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2014年6月 6日 (金)

箱根ターンパイクがNEXCO中日本に買収されて子会社になっていた

2014年6月5日に、NEXCO中日本(中日本高速道路)が平成26年3月期決算を発表していた。


そこに、しれっと

「当社の子会社である(同)NEXCO中日本インベストメントは、道路運送法に基づく自動車道事業の運営を目的として、箱根ターンパイク㈱の株式を取得し、子会社としました。」

と書いてある。

Nexco

グループ企業の一覧にも箱根ターンパイクが入っている。
Nexco_2

NEXCO西日本が以前、芦有ドライブウェイ http://www.royu.co.jp/ を買収しているので、旧建設省管轄の旧道路公団が、旧運輸省管轄の一般自動車道を買収した2例目の事例となる。


箱根の方は、ネーミングライツで「TOYO TIRES ターンパイク」を名乗っているので、NEXCO中日本の営業路線にネーミングライツが導入されたということにもなるのかな。

この際、新東名等にもネーミングライツを入れてしまえばよいのではないかw


ところで、箱根ターンパイクは、東急の五島慶太が、田園都市開発と箱根のお山大戦争のために、渋谷から箱根にかけての自動車道を建設するはずが、日本道路公団の第三京浜道路と競合したため、実際には小田原から箱根の路線しか認可されなかったといわれているが、外資を経由して、結局旧道路公団の会社に買収されるとは皮肉なことだ。

(参考)

また、ここを東急から買収した外資は、オーストラリアのマッコリー(韓国のお酒じゃないよ)のはずで、「PFIの先駆け」とか「日本のインフラにも外資が参入」といった感じで取り上げられていたはずだが、どうして手放したのだろうか?東急から買収した額とNEXCOへ売却した額にも随分差があることだよ。

(参考)

http://www.jice.or.jp/oshirase/201110110/kanai_04.html


※一般自動車道の法律的な性格等は下記の5頁~9頁を参照されたい。

※追記

http://facta.co.jp/article/201408017.htmlに下記のような記事が

コンセッション狙い中日本高速が「忍び足」

愛知県有料道路の運営権に虎視眈々の旧道路公団。“肩慣らし”に箱根ターンパイクを買った。

2014年8月号

    苦心の末に摑んだ“規制緩和の果実”はトンビにさらわれてしまうのか――。愛知県が国に提案した全国初の「有料道路コンセッション(運営権の民間売却)」方式が新成長戦略に事実上盛り込まれ、ようやく実現の目鼻がついたが、関係者の表情から硬さが消えない。

    関連法の改正スケジュールがまだ決まっていないのも理由の一つだが、それ以上に大きいのは、旧道路公団の分割会社で、有料道路やサービスエリアの管理・運営ノウハウを握っている中日本高速道路(NEXCO中日本、名古屋市)が不可解な動きをみせていることだ。

    表向きは静観の構えだが、裏ではこっそり関東地方の有料道路運営会社を買収するなど、コンセッション獲得に向けた“肩慣らし”ともとれる動きをちらつかせている。

    ※追記その2

    西村 京太郎の十津川警部 箱根バイパスの罠 (講談社文庫) という本は外資の有料道路である「箱根バイパス」の買収を巡る殺人事件だ。

    NEXCO中日本も死人が出なくてよかったなw

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    東京江之島間有料専用道路申請書が出て来た~東急ターンパイクの考察(その1)

    東急五島慶太の自動車道計画の全貌~東急ターンパイクの考察(その2)

    何故に東急ターンパイクの免許は認可されなかったのか~東急ターンパイクの考察(その3)

    (参考)

    箱根ターンパイクがNEXCO中日本に買収されて子会社になっていた

    東急プラザは東急ターンパイクのバスターミナルになるはずだった

    「トトロの住む家」が本社だった高速道路会社があった

    第三京浜道路調査報告書を読む~玉川ICは、何故そこにあるのか?~

    清水草一氏の「中途半端な目黒線と第三京浜、実は渋滞解消の特効薬? ヒントはパリに」に係る考察(2)

    東急ターンパイクに係る東京都庁議書類

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    コメント

    話題の多い愛知県道路公社のコンセッションは骨抜きかも!
    10月13日に公表された実施方針では、なんと社会的割引率が1.18%の驚きの低さが話題になっている。その根拠は、公社が国債を購入して運用する場合を想定した利回りと同じなんだという。ということは簡単にいうと、投資機関は国債を買うのとコンセッションに投資するのも同じってことかも。これでは利回りが市場利率に比べて低すぎて、ファンド系や商社は手を出さないな。ゼネコンも改築事業がほしいだけだから30年も低利率の事業に付き合ってられないから代表企業にはならないな。・・・てことは応募者が出ないように仕組んでるんじゃない? 誰が仕組んでるかって?それは国交省道路局とその影響下にある愛知県の官僚でしょ。国交省道路局の本音は道路事業を民間の事業にするなんて自分の仕事をなくすことになるので、冷ややからしいし。大村知事はずいぶん入れ込んでるけど社会的割引率が1.18%の意味をちゃんと知らされてないんじゃないのかもなぁ。官僚の「面従腹背」にみんなが踊らされてるんだとしたら、官僚ってホントに怖いなあ。選定委員会の「著名」な先生方はわかってるはずだから、これも罪深いなあ。

    投稿: | 2015年10月22日 (木) 21時44分

    関西空港は結局オリックス系が取ったようですが、愛知県道路公社はどうなるんでしょうか?
    箱根も外資が手放した額と東急から買収した額が随分差があったので「民間企業としての道路運営」の内情が気になるところです。

    投稿: 革洋同 | 2015年11月23日 (月) 13時37分

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