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2014年10月に作成された記事

2014年10月22日 (水)

沖縄モノレールのQRコード切符と広島高速道路のバーコード通行券

去る10月20日から沖縄都市モノレール(ゆいレール)の切符がQRコード(2次元バーコード)入りとなった。

会社のウェブサイトを見ると、切符に印刷されたQRコードを利用者が自分で改札機にスキャンさせる方式のようだ。沖縄モノレールQRコード切符

http://www.yui-rail.co.jp/info/file/qr8.pdf

公表されているものとは少し違うが、QRコード化のメリットを自分なりに邪推してみた。

・用紙に磁気をのせなくてよいのでコスト(調達コスト及びリサイクルコスト)が削減される。

・改札機の搬送部(最も保守を要している部分:切符が詰まって蓋をあけて点検しているところをよく見かけるでしょ)及び記録部が廃止されるので保守コストが削減される。(ICカード化もこれが要因の一つ)

・QRコードのスキャナ部分は、POSレジ等の汎用品が使えるため、制作コストが削減される。

といったところか?(素人が考えたのでピンボケならごめんなさい)

そもそも首都圏や近畿圏のように違う会社の鉄道同士が相互乗り入れしたり料金設定にも多様なルールを反映させたりしなければならないところと違い、切符に記憶させなければならない情報量も少ないため、磁気ではなくQRコードで十分なんだろう。

磁気の切符では、改札機に通す際に磁気ヘッドで必要な情報を書き込んでいるが、QRコード切符ではどうしているのだろうか?

邪推するに、切符のQRコードには1枚毎にユニークな発券番号を記録して、それを改札機でスキャンした際にサーバに情報を送り、サーバ側で発券番号毎に利用履歴を管理しているのだろう。利用済みの切符を再利用しようとしても、改札でスキャンした際にサーバから配信された利用済リストと照合してはねてしまうのか。

そういう意味では回収する必要はなく、ゆいレールのサイトにある「備え付けの回収箱」とはゴミ箱以上の意味は無いのだろうな。

回数券については、再利用されるリスクが高くなるのかもしれないが、ゆいレールでは、今回回数券は全廃し、ICカードに集約することでリスクの低減を図ったと思われる。

また、QRコードを偽造することが心配されるが、twitterにUPされたQRコード切符の画像を携帯電話のバーコードリーダーで読み込んでみると暗号化されているようであった。

https://twitter.com/teruhiro002/status/524106954575069184

https://twitter.com/ss_rune/status/523977918565736449

https://twitter.com/sumasa/status/598826290242662401

暗号鍵を適宜変更すれば悪用も抑えられるのだろう。

https://www.denso-wave.com/ja/adcd/product/software/SQRC/sqrc.html

切符右端の灰色部分はコピー防止の役割か?

 

旅行者等の不慣れな利用客の混乱も想定されるが、そもそも飛行機で沖縄に来る旅行客は、飛行機搭乗の際に、QRコードを搭乗ゲートでスキャンして乗ってるんだから同じことなよなあ。さほどハードルは高くないのではないか?

大幅な乗客数の伸びが期待できない地方公共交通に費用対効果以上のオーバースペックなサービスを要求するよりも、身の丈にあったダウンサイジングとコスト削減を諮るのも時代の要請と言えるのではないか?特にゆいレールは延伸事業が控えているだけになおさらであろう。

suicaが利用できないと「利権」「ダサすぎる」と言うような人もいるが、旅行者用のフリーきっぷ等のサービスを提供することでカバーするしかないだろう。

 

他方、高速道路では、開通当初はパンチカード方式(通行券に入口のICの料金所で日付、車種等を示す穴を開け、出口のICの料金所でその穴を読み取って料金を計算する)から磁気カードに移行している。

http://www.e-nexco.co.jp/effort/journal/tollgate/detail03.html

昭和38年の名神高速道路の開通にあわせて「パンチカード方式」の収受システムが採用され、昭和55年には道央自動車道の札幌南~苫小牧西間の開通で現在も使用されている「磁気カード方式」が初めて採用されました。そして、約37年後の2000年、ETCが千葉県内で初めて運用を開始しました。その後、急速に普及が進み、現在では8割を超えるお客さまにETCをご利用いただいています。

これに対して、最近の広島高速道路では、バーコード式の通行券(感熱紙)を採用している。詳しくは、下記の東芝のサイト(PDF)を確認されたい。

http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2010/08/65_08pdf/f05.pdf

実際のバーコード通行券は下記のブログに掲載されている。

http://yaplog.jp/happy_aura/archive/1680

 

ここまで無い知恵をしぼって書いて、最後に参考文献になりそうなものがないかググっていたらそのものずばりがあったわ。俺の記事いらんやん。

http://www.ekouhou.net/%E8%87%AA%E5%8B%95%E6%94%B9%E6%9C%AD%E6%A9%9F%E3%80%81%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E9%A7%85%E5%8B%99%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/disp-A,2013-50854.html

http://www.xtokkyo.com/3R/2012079234.html

 

QRコードとは関係ないですが自動改札関係ではこれもおもしろいです。

http://www.publickey1.jp/blog/12/_1040.html

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2014年10月19日 (日)

西武渋谷店A館B館の間の地下道はあります!(おぼかたさん風に)その1

私も土木趣味者のはしくれとして、暗渠ものはある程度手を出しているし、洋泉社さんの「東京スリバチ地形散歩」「東京スリバチ地形散歩2」(前2者は南洋堂での会長サイン本)及び「東京暗渠散歩」くらいは揃えているわけです。

(洋泉社さんでも秋葉大先生モノには手は出さないよ。)

 

で、暗渠趣味者のネタに表記のものがある。

「東京暗渠散歩」でいうと「宇田川の項、45頁に本田創さん担当の部分に

「西武A館とB館の間も暗渠」

西武渋谷店A館とB館の間の井の頭通り下が暗渠となっていて、そのためA館とB館の地下がつながっていないということは最近ではずいぶんと知られるようになったが、もともとここに宇田川が流れていたわけではなく、暗渠化時に文化村通り側から付け替えられたものだ。

とある。

また、「『春の小川』はなぜ消えたか」(田原光泰著)にも190頁に下記のような記載がある。

 この宇田川の新設水路の上は道路になっており、山手線の線路を越えて西武百貨店の前にでると、道路は井の頭通りとなる。通りは西武百貨店のA館とB館の間をぬけてゆくが、百貨店が両館の間を地下通路で結んでいないのは、今でも道路の下に、当時健三された幅5m40cm、高さ3m24cmの鉄筋コンクリート製の新水路があるためである。

東京都下水道局 下水道台帳ホームページhttp://www.gesuijoho.metro.tokyo.jp/semiswebsystem/index.htmlによると

西武百貨店渋谷店の地下

確かに、「宇田川幹線」が埋まっていることが確認できる。

 

私のツレ(ご迷惑がかからないようにフェイク入っています。)に、この話をしたところ「地下通路はあるよ」との返事が返ってきた。

西武百貨店渋谷店

西武百貨店渋谷店は御覧のとおりの構造なのだが、彼が言うには「A館とB館の下に更に1階ずつ業務用のフロアーがあって、そこが地下でつながっている」と言うのですよ。

アルバイト関係のサイト等で「西武 渋谷 社員食堂」なんてキーワードで検索すると西武百貨店渋谷店の社員食堂の要員募集の記事が出ていたりするが、その社員食堂等が地下にあってロフト、A館、B館が地下でつながっていて利用できるようになっているそうな。ご迷惑がかかるといかんのでそれ以上は書けないのですいません。ひょっとしたら暗渠の下になるのかね。

渋谷区の道路占用許可台帳を閲覧すれば確認できるかな。

(追記)

確認しました。結果は下記のとおり。

西武百貨店渋谷店A館とB館の間の地下通路と宇田川暗渠の関係図

詳細は、(その2)をご覧ください。

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/ab-3cd6.html

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(追記 その2)

 当時の建築業界誌に「A・B館の地下3階を結ぶ連絡地下道」の文字が!

西武百貨店渋谷店A館とB館を結ぶ地下通路2

平面図には、A館とB館の間に「地下ずい道」の文字が!

西武百貨店渋谷店地下通路2

詳細は

西武渋谷店A館B館の間の地下道はあります!(おぼかたさん風に)その3

へ!

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余談ですが、東京都下水道台帳で桃園川の暗渠を見てると楽しいです。あの道は「水路敷」なんだとか。

桃園川暗渠

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新幹線が鈴鹿山脈越えをあきらめた理由を検証してみる

できる範囲で調べてみた。

まずは、私の得意な国会議事録から。ここでは「タテマエ」論が分かる。

衆 - 運輸委員会 - 4号 昭和34年11月18日

○十河説明員(日本国有鉄道総裁) ただいまお話のありましたように、私は国鉄の経営についてはガラス張りで仕事をやっていきたいという信念も変わりませんし、今日もそういうふうにやっておるつもりであります。東海道新幹線の経過地並びに停車駅につきましては、いろいろな検討をいたしまして、名古屋までは比較的順調に進んだのでありますが、名古屋から先、なるべく直線に行きたいと思って、鈴鹿の山脈の地質調査を長いことかかって検討いたしました。そうしていろいろなルートを調べてみたのでありますが、どうも地質がよろしくない。しかしながらできるだけ短距離で結びたいということで、名古屋から関ケ原の方へ直線で結ぶことにいたしました。そうなりますと豊橋から米原までの間は相当長い距離になりまして、豊橋、名古屋、米原という三つの駅を置くか、あるいはもう一つその間に駅を置くかということをいろいろ検討いたしまして三駅案、四駅案と、いろいろな案がありますが、御承知のように、新幹線はなるべく曲線をなくして直線にして、そうして踏み切りをなくして、経済的の最高のスピードで走るようにしたい、そういうことを考えまして、そうすれば特急は大体最高二百キロくらいの速力で走れば三時間で、非常に経済的にスピードアップができるということで三駅の方がよかろうかということを考えておりました。ところが特急だけではいけない、特急は東京、名古屋、大阪、この三駅へとまる計画でありますが、それだけではいけない、やはり地方の都市にもとまる必要があるということで、特急のほかに急行をどうしても走らさなければならぬ。そうなりますと、特急と急行との行き違いの関係もありまして、豊橋、名古屋、米原と行くよりか、その間に一つ駅を作ったらよかろうというふうなことが最終の案として決定いたしまして、それで運輸大臣に申請して認可になった次第であります。その間、そういうふうに長いことかかっていろいろ検討いたしておりましたので、それで世間で――いろいろその間を測量するとか調査をするということがありまして、事前にいろいろなことが漏れて、皆さんにいろいろな疑惑をおかけしたことは、はなはだ遺憾であります。事情は今申し上げた通りであります。さよう御了承を願いたいと存じます。

参 - 運輸委員会 - 5号 昭和34年11月19日

○説明員(小倉俊夫君:日本国有鉄道副総裁) 新幹線のルートにつきましては、非常に重大な問題でありますから、国鉄があげてこれの研究調査をいたしたのであります。名古屋から西がルートが最後まで残りましてあるいは鈴鹿隧道がいいのか――これが一番短距離でございますので、研究したのでありますが、これが土質が悪く、しかも十三キロの超大隧道を掘らなければならぬということにかんがみまして路線が北のルートを通り、岐阜県の長い距離を通過して、米原付近に抜けるというルートが最適であるということになったのでございます。それで、前々から東海道新幹線の停車駅につきましては各方面、各地元の皆さんから非常に要望が熾烈でありました。岐阜またしかりでございました。で、私どもは、やはり国民の国鉄でありますから、地方民の熱誠なる、要望にはいろいろ耳も傾けて、それと同時に国鉄としての輸送機関の使命というものを、まあ調和して参らなくちゃならぬと、かねがねそう思っております。それにつきましては、岐阜が通過地でありまして、現在線と一番離れるのが、この名古屋――米原間が一番現在線と新東海道線のルートが離れるのであります。それで東海道新幹線の使命は、東京――大阪を至短時間で結ぶということも使命でございまするが、一つには、現東海道線の輸送力の行き詰まりを打開して、現在線の旅客、貨物の輸送をもっと便利にするというところに一つの大きな使命があるのであります。そういう点から申しますと、現在線から比較的よけい離れて突っ走るというところが、一番まあ新しい東海道線――現在線の輸送力緩和という点が問題になって参ります。それで、東海道新幹線は、旅客ばかりではございませんで、貨物ということも考えておりまするので、そういたしますと、岐阜で今問題になっておりまする、その付近の人口が少ないとか多いとかいうことも論議になっておりますが、その人口の点につきましても、岐阜、大垣を加えますれば非常に大きな乗降客になって参りますが、まあ旅客はさておき、貨物の点なんかも考えますると、岐阜はいろいろ物資も相当ございまするので、そういう物の集散というものを考えますれば、この名古屋――米原間に一駅ありましてもいいのではないかというようなことは、まあはっきり突き詰めてはございませんでしたけれど、考えないわけでもなかったということでございまして、全然空から降ってわいて駅を作ったというようなことではございませんで、そういう点は御了承願いたい、こう考えております。

- 衆 - 予算委員会第四分科会 - 2号 昭和35年02月25日

○山内(公)政府委員(運輸省鉄道監督局長) 現在の東海道線は三十七、八年ごろには輸送力が一ぱいになってくる、これは御承知の通りであります。それで新しい幹線は現在の東海道線の輸送力の行き詰まりを救済するためにまず考えられたものでございまして、そのためには東京、名古屋、大阪と初めから三駅になるものを考えておりません。できるだけ旧東海道線の急行、特急の客をこちらに吸収するようにということを考えておるわけでございます。また新しくそういう線を作りまして、東京、名古屋、大阪の客だけでは、はたしてそれだけの利用率があるかどうかはわかりません。初めから国鉄で考えておりましたのは、そういったいわゆる急行的なものと、ただいまお話にありました特急的なものとを考えて計画をいたしておったわけでございます。それではなぜ岐阜にとめないのかというお話でございますが、それはただいま大臣がお答えになりました通りでございまして、岐阜に参りますと非常に迂回になります。曲がりくねって引いておるとおっしゃいますが、実は現在の東海道線が曲がりくねっておるわけでございまして、新線はできるだけカーブもゆるく、直線を旨として引いておるわけでございます。鈴鹿がどうしても地質の関係上通れないので、あそこをずっと関ヵ原寄りに引いたわけでございますが、新しいあの駅がなぜ必要かといいますと、たとえば小田原にとまって熱海にとまります。これは必要ないではないかという御意見がありますが、熱海は土地が狭くてあそこで行き違い施設をするような十分な土地がとれません。どうしても小田原にとまらないと行き違い施設がとれないので――待避線ですね。小田原にもとめなければならぬ。そういう事情が名古屋にもございまして、御承知のように名古屋市の都市計画というものもきまっておりまして、相当前から新幹線の用地というものもきまっております。名古屋では待避施設がとれないので、岐阜県に一カ所作ってそこでとめよう。なぜかといいますと、急行と特急というものが走りますので、特急は急行を追い抜いていかなければなりませんので――これは楯さんのような専門家に御説明するまでもないことでございますが、そういった運行上の必要からそういうものがぜひ必要であるというふうに、技術的にも考えておるわけでございます。

- 衆 - 運輸委員会 - 4号 昭和36年10月10日

○中村説明員(日本国有鉄道常務理事) 専門ではございませんので、あまり詳しいことは実は御答弁いたしかねるのでございますが、地質調査につきましては、相当慎重にやったと思います。と申しますことは、現に先生も御存じと思いますが、北陸隧道が、地質調査をあまり十分にやらないで、途中から非常に難工事になりまして、かなり予算を食いまして、皆さんにも御迷惑をかけたということもございますので、この新幹線におきましては、特にボーリングについては慎重を期したと思います。それによりまして、たとえば鈴鹿を抜けるルートはどうしても地質上無理だ、現在の技術をもってしては非常に金もかかり、時間もかかって無理だということがわかりまして、関ケ原を迂回するようにきまったわけであります。そういう点につきましては、決してむだな金を使ったとは私たちは考えておりません。工事を慎重にやるために、十分に事前の調査をやりたというふうに考えております。

それでなければhttps://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/で検索を。ここでは技術論が分かるはず。

国鉄東海道新幹線計画について 加藤 一郎(日本国有鉄道新幹線 総局計画審議室長) 電氣學會雜誌 Vol. 81 (1961) No. 879

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1888/81/879/81_879_2053/_pdf

名古屋から関ケ原回りとするか,鈴鹿山脈をくぐって一気に京都-大阪に出るかについては,前計画以来種々検討されたが,今回は工期の関係から12km余のトンネルを含む鈴鹿案をやめて,関ケ原回りを選ぶこととした

国鉄新幹線関ケ原ずい道の地質 伊崎 晃(鉄道技術研究所地質研究室) 応用地質 Vol. 4 (1963) No. 4

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjseg1960/4/4/4_4_199/_pdf

1.  ルー ト決 定のいきさつ

国鉄の東海道新幹線は,計画当初名古屋-京都間のルートをいかにとるかについて,非 常に大きな比較問題に直面 した。すなわちここを最短距離で結べば標高1000m級の鈴鹿山脈をどこかで大トンネルにより横断しなければならず,これを避けて低処を越えるとすれば,北方へ関ケ原付近まで迂回する外ない。そこで昭和33~34年頃図上でいろいろルー トを検討したり現地で地質の概査を行って比較研究した結果,鈴鹿越えの主ルー トと目されていた御池岳鈴ケ岳付近を貫くトンネルは多くの断層に遭遇する上,伏流水に富んだ石灰岩の部分が多いので,多量の湧水が予想され,また南方の八風峠ルー トは地形上片勾配の長大トンネルとなるため工期的に非常な難点のあることが明らかとなった。一方関ケ原付近も大きく見れば地質的には鈴鹿主脈と大差がないが,ト ンネル延長が比較的短かくてすむこと,および北陸方面との連絡に至便(米原で)なため,結局ここが最終案として本決りとなった次第である。

余談だが、伊崎氏は、「国鉄における海峡調査の歴史と現況」という報文も執筆しており、戦前の朝鮮海峡トンネルの調査状況等の興味深い実態をほうこくされているので是非ご一読を。

ついで、本を探してみた。

証言記録 国鉄新幹線」 柳井潔著 新人物往来社刊

著者は元国鉄副監察役で国鉄総裁室修史課嘱託。国鉄100年史の編集執筆を担当された方とのこと。

 さて、新幹線ルートのうちで、一番問題視されたのは名古屋・大阪間のルートだった。これにはさまざまな案があった。すなわち、

 (イ) 関西線に沿って桑名、亀山を経由して大阪に出るもの。

 (ロ) 八風峠を貫いて草津近辺に出るもの。

 (ハ) その他、桑名附近から鈴ケ岳を通って笠置山系に出るもの。

 (ニ) その他、関ケ原を経由するもの。

等があった。これらのうち、関ケ原以外は、鈴鹿山系の横断に、いずれも12キロ級のトンネルが必要であり、加えて地質的にも複雑な断層等があるとして不適格とされた

 一方「関ケ原ルート」は雪害の心配はあるが、米原へ出ることによって北陸線との連絡も可能であり、その他工期・建設費・利用価値等の諸点から、結局関ケ原経由の決定となったものである。

新幹線開発物語」 角本良平著 中央公論社刊

著者は、国鉄新幹線総局営業部長、監査委員等を歴任。同書の「あとがき」に「著者も本社計画部門の一員として最初からこれに参加する機会をえた。」とある。

 名古屋-大阪間は弾丸列車計画でもルートが決定しなかったところである。今回も前回同様に米原まわりと鈴鹿越えが比較された。鈴鹿越えにも数案あり、いずれも距離は米原まわりよりは近くなるけれども、13キロぐらいの、しかも名古屋側から上り一方のトンネルを掘らねばならぬことが実地調査で明らかとなった。それではとても5年以内にはできないので、米原案が選ばれた

 「5年以内にはできない」というのが「オリンピックに間に合わない」ということを直接意味するのかどうかは分からないが、@darbyz80さんの疑問点の回答に一番近いものだろうか。

なお、雪害については

 雪害は関ケ原付近で若干ある程度である。

としか書いていない。もともとは1964年に発行されたものなので、開通前にはその程度の認識だったということだろうか?

あとは「東海道新幹線工事誌」を確認しなければいけないのだが、あれを読むには、電車を乗換え、えっちらおっちらと●●図書館迄行って禁帯出の書庫から出してもらわねばならぬので、また調べ物に行く用事があった際にでも。。

 

ところで、貨物の件を調べた際にも思ったんだけど、新幹線で不思議なことは何でもかんでも世界銀行のせいにするネット上の風潮ってなんなんだ。時系列的には先に決まっているような事柄まで「世銀に言われたからこうなった」ばかり。

東名高速に係る世銀との交渉記録は、国立公文書館のデジタルアーカイブに随分掲載されているのだが、新幹線関係は載っていないんだよなあ。

(追記)

交通協力会の電子図書館で国鉄関係の機関誌等をざっと見渡してみたが、世銀に変な条件付けられたとは書いていなかった。。

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2014年10月17日 (金)

三原橋と「銀座の幻の地下街」に係る最近の東京都の動き

完全に自分の備忘録です。既に記載したものの重複あり。すまんな。

なお、幻の地下街設置に係る経緯については、
東銀座「幻の地下街」を作った経緯が(ほぼ)分かった
http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-3bf6.html
をご覧いただければ幸いです。

東京都情報公開システム

公開件名三原橋地下倉庫の改修に係る基本設計業務委託
記号番号24建道管管第815号
区分一般
大項目企画調査
小項目調査・調整
細項目総記
保存期間3年
分類記号A401070
決定年月日等平成24年11月16日
所管局部課建設局道路管理部管理課

 

東京都入札情報サービス

 

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見積経過調書
第1回 第2回  
採用者情報
採用項目 採用内容
契約部署 建設局第一建設事務所庶務課
契約番号 25-00011
見積日時 平成25年5月9日 午後1時20分
見積場所 第一建設事務所 2階 経理係
件 名 晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その3)
採用者氏名 株式会社ドーコン
採用金額 3,307,500円
公表通知書 PDF選定の理由帳票
見積経過情報
No 見積者氏名 見積金額 備考
1 株式会社ドーコン 3,150,000円  
記事 履行場所  東京都千代田区有楽町一丁目地内から中央区銀座五丁目地内
工事概要  晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その3)
○路線別整備検討委員会の運営:一式○地元説明会の開催:一式○地
元協議会の開催:一式○デザインの変更:一式○変更整備計画(案)の
作成:一式○変更パース図の作成:一式○設計協議:一式
工  期  契約確定の日から平成26年 3月14日まで
特命理由 (1)上記業者は、本委託の前提となる「晴海通りシンボルロード整備事業基本設 計(その1)」及び「晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その2)」業務を 受託している。したがって、事業の性質や成り立ち、現場状況及び設計内容等をよ く把握し、関係資料も豊富に所有している。 (2)本設計は、「晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その2)」におい て作成された整備計画(案)を元に、それらを必要に応じて変更し、最終的な整備 計画を作成するものである。したがって、設計の一貫性を確保しつつ、適切な整備 計画を作成するためには、整備計画(案)を熟知していることが求められる。 (3)上記業者は、「基本設計(その1)」及び「基本設計(その2)」の業務を遂 行する上で、地域特性を的確に把握した整備計画(案)を作成するなど、十分な経 験と知識、能力を有していることから、本業務を迅速かつ的確に遂行できる唯一の 業者である。 以上の理由により、本業者と特命随意契約する。
見積経過調書
第1回 第2回  
採用者情報
採用項目 採用内容
契約部署 建設局第一建設事務所庶務課
契約番号 25-00184
見積日時 平成25年9月26日 午前9時30分
見積場所 第一建設事務所 1階 入札室
件 名 【電子】道路施設再整備計画検討(三原橋周辺)
採用者氏名 予定価格超過
採用金額  
公表通知書 PDF選定の理由帳票
見積経過情報
No 見積者氏名 見積金額 備考
1 八千代エンジニヤリング株式会社 9,770,000円  
2 中央復建コンサルタンツ株式会社 辞退  
3 ジーアンドエスエンジニアリング株式会社 辞退  
ハッシュ値一覧
記事 履行場所  東京都中央区銀座五丁目地内
工事概要  道路施設再整備計画検討(三原橋周辺)
(1)設計計画(2)現地踏査(3)現況の課題整理(4)三原橋撤去に伴う検討①晴海通り道路改良計画
②三原橋撤去の概略施工計画③地下歩道のバリアフリー化計画④地下階排水計画⑤地下階の活用方
策の計画⑥概算工事費⑦課題の整理
(5)三原橋撤去の代替案の検討
(6)既設構造物の竣工図面のデータ化
(7)照査
(8)報告書作成
(9)設計協議(中間2回)
【分野:道路】
工  期  契約確定の日から平成26年 3月31日まで
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見積経過調書
第1回 第2回  
採用者情報
採用項目 採用内容
契約部署 建設局第一建設事務所庶務課
契約番号 25-00184
見積日時 平成25年9月26日 午前11時00分
見積場所 第一建設事務所 1階 入札室
件 名 【電子】道路施設再整備計画検討(三原橋周辺)
採用者氏名 不調
採用金額  
公表通知書 PDF選定の理由帳票
見積経過情報
No 見積者氏名 見積金額 備考
1 八千代エンジニヤリング株式会社 辞退  
ハッシュ値一覧
記事 履行場所  東京都中央区銀座五丁目地内
工事概要  道路施設再整備計画検討(三原橋周辺)
(1)設計計画(2)現地踏査(3)現況の課題整理(4)三原橋撤去に伴う検討①晴海通り道路改良計画
②三原橋撤去の概略施工計画③地下歩道のバリアフリー化計画④地下階排水計画⑤地下階の活用方
策の計画⑥概算工事費⑦課題の整理
(5)三原橋撤去の代替案の検討
(6)既設構造物の竣工図面のデータ化
(7)照査
(8)報告書作成
(9)設計協議(中間2回)
【分野:道路】
工  期  契約確定の日から平成26年 3月31日まで

 

入札情報サービス
スペース イメージ画像
見積経過調書
第1回  
採用者情報
採用項目 採用内容
契約部署 建設局第一建設事務所庶務課
契約番号 25-00243
見積日時 平成25年11月7日 午前9時30分
見積場所 第一建設事務所 1階 入札室
件 名 【電子】道路構造物計画検討(晴海通り)
採用者氏名 株式会社ドーコン
採用金額 4,620,000円
公表通知書 PDF選定の理由帳票
見積経過情報
No 見積者氏名 見積金額 備考
1 株式会社ドーコン 4,400,000円  
2 株式会社エイテック 6,900,000円  
3 株式会社エーシーイー 8,400,000円  
4 株式会社復建エンジニヤリング 9,500,000円  
5 株式会社エイト日本技術開発 9,500,000円  
6 日本工営株式会社 9,530,000円  
7 株式会社長大 辞退  
ハッシュ値一覧
記事 履行場所  東京都中央区銀座五丁目地内
工事概要  道路構造物計画検討(晴海通り)
(1)設計計画(2)現地踏査(3)三原橋撤去に伴う検討①晴海通り道路改良計画②三原橋撤去の概
略施工計画③地下歩道のバリアフリー化計画④地下2階における概略補修計画の検討⑤概算工事費
⑥課題の整理(4)交通量調査(歩行者)(5)竣工図面のデータ化(6)整備イメージパースの作成(7)照査
(8)報告書作成(9)設計協議(中間2回)
【分野:道路】
工  期  契約確定の日から平成26年 3月31日まで
イメージ画像
見積経過調書
第1回 第2回 第3回  
採用者情報
採用項目 採用内容
契約部署 建設局第一建設事務所庶務課
契約番号 26-00073
見積日時 平成26年7月10日 午前10時40分
見積場所 建設局第一建設事務所庶務課
件 名 三原橋耐震補強及び補修詳細設計
採用者氏名 再度見積合せ
採用金額  
公表通知書  
見積経過情報
No 見積者氏名 見積金額 備考
1 株式会社ドーコン 3,400,000円  
記事 履行場所  東京都中央区銀座四丁目地内から同区銀座五丁目地内まで
工事概要  三原橋耐震補強及び補修詳細設計
 橋長:29:566m
 幅員:36.18m
 構造形式:3径間連続鋼鈑桁橋

 橋梁詳細調査:一式
 橋梁耐震補強及び補修詳細設計:一式


【分野:鋼構造・コンクリート】
工  期  契約確定の日から平成26年10月31日まで
特命理由 三原橋の橋梁下は、地下1階(地下街)、地下2階(建設局倉庫)、地下3階(東京メトロ日比谷線)の3層の函渠構造である。三原橋の下部工は東京メトロと一体構造となっている。「道路構造物計画検討(晴海通り)」において、三原橋の特殊で複雑な構造特性を踏まえた、既設橋撤去に伴う概略施工計画や函渠を含めた構造物概略検討を実施している。本詳細設計は、東京メトロと一体構造となっている三原橋の構造特性を踏まえて、補強・補修設計を行う必要がある。また、本詳細設計の実施にあたり、既設橋梁の詳細調査を行い、限られた期間内に耐震補強及び補修計画を効果的に立案する必要がある。 この委託に際して、 ①当該詳細設計の前提となっている「道路構造物計画検討(晴海通り)」を行なっていること。 ②当該詳細設計は、道路構造物計画検討と一貫性をもたせる必要があること。 ③当該業者が、道路構造物計画検討を行なったことにより、施設の概要及び敷地の条件等を熟知しており、かつその他の必要資料を豊富にもっていること。 以上の理由により特命とする。

イメージ画像

見積経過調書
第1回 第2回 第3回  
採用者情報
採用項目 採用内容
契約部署 建設局第一建設事務所庶務課
契約番号 26-00073
見積日時 平成26年7月10日 午前10時40分
見積場所 建設局第一建設事務所庶務課
件 名 三原橋耐震補強及び補修詳細設計
採用者氏名 再度見積合せ
採用金額  
公表通知書  
見積経過情報
No 見積者氏名 見積金額 備考
1 株式会社ドーコン 3,390,000円  
記事 履行場所  東京都中央区銀座四丁目地内から同区銀座五丁目地内まで
工事概要  三原橋耐震補強及び補修詳細設計
 橋長:29:566m
 幅員:36.18m
 構造形式:3径間連続鋼鈑桁橋

 橋梁詳細調査:一式
 橋梁耐震補強及び補修詳細設計:一式


【分野:鋼構造・コンクリート】
工  期  契約確定の日から平成26年10月31日まで
特命理由 三原橋の橋梁下は、地下1階(地下街)、地下2階(建設局倉庫)、地下3階(東京メトロ日比谷線)の3層の函渠構造である。三原橋の下部工は東京メトロと一体構造となっている。「道路構造物計画検討(晴海通り)」において、三原橋の特殊で複雑な構造特性を踏まえた、既設橋撤去に伴う概略施工計画や函渠を含めた構造物概略検討を実施している。本詳細設計は、東京メトロと一体構造となっている三原橋の構造特性を踏まえて、補強・補修設計を行う必要がある。また、本詳細設計の実施にあたり、既設橋梁の詳細調査を行い、限られた期間内に耐震補強及び補修計画を効果的に立案する必要がある。 この委託に際して、 ①当該詳細設計の前提となっている「道路構造物計画検討(晴海通り)」を行なっていること。 ②当該詳細設計は、道路構造物計画検討と一貫性をもたせる必要があること。 ③当該業者が、道路構造物計画検討を行なったことにより、施設の概要及び敷地の条件等を熟知しており、かつその他の必要資料を豊富にもっていること。 以上の理由により特命とする。

イメージ画像
見積経過調書
第1回  
採用者情報
採用項目 採用内容
契約部署 建設局第一建設事務所庶務課
契約番号 26-00101
見積日時 平成26年8月7日 午前10時30分
見積場所 第一建設事務所 2階 経理係
件 名 晴海通りシンボルロード整備事業詳細設計(その1)
採用者氏名 株式会社ドーコン
採用金額 5,940,000円
公表通知書  
見積経過情報
No 見積者氏名 見積金額 備考
1 株式会社ドーコン 5,500,000円  
記事 履行場所  東京都千代田区有楽町一丁目地内から中央区銀座五丁目地内
工事概要  晴海通りシンボルロード整備事業詳細設計(その1)
○測量業務・現地測量:0.016k㎡・中心線測量:0.4㎞・仮BM設置測量:0.4㎞・縦断測量:
0.4㎞・横断測量:0.4㎞
○設計業務・自転車走行空間予備設計 自転車走行空間予備設計:0.4㎞・シンボルロード詳細設計
 全体設計:0.8㎞ 道路景観施設等の設計:1区間
【分野:道路】
工  期  契約確定の日から145日間
特命理由  上記業者は、本委託の前提となる「晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その1)」、「晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その2)」及び「晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その3)」業務を受託している。したがって、事業の性質や成り立ち、現場状況及び設計内容等をよく把握し、関係資料も豊富に所有している。  本設計は、「晴海通りシンボルロード整備事業基本設計(その3)」において作成された整備計画に基づき、全体設計、道路景観施設等の設計を行うものである。したがって、設計の一貫性を確保しつつ、適切な全体設計を作成するためには、整備コンセプト・デザインを熟知していることが求められる。  上記業者は、「基本設計(その1)」、「基本設計(その2)」及び「基本設計(その3)」の業務を遂行する上で、地域特性を的確に把握した整備計画を作成するなど、十分な経験と知識、能力を有していることから、本業務を迅速かつ的確に遂行できる唯一の業者である。 以上の理由により特命とする。

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2014年10月13日 (月)

すごいアクセスがあってびっくり&お礼

100PV/日 程度のひなびたブログをやっているのに、昨晩1時間で1000PVもあったので度肝を抜かれた。

「新幹線の用地買収に応じないから地元自治会を分裂させちゃいました(てへぺろ」が随分お気に召していただいたらしい。感謝いたします。

ということで、返礼に強盗慶太とピストル堤のエライやりとりをご紹介させていただきます。

「血脈 西武王国・堤兄弟の真実」レズリー・ダウナー著 徳間書店刊から

goutou

暴力団に誘拐された西武社員を解雇することがどうやって武蔵野鉄道を守ることになったのかさっぱり分からないんですが。

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2014年10月12日 (日)

首都高直結の八重洲地下駐車場の場所に新幹線の東京駅が入る計画があった

国鉄の「東海道新幹線工事誌」によると、東京駅の設置個所については、下記のとおりの選択肢があった。

東海道新幹線東京駅案3

それに伴う路線の比較線は下記のとおり。

東海道新幹線東京駅案2

起点附近を拡大してみる。

東海道新幹線東京駅案1

ところで、これらの案の他に、現在の八重洲地下街に新幹線の地下駅を設置する案もあったようだ。

「東京の都市計画に携わって -元東京都首都整備局長・山田正男氏に聞く-」に下記のようなやりとりが出てくる。

9.新幹線問題と東京駅周辺整備

 新幹線の東京駅乗り入れ

(山田)東海道新幹線についてだが、これは首都圏整備委員会が品川止まりということを、水野岑(当時の委員会事務局長)を先頭に立てて決定までしたんだろう?

(聞き手)一応、決めました。

(山田)それは、副都心的育成を図るためとロンドンのターミナルの例に従って、都心まで乗り入れるべきでない、都心集中を抑制するためもあってという主張をはっきり態度で表したんだ。
 だから、僕らも反対をするわけには行かないから、一応その通りにやったんだ。その当時、国鉄は、湘南電車のため東海道線を複々線化していたから、湘南線専用の線路を増設したいということに一生懸命だった。湘南線のための線増は、相手になった。そのかわり、有楽町とか新橋の駅前広場については、費用が負担すべきものは負担してちゃんと造らなければだめだという約束をしたんだが、それは未だに費用は払っていないらしいね。

(聞き手)未だに守られていない約束が他にもいくつかあります。

(山田)両駅前の費用は負担しないと決めたらしいが、広場の造成については協力をしているんだね。

(聞き手)協力をするという約束になっている。

(山田)それで、有楽町では新線の下に交通会館のところにいた店舗をいくつか収容しなさいということで、いくつかを収容した。
 あの時に続いて、有楽町のBビルのサイドだけやっておけばよかったんだけれど、あそこで手を抜いたから残念だ。

(聞き手)あの時は、国鉄もその気になったんですよね。

(聞き手)国鉄はいやだったんでしょうね。品川始発というのは。

(山田)嫌だった。それで何とかして、東京駅まで持っていきたいというのが悲願なんだな。それで、僕も密かに首都圏整備委員会に背いたことになるんだけど、その前に造り始めた湘南線の新線を振り替えてやるよと。レールの幅だけの話だから。線路の数が増えたわけではないから。
 その結果、湘南線は貨物線を使うことになったのかな。それは、品川の話であって・・・。

(聞き手)結局は最終的には別線で東京駅の下に入って来た。

(山田)それは、ずっと後の話だね。その時には湘南線の増設は後回しにして東海道線と併用して湘南線分を新幹線に振り替えてやったんだ。国鉄の悲願だから。

(聞き手)それで高速道路株式会社の横を通るでしょう。株式会社の敷地ぎりぎりを通る。大変でしたよね。

(山田)だから、株式会社の敷地を侵すことにはならないようにと、国鉄に条件を呑ませて、ぎりぎりで入っている。土橋のランプウェイも必ず造るんだからそれを侵してはならないと言うことも呑ませてある。それで、東京駅まで仕方がないから呑んでやれよというのが僕の考え方。
 理由は、将来東北新幹線も造りたいといっているのだから、飛行機と競争させるには、東海道新幹線と東北新幹線が東京でつながらなければ意味ないよと。品川で降りて乗り換えて、また上野で乗り換えるのでは話にならないよと。
 それから、東京駅の管理局が焼けたとき、あそこを駅前広場にせよという計画に国鉄は乗らないが、こちらが計画をたてて、国鉄にその案を突き付けた。
 それよりも前、銀座の高速道路を首都高速道路の計画の中に取り込んでやって、あれを鍛冶橋から東京駅の方に伸ばしたときの話だが、その時は八重洲の駅の地下を通ることは困るというのだ。それをいうのは十河総裁で、総裁まで談判に行った。そこの地下へ東海道新幹線を持ってこようとしていたんだ。
 だからこれを侵されては困るというんだな。でも、それは呑ませてしまった。あそこで東海道新幹線を西寄りに振ってきたんだろうね。振ってきたから何のことはない、東北新幹線とつなげるようになったんだよね。八重洲の方によっていたら、東北新幹線と繋げやしない。
その時、首都圏整備委員会は、品川ターミナルを変更するのにもめたかな・・・。

(聞き手)一応新聞か何かに出てだいぶ大騒ぎをして・・・。

(山田)湘南線の増設を始めたのは32、3年でしょうね。

国鉄が、鉄道技術研究所記念講演会で新幹線の可能性をぶちあげたのが1957(昭和32)年、一方、首都高速道路の現在のネットワークの基礎が都市計画決定されたのが1958(昭和33)年)。ということは、1957(昭和32)~1958(昭和33)年頃に、八重洲地下街の場所をめぐって新幹線と首都高速道路で鍔迫り合いをやっていたんですな。

上記に出てくる「銀座の高速道路」は、東京高速道路株式会社線のこと。石川栄耀が中途半端に「やりっぱなし」で「安井都政の七不思議」と言われた難件を片付けるために、後付けで首都高速道路のネットワークに取り込むことで解決しようとした旨を山田正男は「時の流れ・都市の流れ」の中で述べている。(鍛冶橋を通ることで、これまた「安井都政の七不思議」の一つであった鍛冶橋下の映画館も撤去している。三原橋地下街もオリンピック関連道路で撤去しようとしたが、これは営団地下鉄との協議が整わずできなかった。) 石川英耀のとばっちりで十河国鉄が泣かされたと言えるのかもしれない。

また、品川ターミナルから東京駅乗り入れの変更の経緯については、この山田の回想を踏まえると、新幹線工事誌に掲載されている下記の文書のやりとりが一層理解できるわけだ。

東海道新幹線東京駅案4

東海道新幹線東京駅案5

なお、上記の新幹線路線図に、新幹線が代々木方面から飯田橋経由で代官町まで乗り入れてくるルートがある。それについても山田正男は言及している。

(聞き手)あれ、記録によると、一番はじめ高速道路は神田川を干拓して高速道路を入れようとしたけど、河川側があそこは絶対水を残してほしいと言うことで、道路側が折れて高架にしたというふうに読み取れるんですけれど。

(山田)それは、まだ内部の話だな。いや本当にそうしてやりたかったんだ、僕は。

(聞き手)日本橋の下に道路が行くという。その前に山田さんが神田川があふれんばかりの状況を見て・・・。

(山田)そうそう、ああこりゃ無理だということがわかったんだ。あれは、新幹線も新宿を経由して東京駅まで持ってきたいと。それで、好井宏海と話して、それならこの付近は神田川を干拓して、おまえは下の方を通れと、俺はその上を通りましょうというような話は、内部的にはしていたけれどね。

(参考:下記附帯意見の3を参照のこと)

東京都市高速道路の建設について2

好井宏海は、日本国有鉄道建設局長等を歴任した国鉄の技術屋の偉いさん。これが実現していたならば、飯田橋から大手町にかけて外堀は埋め立てられて、首都高速と新幹線の2段構造が入ってきていたことになる。

なお、上記のように1960(昭和35)年には、新幹線は東京駅乗り入れの協議を進めていたのだが、廃案となった外堀ルートは、今度は中央線の複々線化のルートとしての活用が検討されていたようだ。

中央線複々線化1

中央線複々線化2

土木学会誌 第45巻 第11号から引用

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新幹線の用地買収に応じないから地元自治会を分裂させちゃいました(てへぺろ

新幹線の用地買収
「用地買収が難航したので、国鉄が地元の自治会を分裂させて穏健派から切り崩しちゃいました。てへぺろ. (・ω<) 」と書いてある国鉄の東海道新幹線工事誌。
えてしてやった方は忘れてもやられた方は忘れていないから、リニアの時にじわじわとダメージが効いてきたりするもの。
 
「じゃあてめえの仕事は全部きれいごとだけでやっていけてるのか?」とつっこまれそうだが、こういうことを正史に活字で残すことを躊躇わなかった時代だったんだなあという感想を述べたかったということで。

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2014年10月11日 (土)

阪急新大阪連絡線

阪急電鉄新大阪連絡線について自分の頭の交通整理のためまとめてみるが、既知の話ばかりだと思うので、来訪者の方はあまり見る価値はないかもしれませぬ。

■官報に掲載された地方鉄道敷設免許関係文

運審第百八十七号
  昭和三十六年十二月二十二日
運輸審議会会長 青柳 一郎 
 運輸大臣 齋藤 昇殿
答 申 書
京阪神急行電鉄株式会社の地方鉄道敷設免許申請について
昭三六第三二二〇号 
 昭和三十六年七月十四日付け鉄監第五七一号をもつて諮問された右の事案は、審議の結果、次のとおり答申する。
主 文
 京阪神急行電鉄株式会社申請の次の区間の地方鉄道の敷設は、免許することが適当である。
(1) 吹田市大字千里山(千里山駅)から箕面市桜井(桜井駅)まで(七・七六キロ)
(2) 大阪市東淀川区淡路町(淡路駅)から同市同区十三本町(十三駅)まで(四・一五キロ)
(3) 大阪市東淀川区西中島町(新大阪駅)から豊中市洲到止(神崎川駅)まで(二・七七キロ)
理 由
 大阪府において、吹田市及び豊中市にわたる千里山丘陵地帯に人口約一五万人を収容する千里山大住宅団地の建設が行なわれているが、これに対応して、既設千里山線を延長し、千里山駅から団地内を縦断して箕面線桜井駅に接続することにより、これら団地居住者の通勤輸送を図るため、千里山延長線の申請に及んだものである。
 次に、昭和三四年四月国鉄東海道新幹線の建設が決定され、すでに一部着工が行なわれているが、その新大阪駅は、大阪市の北辺に位置し、大阪市高速鉄道第一号線の延長計画とあいまつて、将来市中心部、周辺衛生都市、京都、神戸各方面への交通の要として著しい発展を遂げるものと予想される。これに対応して、国鉄新大阪駅と既設淡路、十三、神崎川各駅とを結ぶことにより、都市交通の円滑化と大阪都市圏の発展に寄与するため、新大阪駅連絡線の申請に及んだものである。
 千里山延長線の敷設により千里山地域住民の利便が図られるとともに、年々激増する宝塚線旅客の分散輸送も可能となり、また、新大阪駅連絡線の敷設により国鉄東海道新幹線と既設各線との連絡が図られるとともに、新大阪駅において計画中の大阪市高速鉄道第一号線と連絡することにより、既設神戸、宝塚、京都各線から梅田駅に集中する旅客の分散、輸送の合理化等が可能となり、両線敷設の効用は、いずれも大なるものと認められる。
 この鉄道の敷設に要する建設資金は、千里山延長線二一億七千万円、新大阪駅連絡線六六億円、合計八七億七千万円と概算され、そのうち三億五千万円は自己資金により、他は借入金及び社債によつて調達する計画であるが、申請者の資産及び信用状況から考慮すれば、その調達は可能なものであり、成業の見込あるものと認められる。
 よつて、この申請は、免許することが適当である。

以下は、日本国有鉄道の「東海道新幹線工事誌」から引用した図面等。

阪急新大阪連絡線1

阪急新大阪連絡線2

阪急新大阪連絡線3

阪急新大阪連絡線4

プラットホームは御堂筋線の上、コンコースは御堂筋線の下という目論見か。

阪急新大阪連絡線5

ところで、ここ数年、新大阪駅の北側でホームの増設工事を行っている。一方大阪の活性化のために阪急新大阪連絡線自体はまだとりざたされている。

いったいどうなっているのか?

JR東海のリリース資料https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000005481.pdfを見ると

阪急新大阪連絡線6

阪急の新ビルは載っているが、線路はどこに?そして駅の北側の思わせぶりに緑色で囲ってある区画はなに??

 

その答えは、土木学会のサイトで公開されている論文にあった。

http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2008/63-04/63-04-0256.pdf

「東海道新幹線の輸送力増強に向けた新大阪駅ホーム等増設計画 」

阪急新大阪連絡線7

阪急新大阪連絡線8

鉄道の図面では起点側を左側に、終点側を右側にする習慣があると聞いたが、お客様向けの案内用とわざわざ天地を逆にして管理しているのだろうか?

いずれにせよ、新設の引上線の下に阪急新大阪線の施工空間は残されていることが分かった。

しかし、駅はどうなるのか?ビルはできちゃったし、当初計画通りに御堂筋線の上まで駆け上がるには勾配がきつすぎるだろうし。

ちなみに、阪急電鉄側のプレスリリースはこちら

http://holdings.hankyu.co.jp/ir/data/ER200602221N1.pdf

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国鉄新幹線総局長大石重成は、新幹線工事発注に係る収賄事件で逮捕直前だった

「新幹線三羽烏」と言えば、十河信二、島秀雄、大石重成の3人だが、そのうちの一人大石重成は、新幹線工事発注に係る収賄事件で逮捕直前だったというお話。

国会の議事録に検察、警察幹部を交えたナマナマしい答弁が残されている。

第043回国会 法務委員会 第29号 昭和38年7月4日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/043/0488/04307040488029c.html

○猪俣委員 実は検察庁の態度を疑っておるわけじゃありませんが、いままでの例によりまして心配をしておるわけです。武州鉄道みたいな竜頭蛇尾みたいなことに終わるのではないかというように心配しておるわけですが、どうも妙な情報が入ってきまして、これは本件ではありませんが、例の国鉄の新幹線事件で大石前総局長が調べられた。ところが、警察であれは逮捕して調べたいという態度であるのに、検察庁では、あれはもうちょっとたつと時効にかかる事件だから、時効の直前に逮捕するのがどうもおもしろくないというようなことで逮捕に踏み切らぬでいるのだというふうな、これは説ですよ、――説が、実は昨晩私のほうに連絡があったわけです。時効にかかるのを待っておるような態度、時効にかかる直前ではぐあいが悪いというふうな態度につきましては、私どもは少し解せないのです。時効にかかっておらないならば、検察のまさに好機逸すべからざる時期であると思う。そういうふうな御方針なのかどうか、これを承りたいと思う。

○坂本委員 関連して。この問題は、とかくのうわさのあった東海道新幹線の建設工事をめぐる汚職事件の大事件であるわけです。三日、きのうの朝、警視庁捜査二課に収賄容疑で取り調べを受けた前国鉄本社常務理事、新幹線総局長大石重成氏の問題であるわけであります。この問題は警視庁においてはもう一年前から捜査されておるということをわれわれは聞いておった。そして、すでに新幹線の問題については二つの容疑がありましたけれども、竜頭蛇尾に終わっておるわけです。今度は、それから申しますと第三回目になるわけですが、警視庁は大石氏の相ボシといわれておりました日本国土開発会社石上専務ら二人をすでに贈賄で逮捕して、そうしてこれまでの調べでは二人と大石氏との金銭の授受がはっきりしておる。その趣旨が国鉄の指名業者参加などについてであり、わいろと認められる。これに関する証拠書類も入手されておる。授受金額は九十万円であって、自宅に現金を届けたという証拠もあがっておる。そこで私たちは、きのうの夕刊で、任意捜査、任意出頭で呼び出されたけれども、やはりそれが必ず逮捕状に切りかえられて強制捜査になるというのが、こういう事案についてはいままでほとんど全部のように承知をしておる。ところが、強制捜査を行なうことをせずに、何でも聞くところによると、東京地検側の任意調べの指示があった。地検から警視庁に指示をしたのだ、こういう点がうわさされて、非常に暗い影を残しておる。新聞にも一部書いてあるのです。猪俣委員の質問もこれだと思うわけです。そこでわれわれは、こういうような汚職事件は、いままでも二つに対して下っぱだけ逮捕して調べて、そうしてうやむやになりそうである。今回はこの常務理事であった大石氏を調べ始めて、そして帰す。これが非常に不可解である。ですから東京地検は任意調べの指示をしたかどうか。警視庁のほうは、これは強制捜査をしなければならぬというので逮捕状を請求したかどうか、その点を承りたい。

○竹内(壽)政府委員(法務省検事・刑事局長) 猪俣先生並びに坂本先生のお話のありました点でございますが、私も新聞でそういう記事を見まして、さらにテレビでございましたか、ラジオでございましたか、警視庁の捜査二課長の取り調べをした経緯についての発表を伺ったわけで、私のただいま持っております知識はその程度でございます。正式に東京地検から状況を聞いたわけではございません。でございますが、まず第一に猪俣先生の御質問にお答えしなければなりませんけれども、時効が切迫しているからやるべきことを差し控えるなんということは検察庁では考えていないと思います。きょうで時効満期だというのを逮捕したといって新聞にも出たこともあるくらいでございまして、それはさようなことは私は決してないと思います。それだけの理由でどうこうという判断は私はいたしておりません。ただし、その事件の内容を私自身存じませんので、事件の内容について警視庁と検察庁との間に意見の食い違いがあるのかないのか、これは実は私確かめておりません。でございますから、その点批判がましいことを申し上げることはできませんが、一般的に申しまして、検察庁としましては、やるべきものはやる。これはもう検察官の使命でありますから、そういうことができないというような検察でありますならば、ほんとうに検察官の職務を汚すものであり、私はさようなことは決してございませんと思います。
 それからまた、そういうことを検察庁が警察に指示しておるかどうかということでございますが、警察と検察庁とは、捜査はそれぞれ独立になし得るたてまえになっておりますけれども、すでにその関連事件につきましては検察庁へもし送られておるといたしますと、検察庁といたしましては、具体的事件でございますので、刑事訴訟法の命ずるところによって指示することもできるわけでございます。指示することが不可能なことではない、指示し得る案件だとは思いますが、その指示した内容につきまして、どういう考え方からどのような指示をしたかということはまだ私どもも承知しておりませんので、何ともお答えいたしかねるわけでございます。

○高橋委員長 ちょっと野本政務次官や刑事局長さんに委員長から一言申し上げておきますが、この問題は、近江絹糸の問題も違った意味で非常に重大だと思いますし、それからまた捜査の機密とか秘密とかいうふうな問題とも関連するだろうと思いますし、それからいまの大石氏の問題にしましても、まだ捜査段階であろうと思うが、私が個人的に知っている大石さんは、これほどりっぱな人はないと思うから、よほど嫌疑が薄いから令状が出ないのではないかと思ったりはしているのですが、こういうことについて本格的に法務行政問題として質問するかしないかということ、究明するかしないかということを理事会で態度を決定いたしますから、もしするということになりますれば……(「いや、それはいかぬいかぬ」と呼び、その他発言する者多し)ひとつあらゆる材料、できるだけの材料を整えて、そして慎重な御答弁を願いたいと思います。きょうはそのまま、あとから理事会……(発言する者多し)委員長として、委員会の態度に対して慎重にひとつ……(発言する者多し)委員長にまかせてください。要するに、委員長の政府当局に対する注文は、より完ぺきな材料を持ってきていただきたい、本格的に究明する場合は。こういうようなことでありますから、きょうの-…(発言する者多し)委員長の発言中です。本日の質問に対しましては、これはごく初歩的な質問だと思いますし、そう突っ込んだ質問もできないはずだと思いますので、それに対する……(「手続の問題だよ」と呼び、その他発言する者多し)委員長の発言中だからちょっと待ちなさい。そういうような意味でひとつよく材料を取りそろえていただきたいと思います。本日はなるべく簡単にひとつ済ませてもらいたいと思いますが、何かありますか。

○坂本委員 先ほどもちょっと申しましたけれども、新幹線の不正摘発については三度目である。第一回は三十六年五月に摘発した建設工事をめぐる汚職が公判段階で、すでに現在公判段階になってくずれておる。また昨年十月着手した二回目の新横浜駅周辺の用地買収をめぐる不正事件があったわけです。ところが、これのかぎを握る男が海外に旅行したまま帰国しない。そのためにこの捜査が行き詰まっておるわけなんです。そこで三度目の今度は、これは前国鉄本社常務理事で、それから重要な新幹線の総局長であった大石氏の問題である。これは頂上作戦と申しますか、こういうので一気に中心人物をねらって捜査に当たったのではないか、備えられたのではないか、こういうふうにわれわれも考えていたから、その大ものに対する任意捜査ということは一般に予想もしていなかったのです。そこで、この東海道の新幹線の問題については、突貫工事といわれまして、そうしてやっておるのであるけれども、この新幹線には黒い霧が漂うておる、こういうふうに言われておるのです。  そこで、警視庁がこの大石氏を呼ぶについては、先ほど申しましたような相当の証拠があり、すでに自宅に九十万円という金額を持って行ったその証拠があるといわれておる。その証拠に基づいて逮捕状を請求したら、東京地検のほうで、その逮捕に対しては任意捜査にしろという指示を与えた、こううわさをされておるからこれは重大な問題だ。だからそういうことがあったかどうか。警察庁の刑事局長が来ておられますが、逮捕状を請求する場合は、警視庁が直接請求するか、あるいは地検を通じて逮捕状を請求するか。その問題と関連しまして、逮捕状請求をしたかどうか、検察庁から任意捜査にせよという指示があったかどうか、その点についていかがですか。

○宮地(直)政府委員(警察庁刑事局長)  逮捕状の請求につきましては、これは一般的に申しまして警部以上の司法警察職員から裁判官にいたすのでございます。ただ警視庁管内におきましては、ほとんどの場合検事と相談の上令状を請求しておるというのが事実でございます。本件に関しまして、逮捕状を請求したということにつきましては、いまだ私のほうは報告を受けておりません。

○田中(織)委員 それでは伺いますが、日本国土開発の専務の石上という人と安部君でありますが、二名が現在逮捕されて勾留をされておるのです。二十日の勾留期間が今月の七日で切れるわけなんです。ところが、贈賄で逮捕される逮捕状に、これは大石前常務理事に九十万円の金を贈ったということが逮捕状請求の理由になっておるということを私どもは調べておるのでありますが、それだけ明白な事実で、いま坂本委員から質問申し上げたような形で、一年半にわたる捜査で警視庁として相当の証拠も集めておる問題について、きのうは大石君の自宅を家宅捜索をいたしました。八時に任意出頭を求めておるのでありまするが、これだけの条件がそろっていながら、通例のいわゆる大石常務理事に対する逮捕状執行ということが行なわれない。それについてけさの新聞が報道いたしておりまするように、これは東京地検のほうから任意捜査、こういうことの指示に基づいて、警視庁は逮捕状を請求したけれども地検は出さないのだ、こういうことが伝えられておるのです。これは坂本委員あるいは猪俣委員から申し上げたようにきわめて重大な問題だと思うのです。政務次官、刑事局長、あるいは法務省の竹内刑事局長も御承知のように、この問題について国鉄の監査委員会が特別監査を綾部運輸大臣から要求されまして、それが一昨日提出されている中にあるように、新幹線総局長の独裁的なことが、今日八百七十億という追加予算を要求しなければ東海道新幹線が完成しないというような事態をもたらしたことに関連しておる問題ですから、私はこの点についての検察当局の処置、態度というものが、もし新聞紙等に伝えられるような問題であるということならば、検察当局の威信のためにもきわめて遺憾なことだと思うのです。この点については新聞で竹内さんは御存じになったというようなことでありまするけれども、これだけの重大な問題について、あなたたち法務省の最高幹部が御存じがないということでは、国民一般は納得しないのです。その意味で石上日本国土開発の専務等の逮捕請求の理由には、はっきりと大石前常務理事に対する九十万円の贈賄という事実に従って逮捕状が請求され、執行され、現に二十日間の勾留が行なわれて、この七日に満期になる。しかもそのうちの二十万円のギフト・チェックというものはこの十日で時効になるのです。ある通信によりますと、この二十万円の問題については時効の問題もあるのだから、逮捕というようなことについては差し控えるべきだということが地検から警視庁に伝えられたというような、かなり内部をうがった報道が現実になされておるのでありますから、私は、この点について竹内法務省刑事局長の先ほどの答弁では納得するわけにはいきませんし、少なくとも逮捕状の請求の関係において、石上某の逮捕状の中にはこれだけの贈賄の事実が摘記されて逮捕状が執行され、現に身柄が拘束中でありますから、この間の事情については国民の疑惑を解く意味においても明確にしていただきたいと思うのです。

○竹内(壽)政府委員 先ほど猪俣先生の御質問にお答え申しましたように、時効が切迫しておるからやめておけといったようなことは私は考えられないと思っておるわけでございます。そういうことがあったかどうかも私確認しておりませんが、かりに新聞紙等で報道されているような警視庁と地検との間にいろいろないきさつがあったといたしましても、それはもっぱら捜査上の必要性、そういうものの判断、そういうところからきておるのであろうと私は想像するわけであります。想像いたします理由は、捜査というものはそういうものであるということを私は信じますがゆえに、さように想像いたすわけでございまして、そういう便宜のために捜査を中止するとかやめるとかといったようなものではございませんので、必要があれば身柄も釈放せざるを得ないでありましょうし、不必要な逮捕をすべきでないことは、これは申すまでもないことでありまして、その辺は捜査に当たっております人たちの慎重な検討の結果、そういうふうになったのではないかというふうに思うわけでございます。

○田中(織)委員 もう一点。大石君は収賄のほうの容疑なのですけれども、贈賄者のほうはだれに贈賄をしたかということが逮捕状の中に明確になっているということを私どもは聞いておるのでありますが、その点は一体いかがであるかという点をそのものずばりでお答えをいただきたい。ことにこの点は、運輸委員会でも、新幹線の赤字の問題に関連いたしまして、大石君については残念ながらいろいろなことが国会の速記録の上にも出ておる段階の人物なのです。その意味で国民は、たまたま時を同じくして発表された特別監査報告に基づいて大石君に対する何らかの司直の手が伸びるだろうということを予測しておったやさきに、きのうの朝の家宅捜索になり、任意出頭ということになったというわけです。ところが、ゆうべは本人は否認をしているとかいう新聞の報道でありますけれども、おそらくきょうも任意出頭で捜査は進められておると思うのでありますが、これだけ明確なる贈賄の事実について、また証拠もあげておるのに対して、本人の身柄が拘束されないということについては国民が納得をいたさないのです。しかも、きのう家宅捜索を受けた大石君の雑司ヶ谷の自宅というのは、どんなにしろうとが見ましても二千万円以上の豪壮な邸宅なんです。これは西松建設の手によって建設されて、三十六年の汚職事件が起こった当時に一たん工事は中止いたしましたけれども、ほとぼりがさめたころに完成をされた。その西松建設が東山トンネルの問題でとかく大石常務理事との間で問題にされたということは別の運輸委員会の速記録の中に明らかにされておる問題なんです。そういう点から見ても、この点について少なくとも贈賄者側が逮捕されて勾留をされておるにもかかわらず、最終の段階において収賄容疑者が任意出頭を求められて、証拠がそろっておるというのに、逮捕状が執行されないで任意捜査が行なわれるというようなことについては国民がどうしても納得できない。その意味から、石上君等の逮捕状には贈賄の事実が明確に示されておる。証拠に基づいて示されておるから逮捕状を執行し、現に検事勾留が行なわれたのでありますから、収賄者をこの際身柄を拘束せずに任意出頭で調べるというようなことは、これは国民は理解もできないし、納得もできない問題だと思うので、重ねて石上君等の逮捕状の容疑事実の問題について明確なお答えをしていただきたいと思います。

○宮地(直)政府委員 私、逮捕状それ自体を読んでおりません。ただ、当時日本国土開発KKの営業部付の安部を逮捕いたしました理由は、新幹線工事に関しまして便宜をはかられるために大石氏に金を贈ったという容疑をもって逮捕して、これは検事勾留もつきましたけれども、六月二十八日に釈放になっております。なお、同じ容疑をもちまして六月十五日に同会社の専務取締役の石上氏を逮捕して、これはまだ勾留中である、こういう事実を承知いたしておるのであります。

○坂本委員 そういう点があるから非常に疑惑を招くわけですが、大石氏には三十六年の就職当時から疑惑があって、ギフト・チェックの二十万円の問題があり、警視庁では六月二十日ごろ大石氏の令状を要求しておると聞いておるのです。これはいま安部氏に対する釈放の問題等々から考えますと、六月二十日ごろ令状を要求しておいて、七月一日ごろ東京地検から国会が終わるまで待て、どうも近江絹糸の問題も国会が終わるまで待てというようなことがあったわけですが、これについても七月一日ごろ地検から国会が終わるまで待て、その理由は現職でない、あるいは時効の問題等ありますけれども、われわれの考えるところは、石上氏が七月七日で勾留満期になるから釈放になる、だから国会が終わるまで待って、そうして贈賄者側を全部釈放して、それではいかぬから警視庁のほうでは大石氏に対する頂上捜査と申しますか、令状請求にきのう七月三日踏み切ったわけですが、それに対して地検のほうで任意捜査の指示をしておる、こういうことをわれわれは聞くからますます疑惑が深まるわけなんです。ですから、この大石氏に対するところの逮捕状の要求というものはきのう始まったものではないわけです。すでに六月二十日ごろの問題であるから、刑事局長なんか、新聞を見て知ったくらいだというのでは、これはどうもつとまらないと思うのです。その贈賄者側がすでに逮捕され、一名は釈放され、一名は七月七日の勾留満期、こういうような段階にあるわけです。ですから警視庁がこの収賄者側の、ことに証拠があがっておる大石氏を強制捜査に踏み切ってやらなければまたこの大ものに対するところの捜査がうやむやになってしまうのじゃないか、こういう点もわれわれは推察されるわけなんです。でありますから、こういう捜査はきのう一日では――帰りましたけれども、きょうあすくらいかかると思いますが、これを強制捜査に踏み切って徹底的に究明しないことには、これを外に置いたのではいろいろまたあとで下っぱに対してやります。だから犠牲者は下っぱだけになって大きい魚は逃げてしまう。これでは東海道新幹線に対するところの突貫工事がうやむやになってしまう。黒い霧でおおってしまう。こういうような疑雲をはっきり断ち切ることはできないと思うわけです。こういう地検から指示するなんて相当の問題だと思うわけですが、きょうあしたの問題の処置について局長はどうお考えですか。

○竹内(壽)政府委員 私どものほうへ地検から報告がきておりませんから、新聞記事やただいま先生方の御質問に私の全く個人的な意見をもとにしてお答えをしておるようなわけでございますが、きょうあすの措置といたしましては、さっそく東京地検に事情を聞いてみまして明らかにしてまいりたいと思います。何といたしましてもいま捜査中のことでございますので、いきさつ等を明白に申し上げることができるかどうか、これは保しがたいのでございますけれども、私としましては、さっそくにも地検に、わかります限り事情を明らかにしてまいりたいと思います。

○坂本委員 そういう決意でありますから、ぜひひとつやってもらいたいと思います。
 参考までに、この新幹線の工事には七十六社が関係しておるそうです。そのうち国土開発株式会社は十八番である。しかし実質は中小の程度のものである。したがって、中小の業者は各区間区間だけに一つしかできない。ところが大きい指定を受けた者は区間から引き続いて次の区間、その次の区間というふうに工事の請負ができて、これでいろいろな機械その他について非常な便宜がある、ばく大な利益を受けるというのでありまして、この日本国土開発の連続工事というものは、二川地区の豊橋のところに最初五億七千七百六十二万六千円の工事だったのが六億六千二百三十八万六千円に増額をされておるわけです。それからなお引き続き静岡の関係の湖西地区、これは五億二千八百万の工事が五億八千五百十万に上げられておる。こういうような点から推して、この日本国土開発と大石氏の関係は密接であり、その汚職についてもいまうわさされておる程度じゃないと思うのです。したがって、これこそ強制捜査に踏み切って、そして徹底的に究明をされなければ東海道新幹線のこの黒い霧をぬぐうことはできないと思うのです。それからもう一つ、地検に対する究明と、警視庁が強制捜査、逮捕状を請求しているということであれば、これを任意捜査に指示するということはとんでもないことじゃないか、こういうふうにも考えるわけでありますから、ひとつ善処してもらいたいと思います。

○猪俣委員 ちょっとお尋ねしてやはり善処していただきたいことは、いまの大石氏のような大事件についても勾留をなさらぬ。いろいろ捜査の都合があるという。ところが、片方、品川駅で起こりました国鉄従業員が汗と油でよごれたからだを清めるためにふろへ入ったというだけで、裸で手錠をかけて数千人おるところをぞろぞろ引っぱって歩いた事件、これは驚くべきことで、ぼくはいまだかつて聞いたことがないですよ。駅のホームの乗客の前にパンツ一つきりないやつを手錠をかけて引っぱっていく、こういうとほうもないことをやっておる。そこで法務省では人権擁護局もかかえていらっしゃる。一体こういう問題についてどういうふうに処置なさるつもりか。いや、あれはよろしいのだ、現行犯だからいいのだというようなことであるか。人を傷害したのでも何でもない、ふろへ入ったというだけの人間を、裸のまま両手錠かけて衆人環視のところを連れて歩くというようなことが一体許されることであるかどうか。私どもはほんとうにヒューマニズムから見ても義憤を感ぜざるを得ない。これに対して法務省はどう処置なさるのかお尋ねいたしたい。(以下略)

開通式に呼ばれないのもさもありなんといったところか

第043回国会 運輸委員会 第38号 昭和38年7月6日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/043/0016/04307060016038a.html

○井手委員 私は特別監査というのは、これほどの重大問題を引き起こした新幹線の工事の執行が適正であったかどうか、そこに重点を置かねばならぬと考えるのです。何も予算をとるために特別監査の必要はないのですよ。どうせここまで工事をやったものでございますから、補正予算は必要になってくるでしょう。幾ら必要であるかは私は特別監査を待つ必要はないと思うのです。これは国鉄でやれると思う。運輸省でやれると思うのです。あなたの特別監査委員会にまかせられた任務というのは、この膨大な予算を執行している国鉄の業務の執行が適正にやられておるかどうか、国民の信頼にこたえておるかどうかを監査するのが目的じゃございませんか。
 それではいろいろ問題がありますが、おもな点だけお伺いいたします。この報告書によりますと、大石常務理事すなわち総局長だけが悪いようになっております。一切が総局長の責任になっておりますが、ほかに責任者はございませんか。私の見解によりますならば、そういう独断専行を許したものは、これは私は総裁であると考える。同時の総裁であると考えます。またそれを監督しなくてはならぬのはだれか、それは運輸大臣でしょう。そういう面の責任についてはあなたのほうはお考えになりませんでしたか。ただ大石常務理事が悪かった、その一人だけが悪人だというふうにお考えになっておりますか。いかがでございますか。責任はございませんか監督の責任や業務を総理する責任はございませんか。

○岡野説明員(日本国有鉄道監査委員長) お答えいたします。私の報告にも、大石幹線総局長のみの責任である、そういうことには書いてなかったつもりであります。ただ、いま井出さんが言われたように、やはり総裁が幹線総局という非常に、権限の広いものを設けたということに対して、幹線総局というものを、ああいう突貫工事をやろうという場合には、あれを置くことそのことが私は一〇〇%悪いようには考えておりません。なぜかというと、総局長のほうでこれを運用よろしきを得れば、私はあれはかなりに補正された問題じゃないかと思うのであります。ただしかしあまりに独断専行的にやられた点、これについてこさいに調べてまいりますと、ああいうところにいくのであります。
 それから重大問題である、方針上の問題である、こういう問題は私企業と公共企業体とではやり方に違う点があるかもしれません。私企業等では、非常に重大なる問題はまかせられたとしても、こういう場合に総裁あるいは意思決定機関である理事会にはかるのが通例になっておりますが、これに何らはかってない。ただしかしそういう総局というものを設けてその後の運用よろしきを得なかったということに対しては、私は総裁の責任も報告書の中に追及しておるつもりであります。あるいはお認めにならなかったかと思いますが、理事会の運営その他に対しても遺憾の点があったというように報告して、相当私としてはシビアーに報告を出したというような気持ちでおるわけなんであります。

(中略)

○井手委員 綾部さん、あなたはいつもそういう答弁ばかりなさっておりますから、私は時間さえ許しますならば、そういう答弁に対しては徹底的に文句を言いたい。けれどもきょうは非常に時間が制約されておりますから、そのことばかりにはこだわりません。しかしそれでは答弁になりませんよ。だれが一体この特別監査報告に満足しておりますか。新聞の論評を読んでごらんなさい、関係者が読んでごらんなさい。これほどの重大失態を起こして、特別監査報告に八百七十四億円の予算の補正は妥当であるという結論、これでいいですか。
 それでは運輸大臣、続いてお伺いいたしますが、この報告書には、総局長一人が悪者のように書いてあります。もちろん意思決定機関である理事会を無視したことはよくなかったとは書いてありますけれども、この特別監査報告の大体においては、これは大石常務理事の至らぬところであるという結論になっておりますが、今回のこの重大失態に対して、退職なさった十河総裁に私は一番責任があると思う。その内容を監査し得なかった監査委員会にも責任がある。それを監督しきれなかったあなたにも私は責任があると思いますが、この責任についてはどうお考えになっておりますか。

○綾部国務大臣(運輸大臣) 私は、本問題が最初に起こりましたときに、総裁、副総裁、総局長、もちろん全部責任は多少にかかわらずありますが、全部の責任は私にあるということを申し上げております。

○井手委員 それは承りました。責任は自分にあるとおっしゃいました。いまも大石常務理事を信頼しておりますとあなたはおっしゃった。それも私は記憶がございます。いまでも大石常務理事を信頼なさっておりますか。

○綾部国務大臣 私は信頼しております。

○井手委員 新聞の報道によりますと、汚職が報道されております。八十万円を受け取った、そのうち二十万円は手形でもらっておることまで白状しておる。これほどの失態を起こし、しかも一番大事な立場にある大石常務理事が金銭を受け取ったという事態に対して、なお信頼なさっておりますか

○綾部国務大臣 御承知のように、大石君の事件につきましてはいまなお捜査中でございまして、捜査の段階を終わっておりませんからして、私はやはりそういう疑惑を受けたというだけで大石君に対する信頼の度合いにかかわりはありません

○井手委員 運輸大臣、もう少し答弁のしようもありそうなものですね。いや、かばうのはわかりますよ。わかるけれども、本人が自白までしておるのに、それほど信頼なさる必要はないじゃございませんか。自分は信頼しておったけれども、遺憾なことにこういう事態になりました、私の不明のいたすところで、私も不明の点がありました、こう言うのがあたりまえじゃございませんか。あんな問題を起こした大石常務理事をいまも信頼しておる、ひどい話ですね。そうすると、ほかのほうにはあなたが全責任は負うけれども、あなたが全責任を負えば、ほかの人の責任はどうなりますか。あなた自身はどういうふうな責任をお感じになっておりますか、御内意を承ります。

○綾部国務大臣 おのおの責任には軽重があります。重いのと軽いのとあります。私は一番重い責任を痛感しております。

(中略)

○井手委員 監査委員会のあり方については私も意見がございますから、これはあとで、なおお伺いしたいと思います。
 そこで、せっかくいま特別監査の質問をいたしておりますから、もう一点お伺いをしたい。  この報告書によりますと、決算の数字が大蔵省から出された数字と合っておりません。大蔵省から国会に出された決算の報告とここに出された数字とは合っておりませんが、それは私はきょうは追及いたしません。しかし、聞いておかねばなりませんのは、第一表に契約額及び決算額対照表とありますのに、昭和三十八年三月末までの契約総額は三千百八十七億円になっております。決算は三十七年度までに千五百三億円でありますが、大蔵省のものは千六百六十七億円になっております。大きな違いがあることは、これは私は別の機会にお伺いしたいと思う。決算の報告に百何十億円も違いがあるということは許されません。しかしこれは別にお伺いするといたしまして、三千八百億円の費用が必要であるのに契約されたものは二千百八十七億円、比率で申しますと五七%にしか当たりません。三十七年の六月には九五%と前の委員長はおっしゃった。これはお取り消しになったからけっこうです。しかしこの間の大石総局長の答弁によりますと、三十七年度末すなわち、去る三月末は七〇%の契約でございますというお話でございました。ところが今回出されましたものは、契約が五七%ですよ。五七%しか契約をされていない。この数字は間違いないですね。

○岡野説明員 そこに書いてある数字は間違いないと考えております。

○井手委員 それでは石田総裁にお伺いいたしますが、三月末の契約高は二千百八十七億円、その率は五七%にしか当りません。三十四年から始めて三十四、三十五、三十六、三十七、四カ年間かかって契約は五七%にしかいっておりませんよ。これで今後の工事はだいじょうぶですか、今度は間違いございませんか。

○石田説明員(日本国有鉄道総裁) 私は間違いないと確信しております。

○井手委員 あるときは九五%と言い、この間は総局長が七〇%と言い、今回の監査報告は五七%と言う。もうしばらくたつと今度は五〇%を割るようになるかもしれませんね。今度はだいじょうぶといって、それはだいじょうぶですか。

○石田説明員 実は私が国鉄総裁に就任いたしまして第一にぶつかった問題がこの問題であります。それで今度また大きなしっぽを出すようなことになったのではたいへんな問題だというので、実は総局長を辞任させまして、新しい局長を据えた。そうしてその新しい専門知識をもってすっかりチェックさしたのであります。初めの数字は八百四億であった。それがチェックした結果、これはどうも少し怪しいということで八百七十四億になったのでありまして、私はしろうとで数字のことはよくわかりませんが、私の信ずる。局長のチェックするところによると間違いないということでありますので私は間違いないと確信しております。

○井手委員 総裁は就任早々でございますし、任期はまだずっとございますから、今の御答弁を私は記憶をいたしておきます。
 いろいろ監査委員長にお伺いしたいことはございますが、ほかに問題がございますので、しばらくその辺で御休養をお願いしたいと思います。――何か御所感がありますれば承ります。

○岡野説明員 先ほど監査委員長のこの報告の基礎は、国鉄の方の数字をうのみにしたのではないかというようなお話がありましたが、この点については私弁明いたしておきたいと思います。私は相当調査をいたしました結果、相当のうのみにしない部分があります。監査委員長独自の立場から、みずからの手で文章を変えました。そして書いたというところもあるのだということをひとつ御承知おき願いたと思います。

○井手委員 私はいまから今後のことについてと、それから問題の汚職や不当支出の問題についてお伺いいたしたいのであります。
 まずこの機会にお伺いしたいのは、何回もここで、私も同僚議員も取り上げました近江鉄道の問題であります。もう会期もきょう一ぱいでございますので、責任ある処置をいたしますという運輸省の約束でございましたから、この機会に承っておきたいと思います。出してはならない景色の補償、いろいろ私はその後も法律を調べてまいりました。私はここで結論を聞く前に一点お伺いしたいのは、この大石総局長がやったこの景色補償の一億円、これはどこにもその根拠はございません。社会に通用しない非常識なやり方でありますが、この非常識なやり方をあえてした行政行為の瑕疵として、仕事のきずとしてその契約が無効にはされないのか。近江鉄道との間に取りかわされた一億円の契約は、この行政行為の重大な瑕疵として無効の取り扱いはできないのか、この点をお伺いいたします。

○磯崎説明員(日本国有鉄道副総裁) 私からお答えいたします。
 近江鉄道問題は、数回にわたりまして当委員会でいろいろ御論議がございまして、私どもといたしましても、ことに私、着任以来その問題につきましては、いろいろ十分検討をいたしてまいりました。ただいま先生のお話につきましても、実はそういうことが法律上成り立ち得るのではないかという立場からもずいぶん検討いたしてみました。たとえば部内の法規違反の問題、あるいは部内の慣行の問題等のほかに、法律上、過般の二億五千万円のうち、あとの一億が法律に反するかどうかという点につきまして、私自身いろいろ検討いたしましたし、また私、法律的な知識が非常に低いものでございますから、ある程度専門の人にも実は意見を徴してみたのであります。ただいまの先生のお話の一億円の支払いの締結をするに至ったまでにつきまして、いわゆる違法な行為あるいは不正な行為、あるいは詐欺、錯誤、そういったあらゆる角度から検討いたしましたが、どうもそれに該当することはないという結論に達しておりますので、いわゆる行政上の、あるいは私のほうでは行政上ではございませんが、いわゆる司法上の行為の瑕疵としてこれが契約の無効が主張できるかどうかということにつきましては、法律上非常に疑義が多いのではないか、こういうふうに考えております。

○井手委員 近江鉄道に対して国鉄のやったことはあやまちであった、それは返還さすべきだという方針をきめて法律を検討されたことについては了解をいたします。どうしても返還の訴訟が起こされないというならば、このままで過ごすわけには絶対まいりません。今後の国鉄の工事に対して重大な支障を来たすのであります。日陰や臭気その他のものについてはいかなる被害を与えても補償をしないというのがあなたのほうの基準であり、今回、昨年の六月でございましたか制定された統一的な補償の基準には反するのであります。われわれも何とかしてそういうむちゃな、いわゆる大石政務次官が言ったごね得というものは断固として排除しなくてはならぬと考えております。それほどの重大な失態をやった大石総局長、これに対してはどうお考えになっておるのか。新聞の報道によりますと、大石総局長がどういう事情でか、数千万円の預金と株券を持っておるそうであります。勤倹貯蓄なさったかどうか知りませんが、それが検察当局の疑いの一点になっておると聞いておるのであります。これほどの損害を与え、国鉄の信用を失墜させた総局長に対して、この損害の追及をお考えになっておるかどうか、これが一点。
 いま一つは、総局長だけの責任ではございません。こういうなすべからざる行為をやった関係者に対して、どういう処置をお考えになっておるのか、その二点をお伺いいたします。

○磯崎説明員 私から先にお答えいたします。
 ただいま先生のお尋ねの第一点でございますが、これは後ほど総裁から申し上げさせていただきます。
 第二点につきましては、確かにこの問題は過般の当委員会で各先生方からいろいろお話がございましたとおり、法律上の問題はともかくとしても、はたして適当であったかどうか、妥当であったかどうかという問題は後々まで残るし、その問題につきましては、いずれ検査院等でまたそういった方面からの御監察があるというふうに考えております。私どもといたしましては、その点につきましては十分今後まだそういう角度から検討いたしまして、もし不当である、あるいは必ずしも適切でなかったということが明らかになった――たとえばこの二億五千万円という金は、過般も矢尾先生の御質問に私お答えいたしまして、従来の国鉄の答弁を変えさせていただいたわけでございますが、御承知のとおりこれは二億五千万円という全体の額として、いわゆるネゴシエーションの過程で妥結した形になっております。そういった際にその金額がはたして適切であったかどうかということは、当然これは批判さるべきだったと思います。ただこの件につきましては、現地の実際の責任者でありますところの大阪の幹線工事局長は、自分の権限内のことではあるが、非常に異例であるという意味で本社へ伺いを立てております。書類その他を調べますと、本社でもってそれを決裁して、支払って差しつかえない、こういう正当な手続を踏んでおりますので、それを決裁した責任者の責任は、もし不当でありとすれば当然あるというふうに考えますが、その他の、ただいま先生の御指摘のそれ以下の関係者につきましても、今後もう少しこの額の検討その他をいたしまして、もしその間において総裁なり総局長を補佐する立場として適当でないということがありますれば、今後なおそれらの諸君につきましては検討いたさなければならない、こういうふうに考えております。

○石田説明員 ただいま井手議員からお話があった第一の問題であります。大石君が非常な金を持っておるということですが、これは一体汚職というものと関連があるのかどうか、問題は私はそこだと思うのです。彼が一億あろうが二億あろうが、汚職に関係なければ私としてはいかんともすることはできない。かりにそれは百万であろうが二百万であろうが、財産は少なくとも汚職があればこれは徹底的に追及しなければならぬ。幸か不幸かいま大石君はそういうことについて追及されておりますので、追ってこれは明白になると思う。明白になった上で考えたい。私から進んでその問題を追及すべきものではないと考えております。
 それからそのほかの関係者の問題でございますが、ただいま副総裁から申し上げたように、近江鉄道に払った二億五千万円は実に多過ぎる。私も実は多過ぎると思うのですが、これはひとつ井出さんに私はお願いするのだが、彼らは実に苦しい立場になっておる。要するに交渉に負けた。負けるのも負けた、大いに負けた、こういうことなんですが、どうも御承知のとおり相手が相当なものでありますし、これはもう負けるということはあたりまえ、ただ程度の問題だ。これはひとつそういうことを頭に置いてよく考える。さらに万一その間に汚職の点があるなら、これは徹底的に追及せなければならぬ、処分せなければならぬ、こういうことを考えております。

○井手委員 少し副総裁の話に私は不満の意見を述べたいと思う。返還をさせなくてはならぬ、そのため訴訟を起こすためにいろいろと法律上の検討をした、しかし合意であるからどうにも訴訟にはならないということでございますから、相手に返還を求めるわけにはまいりませんが、出してはならない、いわゆる減収補償、いわゆる景色補償のその重大問題に対して、なるほど総局長が一番悪いに間違いございませんが、不当なものがあればという前提で私は理解し得ません。了解するわけにはまいりません。十分検討されておるはずです。近いうちにその補佐であるとかあるいはどうであるとか、いろいろな責任がありましょうが、そういう面についての処分のお考えがあるかどうか、端的にお伺いしておるのであります。

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阪神高速道路が直結するはずだった新幹線大阪貨物駅

産経新聞の「半世紀残った“謎の高架橋” ひっそりと消える「幻の貨物新幹線」の残骸」の記事で一躍脚光をあびた新幹線大阪貨物駅関連の「遺構」について今更ながら書いてみる。

日本鉄道施設協会第28回総合技術講演会演題によると「三島貨物線高架橋の撤去」ということになるようだ。

撤去工事についてはJR東海職員による論文もあるようなので、ご関心のある方は是非深堀されたし。

「東海道新幹線工事誌」から該当部分の図面を引用してみると下記の赤丸部分の橋の準備工事だったことが推測される。

新幹線大阪貨物駅

今昔マップで見てみると、貨物駅相当の箇所が未利用状態だったころの写真等が見れる。

新幹線大阪貨物駅2

新幹線大阪貨物駅3

なお、東海道新幹線工事誌の「東京電車基地」の項では下記のように記してある。

東海道新幹線品川貨物駅

ところで、「新幹線の貨物輸送は世界銀行の融資を受けるためのフェイク」説があるようだが、上記の東海道新幹線工事誌では「貨物輸送は、開業当初には行わないことになった」としか書いていない。

 で、今までの「貨物フェイク」論争に一石を投じてみたいのだが、実は阪神高速道路の当初計画路線には、名神高速道路茨木IC~新幹線貨物駅~大阪市内を結ぶ計画があったのである。これは「貨物はフェイクじゃなかった」説の補強になるのではなかろうか?

(フェイク論を逐一検証して「フェイク論を論破」と言いたいわけではなくて、あくまでも一石を投じただけなのでご注意を)

昭和38年6月25日の官報資料版 [政府関係機関のあらまし ─公社・公団・公庫・事業団の目的と事業─] に下記のような記載がある。

阪神高速道路公団

〈目的〉 阪神高速道路公団は、昭和三十七年五月一日、大阪市において発足したもので、現在の行き詰った阪神地区の自動車の交通事情を緩和し、自動車交通の能率化、高速化を図るために、大阪市の区域および神戸市の区域ならびにそれらの区域の間および周辺の地域において有料の自動車専用道路を建設し、管理することになったのである。
 この公団の事業の推進のためには国のみならず阪神地区の地方公共団体が一体となり、あらゆる面で協力することが必要であり、この意味から計画、工事、財政等について、国と地方公共団体の助力のもとに公団が設立され、事業が推進されている。公団は、政府の財政投融資、地方公共団体(大阪府、兵庫県、大阪市および神戸市)の出資金、交付金を受け有料の自動車専用道路を建設し、通行料金により建設費を償還するものである。
〈業務〉 阪神高速道路公団法の建前からは、公団は公団の行なう事業の大綱である基本計画の指示を受け、その計画に従って事業を進めることになっている。この基本計画は昭和三十七年十月八日に公団に対して指示された。この基本計画によれば、阪神高速道路公団は、昭和三十七年度から昭和四十五年度までの間に大阪市内に四路線、神戸市内に一路線、総延長約五十三キロの高速道路を九百八十二億円の工費で完成させることになっている。
 この計画の大綱は次の通りである。
大阪市道高速道路一号線─東横堀川、西横堀川など大阪中心部の河川を利用する環状線とこの環状線から下り、東海道線に沿って北西に伸び、名神高速道路と都心部を結ぶ延長約十七・三キロの路線。
大阪市道高速道路二号線─大阪都心部の都市計画街路上に設けられ一号線と接続して、その機能を高めるとともに大阪東部の工業地域と都心および大阪港を結ぶ延長約二・三キロの路線。
大阪市道高速道路三号線─国道一号線、大阪、四日市線から都心に流入する交通に寄与し、名神高速道路の茨木インターチェンジ、国鉄新幹線三島貨物駅と都心部を連絡する延長約六・五キロの路線。
大阪市道高速道路四号線─大阪南部の臨海工業地帯の造成、国道二十六号線の交通量の増大に対処し、大阪の南の地区から都心部に指向する交通をさばく延長約九・三キロの路線。
神戸市道高速道路一号線─神戸市内の東西にわたる交通を円滑にし、国際港と連絡することにより陸上輸送の確保を図る延長約十七キロの路線。
 この計画のうち既定の道路整備五カ年計画によれば、公団は昭和三十七年度から昭和四十年度までの間に特に交通障害の著るしい大阪都心部および神戸都心部において大阪一号線および神戸一号線の一部の工事を約百八十八億円の工事費をもって行なうことになっている。昭和三十七年度においては、工事費十一億四千万円をもって大阪一号線のうち大阪の都心部を南北に貫ぬく西横堀川部分の工事に着手し、昭和三十八年度には工事費五十八億をもって、さらに大阪駅に至る部分、難波地区などに工事を拡げ、さらに神戸地区においては神戸一号線京橋~柳原間の工事を実施することになっており、昭和三十九年度には大阪一号線の難波~梅田間、昭和四十一年度には神戸一号線の京橋~柳原間の供用が開始され、自動車交通難の解決の一助となる予定である。
 阪神高速道路公団の事業の実施は建設大臣より指示を受けた以上の基本計画に基づいて行なうのであるが、将来の阪神地区の交通量の伸びに応ずる将来計画を新しい見地から策定している。すなわち、都市間交通として名神、東名等の全国的幹線道路網が計画されているので、これと直結する都市内交通網の整備か一層図られねばならない。
 その計画は、大阪市の周辺に環状の自動車専用道路を設け、都心部の通過交通を減らす環状線、大阪一号線を延長して名神高速道路の豊中インターチェンジ、大阪空港を結ぶ一号線の延伸線、大阪二号線を東西に延長する路線、大阪三号線を北に延長し、茨木インターチェンジを結ぶ路線、大阪四号線を延伸し南大阪の工業地帯と阪神を結ぶ路線、都心部と新東海道線の大阪駅を結ぶ御堂筋線、大阪、神戸を直結する文字通りの阪神高速道路、神戸の山沿いを走る阪姫線といった路線について検討をすすめている。

現在の守口線が、そのまま中央環状線を北上して鳥飼から茨木ICへ向かっていたと思われる。

阪神高速道路公団史からも関連部分を引用してみる。

阪神高速道路当初建設予定路線

国鉄や運輸省の中だけならともかく建設省所管の法人や大阪地元政財界まで巻き込んだフェイクというのはにわかに信じがたいものがある。

 

なお、元・信州大学教授で国鉄勤務時代に東海道新幹線建設工事に従事した長尚氏のウェブサイトによると

筆者のように、東海道新幹線の建設に関係した者には、貨物輸送も念頭にあったことは常識であった。“新幹線建設に世界銀行(世銀、本部ワシントン)の融資を受ける目的での「見せかけの構想」だったとの指摘も出ていた”ということは今まで知らなかった。
 1959年(昭和34年)4月20日に、東海道新幹線の起工式が新丹那トンネルの熱海側入口で行われた。その 東海道新幹線の建設基準にある活荷重(列車荷重)は、N標準活荷重(貨物列車荷重)とP標準活荷重(旅客列車荷重)からなっていて、2002年(平成14年)に改正されるまで、この基準は生きていた。

N活荷重については下記も参照されたい。

http://transport.or.jp/tetsudoujiten/pages/leaves/1966_%E9%89%84%E9%81%93%E8%BE%9E%E5%85%B8_%E8%A3%9C%E9%81%BA%E7%89%88_P0032.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscej1984/1984/344/1984_344_27/_pdf

貨物駅の用地買収だけならともかく、荷重の考え方が変わると全線にわたって橋梁等の構造物の設計が全部変わってくる=貨物を考慮した分だけ余計にお金がかかるわけで、そのあたりも世銀対策のフェイクとは思い難い。

世銀からの借入を計る前から貨物を想定した荷重を検討しているのは前の記事にも記したとおりだ。http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-ddca.html

長尚氏のウェブサイトでは「東海道新幹線開業50周年を迎えて -建設参加一土木技術者の回想-」もあわせてお目通しいただくことをお勧めする。
http://www.avis.ne.jp/~cho/tomu.html 

また、国鉄新幹線総局営業部長等を歴任した角本良平氏は「新幹線開発物語」の中で下記のように述べている。

新幹線が開通しても、当分のあいだは旅客列車だけで、貨物列車の運転はしばらくのちになったけれども、それは主として資金事情のためである。貨物輸送の準備も最初からおこなわれ、すでに駅用地も購入されている。

以下文庫本にして4頁にわたって貨物輸送について解説している。例えば貨物のコンテナの規格は狭軌広軌の両方で共通で使えるようにした、夜間保守のため週1回は貨物列車の運転を止める等。この本がもともと書かれたのは1964(昭和39)年であり、フェイクし続ける必要もないはず。世銀融資についても言及しており、「貨物フェイク論」の真偽に関心がある方は是非お読みいただきたい。(実際には、いろんな立場の人がいろんなことを思っていて、「いつまでもフェイクのつもりの人」「最初から本気の人」「最初はフェイクで取り組んだけどここまで来た以上は実際にもやっちゃうぜの人」等いろんな人が国鉄内部にいたんじゃないかな。「島がこういっているんだから他にはありえない」というのはナンセンスじゃないかなあ。)

角本の記述を裏付けるような問答が国会でなされている。

第043回国会 運輸委員会 第25号 昭和38年5月22日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/043/0016/04305220016025a.html

○山田説明員(日本国有鉄道常務理事) きょうお配りいたしました資料で東海道新幹線の設備及び資金計画についてという資料がございまして、これに一応説明を述べてあるのでございますが、これには「二千九百二十六億円に加えてさらに千五十億円余の設備投資を必要とする見込であります。」と述べてございます。これと、先ほど申しました八百七十四億との食い違いはどうかということの御質問かと存じますが、現在の八百七十四億にさらに百七十億円程度のものは開業後必要と認められる改良費的な性格の工事に充当されるものでございまして、開業までにこぎつけるために必要なものは八百七十四億、それから開業いたしますとこれは当然あらゆる現在線と同じように一応標準的な改良費が要るわけでございます。それにいまから予見される程度のものを加えますと総額で千五十億円になる。千五十億円を投資すれは一応開業後の予見できる将来にわたる改良費的なものを含めた総額の数字になる。そういう趣旨でこの資料をつくったのでございまして、したがってその場合には、この資料にもございますように、貨物も一応営業の逆転をいたすという姿になるわけでございます。

○久保委員 そこでお尋ねするわけでありますが、この資料によりますれば、当初の東海道新幹線のあるべき姿というか、それから見れば多少変更があると思うのであります。たとえば運転方式にしても、ATCを今回はこれだけでやっていく。当初の計画は列車集中制御装置ということであるようであります。さらにもう一つは、これはこまかい点かもしれませんが、乗降場の上屋にしても、列車の編成十二両分は全駅につけなくて半分にする、あるいは駅本屋の設備、駅前広場、こういうものも最小限度にしていこうということでありますが、ただいま御説明があった百七十億ですか、こういうものは改良費的なものだとおっしゃいましたが、実は当初計画に合わせるための資金計画ではないかと思うのであります。決して改良費的なものではなくて、当初約束したところの東海道新幹線をつくるには千五十億以上要る、こういうことになると思うのであります。そう理解してよろしいか。

○山田説明員 当初いろいろ御説明をしましたときには、貨物もやりますということを申しておりますし、それから大体三時間の特急を相当走らせたいということを御説明しておったわけでございます。私が先ほど申しました八百七十四億円程度をさらに追加していただければ、貨物営業は見送りになりますけれども、当初考えておった大体の姿ががこれで実現できるということを考えて、八百七十四億の積算をしたわけでございまして、いま御指摘がございました駅前広場の金は当初考えていたんではないかということでございますが、これは非常にこまかくなりますけれども、都市計画の完成と見合ってどうしても開業前までにはやりたくてもできないという金でございまして、したがってそういうものはどうしても開業後の支出になるわけでございます。

(中略)

○井手委員 それではかつての約束について申し上げたいと思いますが、国鉄が私ども国会や国民に声明されたのは、旅客列車は東京-大阪間を超特急は三時間、特急は四時間で結びます。超特急は一時間おきに、特急は二、三十分おきに運転いたします、こういうふうに約束をなさっております。さらに荷主に対しては、貸物はすべて夜間に電車で運ばれます、東京-大阪間を五時間三十分で、夜東京から出荷すれば翌朝大阪に届くようになります。これを同時に行ないますという約束をなさっておりますが、いま予定どおりおやりになりますとおっしゃいましたが、そのとおり間違いありませんか。念を押しておきたいと思います。

○石田説明員 この問題は、運転技術の問題その他に関しますので、私としてどうするかという確信はありませんが、できるだけその予定どおりやりたいということにつきましては、何ら変わらないのであります。

○井手委員 御就任早々でございますから詳しくおわかりにならぬかもしれませんが、ただいま申し上げました貨物の輸送については、旅客と同時に東京-大阪間を五時間半で輸送いたしますという約束は、これは来年の十月には間違いないわけでございますか。今までの答弁では、これは後日に譲ってあるように承っておりますが、これは約束と違うと思います。

○石田説明員 ただいまの御質問でございますが、すでに私がお答えいたしましたとおり、これはひとつ私がさらに検討いたしまして、どうするかということについては追って御返事いたしたいと存じます。

○井手委員 そうしますと、約束を守るためには貨物のほうも同時に営業を開始したいというお考えでございますか。

○石田説明員 その問題につきましては、私としては就任いかにも浅いのでありまして、ひとつ、かすに相当の時をいただきたいと存じます。

○井手委員 御研究になりますことはけっこうでございますし、直ちに具体的なものをお聞きするわけではございません。基本方針だけを承っておきたいと思います。
 最近の国鉄の説明によりますと、旅客列車は何とか走らせますが、貸物は財源の関係からこれを後日に譲らなければならぬようになりましたということでございます。だから私はお伺いをいたしておるのであります。約束は守りたい、予定どおりにいたしたい。そうなりますと、貨物を輪送するようになりますと、新たな財源が必要になってまいります。一千五十億円にさらに予算が必要になってまいりますが、その努力をなさるというお考えでございますか

○石田説明員 繰り返し申し上げましたとおり、私はその問題についてはまだ全然研究しておりません。御質問の趣旨を体して十分に研究いたしまして、適当のときにお答えいたしたいと存じます。

○井手委員 それでは問題を変えまして、旅客へのサービスは東京――大阪間三十往復になっております。私が読み上げました超特急は一時間おきに、特急は二、三十分おきにという約束を果たすためには、この車両は三百六十両を必要とするのであります。ところが、いま注文なさっておりますのは百八十両分でございまして、その百八十両分についてもなお予算が足りないというので、補正を予定されておるのであります。そうなりますと、約束どおり、予定どおり実行するということになりますと、車両分をさらに百三十億円追加しなくてはならぬようになりますが、その点は約束どおりおやりになるということでございますか。この資料によりますと百八十両分だけしか予算に組んでございません。ところが超特急一時間おき、二、三十分おきに特急を運転するという約束どおりにいたしますと、三百六十両発注しなくてはなりませんし、百八十両分を新たに追加しなくてはならぬことになりますが、それはどういうふうに総裁はお考えでございますか。総裁からお伺いしたい。

○石田説明員 繰り返し申し上げますとおり、私は総裁になりましたのはつい二、三日前でございまして、全く赤子なんです。そういう知識については何らありませんので、これは一つ山田理事をして御答弁申し上げたほうが適当と存じますので、私の責任において、どうぞひとつ山田理事からの御答弁をお聞き願いたいと思います。

○山田説明員 それでは私からお答えさせていただきます。

 まず車両費の点でございますけれども、事実ただいま発注済みのものは百八十両でございまして、それは当初から百億円の予算を組んでおるわけでございます。それから、開業時には御指摘のように三百六十両で開業いたしたいと考えておりまして、その差の百七十両はどうするかということでございますが、そもそも先ほども申しましたように、この新幹線というものは現在の東海道線の複々線工事である、広い意味では改良費であるという見解にスタートしておりますので、残りの百八十両は、もし現在線に線路容量があれば当然増車をして増発をすべき車を新幹線用としてつくって新幹線に動かせる、そういう意味で性格的には改良費から支弁すべき性質のものであると考えまして、したがって、ことし、三十八年度の成立予算の債務負担額のうちの車両費も例年よりも非常にふえまして、三百五十億円の債務負担額をお認め願っておるわけでございまして、それでもって開業までには残りの百八十両を手当てする考えでおるわけなのでございます。
 それから、私から御答弁するのは筋違いかもしれませんけれども、貨物輸送の点でございますが、これは当初旅客と同時に貨物も開業した方がいいという考えで、そのようにいままでお答えを申し、また考え方を御説明しておったわけでございますが、これも先ほど申しましたように、現在線と合わせて最大の輸送能率が発揮できるような運転方式を考えるべきではないか、最も端的に言いますと、東京――大阪間の広軌幹線だけにかかる貨物輸送量がどれくらいで、それから東海道の現在線自体を利用しなければならない貨物輸送量がどれくらいかということからいろいろ検討いたしまして、少なくとも来年の十月一日に新幹線を開業さして、現在線の主要な旅客列車を先ほど申しました本数程度転移すれば、残りの線路容量で相当程度の貨物輸送力の増強ができる、したがって開業と同時に貨物輸送もそろえてやることは、むしろ端的に言いまして一時的な過剰投資になるのではないかというような考えで、ただいま事務的には貨物輸送は開業後引き続いて計画はいたしておりますが、開業の日に耳をそろえてということは、ただいまの時点では実は考えを改めたわけであります。その点、新総裁にはまだその御説明をいたしておりませんが、先ほど私が御説明いたしました八百七十四億程度あと追加していただきたいという考え方の中には、ただいまのような考え方を骨子にして数字をつくっておる次第でございます。

○井手委員 山田さん、答えは簡単に願います。そうしますと、最初予定された三百六十両をつくるならばさらに百三十億が必要だということになりますな。

○山田説明員 金額的にはそのようになります。

○井手委員 それから山田常務にさらにお伺いいたしますが、あなたのほうから出されたこの資料、これは国会で説明になりました。さらにこの資料についても説明になりました。御存じでしょう。これに約束されたサービスは、いわゆる大阪駅では貨物の場合には高架線にするという約束、それを約束どおりに実行するとすれば、改良とかなんとかいうあなた方の逃げ道は別にして、幾らかかりそうですか。あなたの責任じゃないのですから、遠慮なくおっしゃってください。最初のこういう約束どおりにおやりになるとすれば、今回の千五十億にさらにさらにどのくらいかかりますか。車両の百二十億はわかりました。そのほかに引き込み線の関係や駅舎の関係そういったものを含めますと、さらにどのくらいかかりますか。

○山田説明員 千五十億円、つまり現在考えております開業までの八百七十四億に約百七十億円程度加えた約千五十億円、これがいままで御説明をいたしておりました、その当時一応おぼろげに考えておりました開業の姿プラス若干改良的な姿になる数字であります。したがって貨物輸送の内容も千五十億の中には入っておるわけであります。

○井手委員 聞き違いのないように願いたいと思うのです。こういう、大阪駅では貨物はこう取り扱いますという約束をなさっておるでしょう。あなたのほうの出された資料によりますと、これも最小限度、上屋はないようにという最小限度に切り詰められておるのですよ。だから千五十億円必要だとおっしゃいますが、そのほかにさらに百三十億円も百八十両の車両費が必要になるわけでしょう。そのように約束どおりにやればどのくらいかかりますかと聞いているのです。千五十億円にさらに三百億円くらい必要ですか、どのくらい必要ですかと聞いているのですよ。だから百三十億円を加えてどのくらい必要ですか。

○山田説明員 最初という言葉がございましたので、最初、そもそものスタートが千九百七十二億円でお願いしたわけであります。その当時考えておりましたときすでに、車両については百八十両は新幹線の増設費でまかなうそしてその残余は改良費でまかなうということを考えておったわけでございます。それから貨物設備、貨物輸送につきましては、その当時は開業と同時にやろうという考えでおったことはただいまも申し上げたとおりでございますが、それが昨日最終的に計数を詰めたその基本的な考え方で、貨物輸送は必ずしも十月一日同時にやらなくてもしのげるということで、八百七十……

○井手委員 ちょっと中間ですが、私はそんなことを聞いておるのではございませんよ。あなたのほうは計画を縮められた。それはわかっていますよ。しかし国民に約束されたとおりにやれば、どのくらいかかりますかと聞いている。簡単な話ですよ。三百六十両の新しい車両で、そして超特急は一時間おきに連転する、貨物も同時に営業する、上屋はどうする、駅舎は拡張する、そういう約束どおりにすれば、千五十億のほかにどのくらい要りますかということを聞いている。あなたの責任を問うているわけじゃない。遠慮せぬで、そんなに気を回さぬでいいんですよ。

○山田説明員 決して私そういろいろなそんたくをしてお答えしているわけではございませんが、総額千五十億円程度になれば、最初にお約束いたしました千九百七十二億円のときの姿プラス改良的なものができるということをお答えしておるのでございます。それに車両費を加えて表現すべきではないか、こういう御意見でございますれば、最初から考えておりました改良費的な車両費が百三十億円ございますということになるわけであります。

○井手委員 それでは聞き直します。具体的にこう聞きましょう。改良とか建設とかいうあなたのほうの考え方は別にして、あなたのほうの計画は、改良にあってもかまいませんが、最初に国民に約束されたものをそのとおり実行するとすれば一千五十億のほかにどのくらいかかりますか。駅舎を非常に縮小されておる、車両も縮められておる、貨物もあと回しになっておる、そういったようたものを約束どおりにされた場合に、改良費でもかまいません、それを実行すればどのくらいそのほかにかかりますかということを聞いているんですよ。

○山田説明員 千五十億という全投資額では、いまおっしゃいましたような駅舎を縮みるとか、そういう事態は全然起こりません。新幹線全体で幾らかかるかと言えば千五十億円プラス車両費である、こういう表現が正当かと思います。

○井手委員 じゃ、百三十億円というのは千五十億円のほかに必要である、そうすると、大阪駅におけるターミナルの貨物設備あるいは東京の始発駅の貨物設備なり、中間の名古屋であるとか静岡であるとかいうようなところの設備も約束どおりできるわけですか。約束どおりですよ。山田さん、この地図にあるとおりそれでできますか

○山田説明員 貨物設備につきましては、東京と大阪、具体的には品川と鳥飼の設備ができるのでございますが、中間の静岡等の設備はいまの千五十億の中には入っておりません。

○井手委員 だから、ここに書いてありますように、貨物駅は四駅で、東京、静岡、名古屋及び大阪の各地に設けますと約束されておりますよ。その約束どおりにやった場合にどのくらいかかるかということを聞いているんですよ。あなたのほうは改良費として今後逐次おやりになるおつもりでしょう。その分は幾らになりますかと聞いているのです。

○山田説明員 その問題は、静岡、名古屋等に本格的な貨物設備をする際には、東京、大阪の両ターミナルの能力が及ばなくなるであろう、したがいまして現在線の貨物改良計画とあわせまして、これはいろいろうわさに出ておりますたとえば大井埠頭の埋立地を利用して汐留まで移転してやったらどうかとか、あるいは第二汐留という意味で品川先に大貨物駅をつくったらどうかというように、その段階になりますと、現在線の貨物輸送改良計画とあわせて考えなければならない問題でございますので、それは将来の問題としてまだ具体化はいたしておりませんが、かりに第三次五カ年計画を立てる必要があるとすれば、その中へ織り込まなければならぬものだなということで、いま研究しておる道程でございます

○井手委員 山田さん、あなたは改良費、改良費とおっしゃるが、建設当時に約束されたものは新幹線増費の中に含むべきものじゃございませんか。財源の点から、予算が不足したからやむを得ず最小限度にとどめるような事業の縮小をなさっておるのですから、あなたのほうは改良で将来やりたいとおっしゃいますけれども、本来は改良で見るべき問題じゃございませんよ。建設費の中に初めから入っておるじゃございませんか。やむを得ないから後日、改良、改良で何とか約束どおりに何年かかかってやろうというお考えでございましょう。改良で逃げられるものじゃございませんよ。本来は建設費の中に入るべきものです。それは幾つかは聞いている。これはわかっているでしょう。なるほど名古屋であるとか静岡であるとかについては、いろいろ今後の計画も出てまいりますから一がいに申せませんが、あなた方が約束されたものを実行する場合には、車両費の百八十両分を含めてどれくらいかと聞いておるのです。それもわからぬですか。三百億は下らぬはずですよ。

○山田説明員 これはおしかりを受けましたけれども、実は十月一日の開業には一応貨物はやらないという考えでございましたので、本日御説明しましたと同じ精度、同じ確かさの検討を加えた数字ではございませんけれども、大井埠頭を加えまして約二百四、五十億円程度の金が要るのではないかという程度の試算はいたしております。なお私先ほどから改良的、改良的と申しましたのは、これは井出先生のほうはむしろ御専門家でございますけれども、新幹線増設費というのは一応建設仮定的な性格の予算でございまして、これが開業いたしますと即日、この量は非常に大きな金額でございますけれども、性格的には現在線と同じ性格の予算になるわけでございます。したがいまして私改良費、改良費と申しましたのは、開業後に新幹線増設費という項もなくなるであろう、そういうことを実は考えて申し上げたわけでございます。

○井手委員 それじゃいまあなたの御答弁にあったように、約束どおりにすれば二百四、五十億円かかろうというわけでございますね。そうでしたね、いまの答口弁は。

○山田説明員 それがまことにあいまいな答弁で申しわけございませんが、当時大井埠頭をどうするか、それを含めた現在線の大改良計画は当時トピックにあがった程度でございます。たとえば東京の終点を皇居前の広場に持っていこうとかいう程度の精度で話があった話でございまして、その程度のことがいままで持ち越されておりまして、その程度の精度をもって一応試算すると二百四、五十億になろうかということを申し上げておるわけでございます。

○井手委員 いまの御答弁はこの前吾孫子副総裁からも大体そういう数字が出てまいっております。だからこれは新総裁も開いておいてもらいたいのです。今度補正が必要だと国鉄でお考えになっておりますのは千五十億円、それに約束どおりに貨物も同時に運転するし、三百六十両のきれいな約束された車両で旅客を運行するということになりますと、少なくとも千三百億円は必要であるという結論になっているのであります。
 そこで総裁にお伺いしたいのは、昨年すでに貨物は後日に譲るという決定があったようでありますが、これは国民に対する約束が変更されたことになるのであります。この点については総裁は、それはしようがない、貨物だけは後日に譲るというお考えでございますか、約束は約束であるから、それは新総裁になって第一の仕事として公約を守って、サービス第一であるから貨物も同時にやるように研究をしたいというお考えでございますか、その点をお伺いいたします。

○石田説明員 繰り返し同じことを申すようでまことに相すみませんが、私は全く小学校の一年生のずぶの初めなんで、何にもわかっておらぬ。いまの御質問の点はよく研究いたしまして、ひとつ後日しかるべきときにお答えいたしたいと思います。どうぞお許し願いたい。

第043回国会 運輸委員会 第38号 昭和38年7月6日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/043/0016/04307060016038a.html

○井手委員 そこに私は見込み違いがあったと思うのです。この東海道新幹線の計画が見込み違いであったと同様に、監査委員会の受け取りに私は違いがあったと思うのです。

 そこで続いてお伺いいたしますが、八百七十四億円が妥当であるとおっしゃる。しかし、私どもがここで一番聞きたいことは、これは昭和三十三年から三十四年にかけて、東京-大阪間、超特急三時間で走らせまして、一時間おきに走らせます、貨物は五時間半で走らせますという約束で発足したこの新幹線の工事ですから、この八百七十四億円、これでは計画どおり、公約どおり開通するものではないのです。あなたのほうの報告書によりますと、別紙三にいろいろな計画が圧縮されておる。駅舎関係、貨物関係、そういうものはずっと圧縮されておりますが、八百七十四億円で一応開通はできるが、こういう圧縮されたものを計画どおり、国民に対する約束どおり実行するとすれば、あと幾ら必要でございますか。あと四百億円必要ですか、五百億円必要ですか、それを聞きたい。それはわかっておるはずです。あなたのほうはこれがわからぬでは大へんです。これこそ監査委員会の無能と言わねばなりません。八百七十四億円はともかく超特急を走らせるだけの最小限度の費用なんです。三十三年から三十四年にかけて国会で約束された公約どおり実行するにはあと幾らかかりますか、それをお伺いいたします。

○岡野説明員 今度の命ぜられた内容は、貨物列車は抜きにする、それでその他こういう第三表のように工事を進めていくについて、はたして八百七十四億円が妥当なりやいなや、こういうように私は解釈しておる次第であります。したがいまして今後、一番初めの計画をそのまま貨物輸送まで加えて幾らかかるかということは、新たにこれは調査し、計画をしていかなければわからないことと思います。それはどういう監査委員長が参りましたとしても、この席でそれが、あるいは調査をして短期間にその点までわかるという人は……(「神様じゃなければわからない」と呼ぶ者あり)神様じゃないか。ここに国鉄の関係者がたくさんおりますが、監査委員長ばかりでなしに、それに直接関係をしておる人でも、的確にこの数字を言い得る人は何人あるかといって、おそらくないのじゃないかと思います。

○井手委員 私は監査委員長のその人柄をかねがね多くの人から承りました。円満な人であり、手腕家であると承りまして、私も非常に敬意を表しておりましたが、ただいまの答弁は、いかにあなたの世論がよくても、これは受け取れません。ちゃんとこの中に数字はあるのですよ。私も持っています。あなたはここにおる者はだれも知らないとおっしゃるけれども、私自身が持っているのです。そんな答弁はすべきものじゃございません。それじゃ監査委員会じゃないですよ。監査委員会というのは、私が申し上げるまでもございません、昭和三十三年に答申され、三十四年から発足したこの新幹線の工事、国民に対する約束を私は重ねて申し上げます。東京-大阪間超特急一時間おきに三時間で走らせます、二、三十分おきに特急を走らせます、貨物は東京-大阪間五時間半、晩に出した荷物は朝に配達できますというのが国会に対する約束じゃございませんか。この約束のものをいかに円滑に、適正な予算の執行によってこの工事を進めていくかという、その業務を監査するのがあなたのほうの任務でしょう。そうでしょう。しかるに大事な一本は、貨物のほうはあと回しになった。あと回しになったものは数字は幾らかわかりませんということでは、これじゃ監査委員会の任務じゃありませんよ。世間で通りますか。それが貨物関係は二百億円ちょっとこえる。車両や駅舎関係で二百五十億かかる。八百七十四億円のほかに。委員長よく聞いてください。八百七十四億円が妥当であるとおっしゃったその金額の、その上になお百七十四億円の金がなくては来年十月の開通には支障が起こりますよ。百七十四億円必要である。こうこの間国鉄から報告が出ております。これはあとでお伺いいたします。そういう数字までわかっておるのに、何で監査委員長がわからぬのですか。国民への公約を実現されるかどうかを監査するのがあなたの任務でございましょう。何ならその辺で聞いてください。

つまり、874億円の予算不足が問題になった際に、更に貨物に必要な予算が200億円あるが、それは圧縮(カット)されたということか。

ちなみに、新幹線による貨物輸送のイメージについては下記のように述べられている。

第038回国会 運輸委員会 第12号 昭和三十六年三月十六日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/038/0016/03803160016012a.html

○磯崎説明員(日本国有鉄道常務理事) お答え申し上げます。

 ただいまの御質問、新幹線ができた際の新幹線と現東海道線の使い方をどうするか、ことにその両者の間に輸送力のアンバランスがあってはいけないという御指摘だと存じますが、その点は確かに非常に大きな問題でございまして、東海道新幹線自身が、現在の東海道線の隘路を打開するということに主力を置いております以上、ただいま御指摘になったように、現在の東海道線の隘路がそのまま残ったのでは意味がないということにもなります。私どもの今の計画の数量の推定によりますと、旅客につきましては、現在線全体の約七割三分程度のもの、貨物につきましては、二割三分程度のものが新幹線に移るというふうに考えております。しかしながら、もちろん新幹線の方はその駅数老少のうございますし、ローカル輸送にはこれは使えませんので、新幹線は主として大都市・あるいは今きまっておる駅相互間を直接結ぶ場合、それから現在線から出発して一たん乗りかえていただきますが、新幹線を利用していただく、こういうお客様を合わせますと、現在の約七三%移るというふうに考えられます。新幹線の運転の計画は、大体今ダイヤを引いておりますが、二十分ないし三十分に一ぺんずつ特急なり急行を走らせるということをいたしますれば、今までのように、切符を買うために時間をロスするというようなことでなしに、待たないでとにかく特急でも急行でも乗れるという制度にいたしたいと思っております。それと同時に、現在線があきますので、その分につきましては、ちょうど東京付近で電車を利用される方が、あまり待たないでお乗りになれると同じような格好で、東海道線の現在線については、十分ないし十五分でもって等時隔のダイヤを作るということによりまして、非常に近距離輸送が便利になるというふうに考えております。

 貨物につきましては、旅客に比較して転化率が非常に低いというふうに御指摘になると思いますが、これは御承知の通り、現在の東海道線で送っております貨物は、東京、大阪発だけのものでなしに、主として東北から関西へ、あるいは西の方から東の方へという、日本のメイン・ラインになっておりますために、東海道線から出ます貨物だけでないものが大部分でございます。従いまして、約二三%程度の転化を見ておりますが、将来、新幹線につきましては、今試験的にやっておりますコンテナーの輸送、あるいはパレットの輸送という新しい輸送方式を考えまして、それによって、たとえば東京から発車いたしますコンテナー、あるいはパレットにつきましても、なるべく集荷の範囲を広くいたしまして、関東一円から関西一円に発着する貨物は極力新幹線で送る。そういたしますと、夕方発送した貨物が翌日の朝着くという速達にもなるし、また国家経済的に見ても非常に輸送コストが下がるというようなことも考えられまして、貨物輸送につきましては、夜間の新幹線のあきます時間帯を利用して、極力転化さすように、輸送方式の転換の方面からも努力して参りたいというふうに考えております。

 それからもう一つ、簡単なことでございますが、今まだそこまではっきりきまっておりませんけれども、新幹線ができましても逆に、たとえば東京から大阪までいらっしゃる夜行のお客さんがどうしてもあるわけでございます。また九州方面にいらっしゃるお客さんは、やはり大阪で乗りかえるのはいやだ、ぜひ直通で行きたいとおっしゃる方もたくさんあることは当然と存じますので、これらの方々のためには、ある程度の夜行列車なり、ある程度の九州直通の列車というものは、当然現在線に残さなくてはならないということも考えております。何本残すか、何本九州行きの特急などを新幹線に置くかということについては、今後の旅客の伸びなどを検討して、今具体的な案を作成中でございます。いずれにいたしましても、御指摘の通り現在線と新幹線との輸送のアンバランスがないように、十分計数的にも検討をいたして、間違いのない案を作りたいというふうに存じております。

また、新幹線開業後、名古屋市内の日比津貨物駅予定地に係る質疑がなされ、貨物新幹線の実施見込みについて「昭和43年秋に開業したい」旨の答弁をしている。

第048回国会 法務委員会 第10号 昭和四十年三月五日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/048/0488/04803050488010a.html

○赤松委員 国鉄当局にお尋ねをしたいと思いますが、名古屋市の中村区の日比津というところにございます農地の問題ですが、これが国鉄において所有されたのは太平洋戦争のとき、すなわち昭和十八年、当時戦時輸送力増強のため軍部の圧力によって、事のいかんを問わず、いわゆる国策と称して強制買収されたのであります。ところが、この戦時中における農地の強制買収につきましては、昭和三十三年三月十四日、最高裁の第十一小法廷で判決破棄、差し戻しになっております。それで、この事件は神戸で起きた事件でございますが、これにつきまして、上告人は兵庫県知事、被上告人は日本国有鉄道、原審は大阪高等裁判所で行なわれました。そして国鉄は、農地を農地法第六条によって保有することができないので、耕作者に国が買い上げて売り渡しをすべきである、こういう判決が下っておるのであります。したがって、この判決に基づきまして、農民は直ちに中村区農業委員会に手続をいたしまして、昭和三十二年七月十二口これを議決をして書類を愛知県知事に出したのでございます。ところが国鉄当局は、東海道新幹線の建設計画にあたって、この土地を貨物駅にするという計画であることが知事に対して回答がありました。そこで当時、すなわち昭和三十三年五月に、関係耕作者が協議会を結成しました。三十三年八月に、この協議会によって、この農地を耕作者に返すべきである、すなわち、農地法で解放されるよう国鉄当局に陳情を続けました。これは当時私が立ち会いまして、国鉄の当時の用地課長赤木さん、それから橋本さん、こういう人と、本社で前後四回にわたりまして、いろいろ折衝を重ねたわけであります。その際、国鉄当局のほうでは、この農地買収について、すみやかに返すべきではあるけれとも――農林省もわれわれの意見を支持しまして、即時返すべきである、こういう意見を国鉄当局に申しておりましたけれども、国鉄当局は、新幹線建設という国策の線に沿って協力してくれということで、具体的に坪当たり幾らという金額を明示されてきたのであります。

 そうこうするうちに、さらに県当局にその解放を実施されるよう陳情して、そうして県議会は、自民党、社会党を問わず、これを支持しまして、さらに昭和三十四年二月には、農林省の農地課の中島課長、それから三上技官などに陳情して、そうして、農林省も、先ほど申し上げましたように、これら農民の意見を支持して、国鉄と交渉を行なってまいりました。

 そこで、三十五年の五月に、私が勧告しまして、これは国策の線に沿って、農地を国鉄に買収してもらうべきだ、これは必然の大勢であるから、どうしても国鉄は貨物駅をつくりたいというのであるから、この際、土地に対する執着はよくわかるけれども国鉄に協力したらどうかということを勧告しまして、そこで交渉委員十一名を選びました。それから国鉄側から赤木用地部長が名古屋に参りまして、そして用地の変更ができない旨を説明いたしました。越えて三十五年七月、新幹線名古屋工事局の用地第三課長より、貨物駅の計画のため離作、すなわち耕作をやめるようとの交渉を受けました。交渉委員十一名で強く、この農地が戦争遂行上、強制的に軍部の強権で買収されたものであるから、われわれはあくまでも解放してもらいたいという要求をした。その後十回にわたって用地課長、係長らと交渉したが、いずれも用地を貨物駅として使用したいということで、この解放の要求を今日まで、ぜひ解決をしたいということで交渉が続けられてきたのであります。ところが、最近聞くところによれば、これは私は電話で新幹線の局長に聞いたのでありますが、あの用地は、戦争中軍部が強権を発動して強制的に買収した、ところが最高裁の判決もこのようにあり、すみやかに農民に返すべきである、しかし新幹線という国策を遂行する上で協力をするように、私は一貫して指導してきた。ところが採算がとれないのでもう貨物駅をつくることはやめた、そういう計画変更が今度行なわれる。そうすると、貨物駅をつくらないということになるならば、当然農民に湿してやるべきだ。すでに農業委員会の議決もとっているわけです。ところが、どうもこれを用途変更して他に使うというようなうわさが流れている、もしこれが他に使われるということになるならば、私は農民を説得して国鉄に協力してきた、そういう協力の努力が水のあわになるばかりじゃなしに、これは農民から土地を強権で奪い取って、なお戦争中のそういう強権発動の行為が戦後も続いておるということになるならば、しかも貨物駅に使わないで用途変更して他のものに使うということになるならば、私は重大な問題であると思うのでありますが、この際、国鉄当局の責任ある態度を明らかにしてもらいたいと思います。

○柴田説明員(日本国有鉄道常務理事 柴田 元良) ただいま先生から日比津の用地のいままでの経過につきまして御説明がありましたが、国鉄といたしましては、新幹線を利用いたしまして高速の貨物輸送を行なうということが、国鉄の営業上どうしても必要なことでございまして、またその需要につきましても十分の採算を持っておりますので、なるべく早く新幹線による貨物輸送を行ないたい、こういうふうに考えて計画を進めております。したがいまして、日比津の用地を国鉄において貨物輸送のために使うということは、何ら変更する気持ちもございませんし、なるべく早くお話をまとめていただきまして、貨物駅として、またあそこに計画しております電車の誘致線を設けるという計画も含めまして、すみやかに使うようにいたしたい、こういうふうに考えて、目下計画を進めておる次第でございます。

○赤松委員 そうすると、貨物駅は、着工もしくは完成はいつごろになりますか。

○柴田説明員 ただいま貨物駅に入ります地点までの名古屋からの路線につきましては、約三キロでございますうち二キロはすでに完成をいたして高架線もできております。したがいまして、あと約九百メートルが新たにこれは買収をいたす必要がございますので、ただいまその買収と、先生のお話しの場所におきます問題の解決をできるだけ早く急ぎたい。したがって、工事に着工できますのは、その問題の解決しました早い時点でございまして、いまのところ四十年からでも着工いたしたい、このように考えております。

○赤松委員 四十年着工ですね。国鉄の柴田さん、よく聞いておいていただきたいんですが、農民は返してくれと言ってるんです。国鉄の貨物駅をつくることは、反対だ、つくってもいいからほかでおつくりなさい、農地を買収するのは反対だ、こう言っているんです。それをこれから説得しなければいけない。すでに最高裁の決定によれば、これは農業委員会の議決を経て当然農地を返すべきだ。――農林省の石田管理部長、大河原農地課長、よく聞いておいていただきたい。あなた方来るのおくれたからもう一ぺん説明しますと、私も農林省に参りまして、昭和三十四年二月に、当時の農地課の中島、課長、これは大河原課長もよく御存じだろうと思いますが、その中島課長にもよく事情を話しまして、中島課長も当時私どもの主張を支持してくれた。この農地は戦争中強制的に軍部が強権を発動して買収したのであるから、当然これは最高裁の判決に従って返すべきである。こういう意見なんですが、その後国鉄のほうからはぜひひとつ協力してくれ、私もそういう観点で実は農民を指導してきた。新幹線という国策に沿ってひとつ協力しようじゃないかということでやってきたんですが、なかなか農民は納得しないわけです。ところが、最近貨物駅に使わないということが新聞に発表された。私も局長に電話して確認したら、いや貨物駅は採算がとれませんからもう計画はやめました、こういうことなんですね。いま国鉄の柴田理事にお尋ねすると、いや残った分については四十年に着工する、こういうお話なんですね。この辺のところがどうもあいまいで、当時新幹線局長は廃止の方針であったけれども、その後事情が変更したのかどうか、もし事情が変更してないということになると、局長は私にうそをついたということになるし、あるいは柴田さんはそんな人じゃないけれども、ここでうまくごまかして、そしてずるずる延ばして用途変更をやろうというようなこともうかがわれるわけです。万々そういうことはないと思いましても私もあなたの御答弁を信頼しますけれども、その辺のいきさつはどうなんですか。

○柴田説明員 国鉄が新幹線を開業いたしますまでには、先生も御承知のとおりに予算不足の問題がございまして、昨三十九年の十月に旅客の輸送開始をいたすまでの間に、いろいろとやむを得ない予算上の事情から、計画の変更と申しますか、一部をおくらせざるを得なかったということがございまして、その結果として、貨物輸送は、できれば一番最初は三十九年の十月、昨年の十月同時に開業するという計画でございましたけれども、ただいま申しましたような事情でおくれざるを得ない、ただいまの予定では四十三年の秋、これはどうしてもその時期になるという事情がございますために、とりあえず旅客輸送の増強にただいま力が入っておりますために、先生が多少不明確であるとおっしゃった点があるいは間違って伝えられたかと私は解釈いたしております。

○赤松委員 一月二十九日の朝日新聞が、「超特急貨物を断念、新幹線経済的に引き合わず」という見出しで、結局内容はこまごま申しませんけれども、「河村勝営業担当常務理事も二十八日「貨物の超特急は経済的に引合わない」と断念をほのめかした。」さらに最後に、「貨物列車用基地は、旅客基地として活用することになり、世銀に対しては改めて事業計画の変更を説明し、承認を求めることが必要になる。」、こういうふうに報道している。この報道は誤りですか、どうですか。

○柴田説明員 河村前理事が記者会見のときに新幹線の貨物輸送について触れましたそのときの空気は、私は直接立ち会っておりませんからわかりません。また新聞の報道も、受け取り方によりましていろいろのニュアンスで報道されたように私も考えております。ただ国鉄といたしましては、貨物輸送を実施いたします時期が当初よりおくれておりますことも事実でございますし、またこれをいたしますのに今後相当の投資も必要でございますので、その辺の空気の中で彼個人として御発言になったというふうに私は考えます。

おって、http://jpimg.digital.archives.go.jp/pdf/H1530a00870000/024704398137.pdf では下記のような想定問答も含まれている。

貨物新幹線

(追記) 貨物新幹線については、下記のような記事もその後かいておりますので是非あわせてご覧ください。

東海道新幹線開通後の貨物新幹線に係る国鉄の取り組み等(貨物新幹線は世銀向けのポーズなのか)

貨物新幹線の経緯はどのようなものだったのか?~「角本良平オーラル・ヒストリー」を読む(その1)

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祝 東海道新幹線 開通50周年

私も世間の流れに迎合して「東海道新幹線開通50周年」の記事を書いてみるとしよう。

今まで書いた新幹線関係の記事だと、あんなのとかこんなのとか、ロクなものではないが、皆が書いてないようなニッチなネタを狙っていくか。

 

官報に載っていた新幹線電車予想図

昭和33年の官報にこんな記事が載っていた。

「東京→大阪を3時間で走る広軌列車の未来図」だそうな。

なんか、あいつに似てるなあ。

小田急SE車 あさぎり

こいつ。

国鉄さんは、SE車が随分お好きだったようで、「新幹線建設基準調査委員会報告書」に掲載されている橋梁の設計荷重の検討にあたっても連接車(表の中では「関節車」)を想定しているのであった。

新幹線橋梁設計荷重案の設定

ちなみに、貨物については、成案の貨物電車だけではなく機関車牽引についても検討している。

EH級ということはこんなやつか。

EH10

なお、官報に出てくる「日本国有鉄道幹線調査会の答申」について読みたい方は、下記リンク先をどうぞ。

http://jpimg.digital.archives.go.jp/pdf/H11B0005210000/0239.pdf

追記

「SE車好き好き」の件については、「証言記録 国鉄新幹線」 柳井潔著 新人物往来社刊 にフランスTGV(連接車を採用)乗車記にからめて下記のような記載があった。

「TGVは(中略)タルゴ車を使っているが、あれはすでに小田急で新幹線着手当初試作したSE車と同じで、別段新しい方式ではない。タルゴ車は、車両の振動を少なくし、そのうえ台車の節約にもなるが、それも重量の軽い車両にしか通用しない。しかし軸重を客車の屋根で支えているのは面白いと思った。新幹線車両研究当初、技研の三木さんはタルゴ車を主張したが、本社との技術的理論の対立からお流れとなった。結局小田急の協力でタルゴ車を作り好成績をおさめたが、嘘か本当か技師長の島さんから『技研の奴らは私鉄の仕事ばかりしている』などと怒られたという笑い話もあった。(中略)」とは、国鉄技研のOBで日本機械保線KKの経理部長道田政人の乗車後感である。

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2014年10月10日 (金)

鉄道会社が土地の権利を持っている日本唯一の有料道路のPAにして、未成オーバーブリッジ型PA

これからご紹介するのは「鉄道会社が今でも土地の権利を持っているNEXCOの有料道路のPAって他にあるんですかね?もしかして日本唯一!?」なお話

場所は、上記で京阪電鉄公式がつぶやいているJR西日本学研都市線松井山手駅のすぐお隣の第二京阪道路京田辺パーキングエリア(PA)。NEXCO西日本の有料道路だ。

写真で見ると単なる荒地が道路の上に乗っているだけのように見えるが。。。

京田辺PA (1)

本当は、こんな風に道路を跨ぐ形でパーキングエリアの建物ができるはずだったのだ。

断面で見るとこんな感じ。

京田辺PA (2)

そしてこのPA部分の現在の地主で建物オーナー(予定)が京阪電鉄【公式】なのである。

(財)道路空間高度化機構の「立体道路事例集」によると(図版もここから引用したもの)

本地区は、京都府京田辺市の北部地域に属し、JR学研都市線松井山手駅周辺に位置する、全体規模98.6haに及ぶ区域である。区域内は、大規模な住宅地開発が土地区画整理事業により進められており、第二京阪道路が地域を二分する形になっていたことから、当該道路の利用者のみならず沿道住民も利用できるPAが計画された。
 このため、立体道路制度を活用して、第二京阪道路の上空を利用、地域も利用できるコミュニティスペースを組み込んだ休憩施設整備を行うとともに、道路隣接地の有効利用を行い、道路付属物である自動車駐車場と高速道路の休憩施設へアクセス可能な民間の一般駐車場・商業施設が一体となった建築物を整備することとされた。

とのことである。

ところで「立体道路」といえば、アレですよ。奥様。

権利関係等は下記のとおり。

京田辺PA (3)

ピンク及び黄色の部分が京阪電鉄の土地で、道路側は道路に必要な範囲(高低)だけ区分地上権を所有している。京阪電鉄は道路の本線及びランプ並びにPAの駐車場を跨ぐ形でPAの建物(道路付属物である自動車駐車場と高速道路の休憩施設へアクセス可能な民間の一般駐車場・商業施設が一体となった建築物)を建築・営業するはずだったのである。

京田辺PA (4)

時系列でいくとこんな感じ。

見る人が見るとこの時期は、「あ(察し)」な「関空バブル」の時期である。詳細な経緯はおさえていないが、関空バブルがはじけたりなんやらした結果、現在の航空写真のような草ぼうぼうのままになっているのであろうか。

関空バブル

関空バブル参考図(笑)(「前島」って言うてたころは景気良かったんやけど、「りんくうタウン」と名乗ってからは。。。)

ところで、道路を跨ぐ形のSA・PAを「オーバーブリッジ型」という。ヨーロッパ(特にイタリア等)に多く見られる形式だ。https://en.wikipedia.org/wiki/Bridge_restaurant

多賀サービスエリア当初構想(オーバーブリッジ型)

新建築 41巻7号「名神高速道路ドライブインレストハウス3題」のうち「多賀レストハウス」から引用。(丹下健三事務所)

オーバーブリッジ型SA

高速道路調査会の「高速道路はじめて辞典」によると上記のように「建築基準法に抵触することもあり実現しなかった。」とある。「道路内建築制限」にひかかるのだろうか??

 関空バブルがはじけなければ、京田辺PAが日本のオーバーブリッジ型SA・PA第1号になっていたかもしれないのだが。。。

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2014年10月 7日 (火)

藤井秀悟投手ありがとう

ピッチャーは、自分の見に行った試合に必ずしも登板するわけじゃないからネタが限られるよなあ。いいのがなくて申し訳ないです。

応援歌は野村と同じやつ。左腕エース用として引き継がれていくのだろうか。。。

名探偵コナンの出囃子

特徴あるフォロースルーでした

左腕だし絶対次のユニフォームを着れるよなあ。

なんとか残せなかったんですかねえ

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横浜DeNAベイスターズ2014年本拠地最終戦

『ダグアウトの向こう』2014シーズン総集編 FINAL SERIESバージョン

中畑清監督挨拶

エレクトリカル・ファイヤーショー THE FINAL

場内を監督、コーチ、選手が一周

応援団が全選手応援歌及びチャンステーマメドレー

頑張れ紀洋コール

なんだかんだで花火ばっかり見てたなあ

20140808 YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2014 エレクトリカル・スターナイトショー

20140927横浜DeNAベイスターズ対読売ジャイアンツFINAL SERIES 2014の花火は下記のリンクをクリック↓

http://youtu.be/1BVEUlLrgJs?t=12m6s

おまけ 神宮の花火

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菊地和正投手ありがとう

横浜DeNAベイスターズ初年度のヘロヘロ投手陣を勝ってるときも負けてるときも負けてるときも投げ続けた菊地和正投手

横浜DeNAベイスターズ菊地和正投手

酷使されて使い捨てのようにカットされるのは外様中継ぎ投手の宿命なのか?

ここ数年牛田、藤江とベイスターズを支えた中継ぎが続々とカットされていくのが大変悲しい。

手術後は是非どこかの球団がとってくれますように。

ジーク・ジオン(`_´)ゞ

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2014年10月 6日 (月)

中村紀洋選手ありがとう

横浜DeNAベイスターズの中村紀洋選手が戦力外通告を受けてしまいました。

残念。

横浜スタジアム最終戦では、応援団から「頑張れ紀洋コール」が叫ばれていました。なんやかんや言うても愛されてたんやなあと。

はなむけに私がUPしたノリさんの動画をまとめてみた。

スタメン発表

もういっちょ

試合開始前に守備位置につくところ。グラウンドに一礼するのが偉いと思うのだけど、それなのになんで黒化するんや。。。

 

この声援の大きさは、オリックスバファローズ戦故に、三塁側及びレフト側応援席からの声援も加わっているからです。

一塁側から

ライトスタンドからチャンステーマ1

YOKOHAMA STAR NIGHT2013でチャンステーマFight oh! YOKOHAMA

チャンステーマ0

神宮球場のレフトスタンドから

このころは白かったのになあ

最後に全部まとめたひたすら長いやつをお好みでどうぞ

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