R25名阪国道は高速道路になるはずだったのか?
国道25号名阪国道は、ご存知のとおり、東名阪自動車道と西名阪自動車道の2本の高速道路に挟まれた自動車専用道路である。
「国道25号名阪国道は、なぜ高速道路にならないのか?」はよく道路趣味者等において話題になっている。
当該区間は、高速自動車国道近畿自動車道名古屋大阪線の予定路線となっているからである。当該区間が初めて高速道路として位置づけられたのが「国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律」(昭和41年)である。その関係資料を国立公文書館デジタルアーカイブから見てみよう。
http://jpimg.digital.archives.go.jp/pdf/H1830a00080000/0838.pdf
当初2車線で開通した名阪国道を4車線化する際に「支障がなければ幹線自動車道(=高速道路)として実施してまいりたい。」「有料、無料については慎重に検討してまいりたい。」との想定問答が準備されている。
一旦国道として開通しながら、上記のように4車線化する際に高速道路となった例としては、笹谷トンネル→山形自動車道、海南湯浅道路→阪和自動車道といった例がある。
また、東名阪自動車道及び西名阪自動車道も当初は一般国道の有料道路として開通した後に高速道路となった区間である。
実際には、何が「支障」となったかは不明であるが、現実には名阪国道は、一般国道のまま4車線化されている。
ひょっとすると、いわゆる「非名阪」が国道25号のままなのは、上記想定問答に予定されている「名阪国道の高速道路化」を想定して残しておいたのだろうか??
同じ想定問答の中でも、東京川越道路の高速道路(関越自動車道)化は実現している。
(参考)一般国道が高速自動車国道になったものの事例
西名阪自動車道(一般国道25号)
東名阪自動車道(一般国道1号)
関越自動車道東京川越道路(一般国道254号)
札樽自動車道(一般国道5号)
高速道路への切り替え
一般有料道路としての工事の廃止
沖縄自動車道(国道329号)
山形自動車道笹谷トンネル(一般国道286号)
海南湯浅道路
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