圏央道の青梅市内を歩いてみる(その2)
青梅の町中を歩いていると、何やら石碑が。
「圏央道 青梅トンネル 貫通点」と書かれている。
圏央道 青梅トンネルの概要
延長 2,095m(開削トンネル1,002m 非開削トンネル1,093m)
断面積 約230㎡
特色 上下線2層一体構造
ちなみに平成13年度土木学会技術賞を受賞している。リンク先には、トンネルの実物の断面の写真が載っているので是非見てほしい。
業績は「日本で初めてのNATMによる二階建て超大断面道路トンネルの施工技術」とある。
工事を担当した鹿島建設のウェブサイトhttp://www.kajima.co.jp/news/digest/oct_2001/genba/genba.htmにはこう記されている。
「トンネル中央部は,市街地を通る市道の直下につくるため,地域住民の生活環境や自然環境に配慮する必要があった。そこでトンネルを市道の幅約16mの範囲内に収めるよう,2層式の構造にし,地上から開削して建設する方法ではなく,地中を掘り進むNATMという施工方法をとった。」
青梅市が施工した区画整理の地形にあわせて圏央道は走っているのであろう。市内をトンネルで抜けるのも、青梅トンネルが2階建てなのも、地中で急カーブするのもそういう理由であると思われる。
(参考文献)
市街地道路直下の二層道路トンネルの施工〜首都圏中央連絡自動車道青梅トンネル〜http://ci.nii.ac.jp/els/110003975896.pdf?id=ART0005461386&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1403964829&cp=
土被りの浅い大断面 トンネルにおける 地山挙動の非線形逆解析http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00047/1999/09-0095.pdf
JR青梅線と圏央道が立体交差する部分には、一般道の立体交差を含めた三層構造となっている。
当該区間の模型を作製した会社のウェブサイトhttp://www.k-kikaku.co.jp/douro-page.html/13-oome-tonneru.html
ライオンズマンション河辺東の東側に緑地があってその中に石碑が。
奥の黒赤の杭の赤い部分に「JH」のマークが見える。
先程のJRとの立体交差区間も含め、多くの関係者が携わった大工事だったことと思われる。
この地区は、多摩川の河岸段丘である。
新奥多摩街道の南側は、また青梅市の緑地の下を青梅トンネルが走っている。
緑地内にJHマーク入りの杭がある。
ここには、以前は、奥多摩街道沿いに青梅スケートセンターがあった。(下記写真の青い屋根)
目の前の土手を登ってみると
多摩川を二階建てで渡る圏央道多摩川橋が見える。
多摩川の河原から見ると、左手の河岸段丘のど真ん中をぶち抜いて青梅トンネルからいきなり多摩川橋になる。
こんなイメージでw
グーグルアースで見るとこんな感じ
国土地理院の3D地図で見るとこんな感じ
反対側(南東側)の住宅地から見るとこんな感じ
このあたりは、規制される前は、多摩川の川砂利を採っていた。青梅線からの引き込み線もあった。
小河内ダム建設に寄与したそうな。http://www.the-orj.org/yokkiren2/ogouti/main.html
国土地理院航空写真MKT615-C22A-12によると多摩川に砂利採り用の橋まで架けていたのがよくわかる。
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