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2014年10月10日 (金)

鉄道会社が土地の権利を持っている日本唯一の有料道路のPAにして、未成オーバーブリッジ型PA

これからご紹介するのは「鉄道会社が今でも土地の権利を持っているNEXCOの有料道路のPAって他にあるんですかね?もしかして日本唯一!?」なお話

場所は、上記で京阪電鉄公式がつぶやいているJR西日本学研都市線松井山手駅のすぐお隣の第二京阪道路京田辺パーキングエリア(PA)。NEXCO西日本の有料道路だ。

写真で見ると単なる荒地が道路の上に乗っているだけのように見えるが。。。

京田辺PA (1)

本当は、こんな風に道路を跨ぐ形でパーキングエリアの建物ができるはずだったのだ。

断面で見るとこんな感じ。

京田辺PA (2)

そしてこのPA部分の現在の地主で建物オーナー(予定)が京阪電鉄【公式】なのである。

(財)道路空間高度化機構の「立体道路事例集」によると(図版もここから引用したもの)

本地区は、京都府京田辺市の北部地域に属し、JR学研都市線松井山手駅周辺に位置する、全体規模98.6haに及ぶ区域である。区域内は、大規模な住宅地開発が土地区画整理事業により進められており、第二京阪道路が地域を二分する形になっていたことから、当該道路の利用者のみならず沿道住民も利用できるPAが計画された。
 このため、立体道路制度を活用して、第二京阪道路の上空を利用、地域も利用できるコミュニティスペースを組み込んだ休憩施設整備を行うとともに、道路隣接地の有効利用を行い、道路付属物である自動車駐車場と高速道路の休憩施設へアクセス可能な民間の一般駐車場・商業施設が一体となった建築物を整備することとされた。

とのことである。

ところで「立体道路」といえば、アレですよ。奥様。

権利関係等は下記のとおり。

京田辺PA (3)

ピンク及び黄色の部分が京阪電鉄の土地で、道路側は道路に必要な範囲(高低)だけ区分地上権を所有している。京阪電鉄は道路の本線及びランプ並びにPAの駐車場を跨ぐ形でPAの建物(道路付属物である自動車駐車場と高速道路の休憩施設へアクセス可能な民間の一般駐車場・商業施設が一体となった建築物)を建築・営業するはずだったのである。

京田辺PA (4)

時系列でいくとこんな感じ。

見る人が見るとこの時期は、「あ(察し)」な「関空バブル」の時期である。詳細な経緯はおさえていないが、関空バブルがはじけたりなんやらした結果、現在の航空写真のような草ぼうぼうのままになっているのであろうか。

関空バブル

関空バブル参考図(笑)(「前島」って言うてたころは景気良かったんやけど、「りんくうタウン」と名乗ってからは。。。)

ところで、道路を跨ぐ形のSA・PAを「オーバーブリッジ型」という。ヨーロッパ(特にイタリア等)に多く見られる形式だ。https://en.wikipedia.org/wiki/Bridge_restaurant

多賀サービスエリア当初構想(オーバーブリッジ型)

新建築 41巻7号「名神高速道路ドライブインレストハウス3題」のうち「多賀レストハウス」から引用。(丹下健三事務所)

オーバーブリッジ型SA

高速道路調査会の「高速道路はじめて辞典」によると上記のように「建築基準法に抵触することもあり実現しなかった。」とある。「道路内建築制限」にひかかるのだろうか??

 関空バブルがはじけなければ、京田辺PAが日本のオーバーブリッジ型SA・PA第1号になっていたかもしれないのだが。。。

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コメント

さすが、なんでもお布施させるJR西日本(すっとぼけ

投稿: | 2014年10月10日 (金) 21時39分

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