西武渋谷店A館B館の間の地下道はあります!(おぼかたさん風に)その3
・西武渋谷店A館B館の間の地下道はあります!(おぼかたさん風に)その1
・西武渋谷店A館B館の間の地下道はあります!(おぼかたさん風に)その2
で、暗渠・水路趣味界での「西武百貨店渋谷店A館とB館の間には宇田川の暗渠があるため、地下通路がない」という定説を検証してきた。
その2では、渋谷区役所の御担当者の方から道路法に基づき地下通路を占用させているという情報をいただいたところである。
しかし、まだ書類などを閲覧したわけではないので、一抹の不安があった。
そこで「建築雑誌に工事の施工報文が載ってるんとちゃうのん?」ということに気が付いた。
で調べてみると、ありましたぜ。
「建築界1968年7月号」にそのものずばり「SKビル(西武渋谷店)の施工」。執筆者の陰山茂氏は、清水建設建築部の方。
西武百貨店なのに、「SKビル」というのは、ここはもともと映画館で、A館とC館は松竹映画、B館は国際映画が建築主であることが由来のようだ。
「昭和毎日」の昭和31年の地図でみると、日活と国際となっているが
http://showa.mainichi.jp/map/?lat=35.66057411149513&lng=139.69886563060004
「東京 懐かしの昭和30年代散歩地図」では、松竹と国際であった。
「付属建物」の項に
2.A館とB館をつなぐ地下トレンチ
鉄筋コンクリート造
幅7m,高さ6.3m,長さ16m
A・B館を地下3階でつなぐ
とある。
◇地下連絡道
地下連絡道は,地盤を凍結する工法で工事を行った。
A・B館の地下3階を結ぶ連絡地下道は,井之頭通り幅15mの道路の下で結ばれており,ここを掘削するにあたって,オープンカットやシールド工法が考えられたが,交通量が多いこと,道路下に幅6mの暗きょがあること,湧水量が多いこと等でいずれも好ましくなく,そこで考えられたのが凍結工法である。(以下略)
「湧水量が多い」というのが気になるなあ。水路は暗渠になってもまだ地下水は谷底に向かって流れていたのかなあ。
そして図面。見づらいがしゃあない。
井の頭通りのA館とB館の間に「地下ずい道」という文字が見えないだろうか?
ほれ。
いずれにせよ、地下3階部分にA館とB館を結ぶ地下通路があることが書面上も実証できたことになる。やったー。
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