく、静岡鉄道が石部隧道に免許を持っていたとは何なのか?

これまた調べると下記の運輸審議会答申があった。

第百十五号
昭和二十五年十二月二十二日

運輸審議会会長 木村 隆規

運輸大臣 山崎 猛殿

答 申 書

靜岡鉄道株式会社申請地方鉄道敷設免許について

昭和二十五年八月二日鉄監第一二七九号をもつて諮問にかかる靜岡鉄道株式会社申請靜岡、相川間地方鉄道敷設免許については、九月十三日靜岡市において公聽会を開催し爾後慎重審議を重ねた結果左記の如く答申する。

主 文

靜岡鉄道株式会社 靜岡相川間地方鉄道敷設免許申請はこれを免許するのが適当であると認める。

理 由

本申請路線は靜岡鉄道本線と藤相線とを接続する路線で沿線には漁港として全国的に著名な遠洋漁業地焼津町があるばかりでなく、豊富な農産地帶であり、又、相川以南についても吉田町、川崎町、相良町等漁港多く沿線町村の大部分は靜岡、清水の両市と商業取引をしている関係上交需重要がきわめて多い。現在靜岡鉄道駿遠線が袋井より相良、川崎を経て、国鉄藤枝駅に逹しているが、非常な迂回線である上に、狭軌の蒸気線で輸送力も少い。本申請路線の実現するときは、清水市、袋井町間を通じ駿遠線と靜岡線が直結されることになり、一三粁余の短縮となるばかりでなく、その輸送力は大きく、沿線の住民に大なる利便をあたえることになる。これが開通後は沿線の産業の開発、文化の発展上にあたえる利益がきわめて大きいと思われる。 本路線は延長二七・五粁、建設費四億円の大工事であるが、現在の同社の能力に以てしては、増資又は借入金によつて充分これを賄いうると認められるので、免許するのが適当であると 認められる。

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