大阪の中津高架下建築に係る現状のまとめ(その3)
で、過去の経緯等を整理してきたところであるが、2015(平成27)年2月段階での現状を確認してきた。
大阪市によるこのような張り紙が各所に掲出されている。
大阪市会建設消防委員会記録 ◯平成26年9月12日
◆伊藤良夏委員 大阪維新の会、伊藤です。建設局にお伺いします。
大阪市では、去る9月1日から6日にかけて大阪880万人訓練や災害対策本部設置運用訓練、津波発生を想定した防潮扉閉鎖訓練、防災関係機関の連携体制の強化を図るための実働訓練など、市を挙げて総合的な防災訓練に取り組まれたところであります。近い将来発生が懸念される南海トラフ巨大地震など大規模地震の発生に備え、これらの実践的な訓練を初め、ソフト・ハードの両面から引き続き防災・減災対策を強く推し進めてもらいたいと思います。
さて、ハード対策の重要な施策の一つとして橋梁の耐震対策がありますが、建設局より管理橋梁の耐震対策は約96%の進捗率とお聞きしており、おおむね終息に向かっているようであります。一方、残る橋梁の中には高架下に占用区画を有する高架橋が6橋あり、最初に淀川区の三津屋高架橋に着手される際には、占用者への対応も含めた市の方針について、本委員会で市位委員より質疑させていただきました。その後、三津屋高架橋については、占用区画の明け渡しも無事に終わり、現在、順調に工事を進められているとお聞きしています。
しかし、次に着手された北区の中津高架橋については、災害時の広域緊急交通路に位置することもあり、早期の対策が求められているところでありますが、一部の占用者について明け渡しが難航し、本委員会でも昨年度に複数回の議論が行われています。
そこで、中津高架橋における現在の明け渡しの状況についてお聞かせください。
◎横山建設局管理部路政課長 お答えします。
中津高架橋につきましては、昨年度来、高架橋下の占用区画の明け渡しに取り組んでいるところでございまして、現在のところ、全119区画のうち予定も含めまして7割を超える区画につきまして明け渡しが完了しており、順次、区画内の物件の解体工事を進める予定でございます。
しかしながら、委員御指摘のとおり、残る区画の中には残念ながら現在に至るも明け渡しに応じていただけないところがございまして、対応に苦慮しているところでございます。以上です。
◆伊藤良夏委員 たしか中津高架橋については、道路占用許可は本年3月末日をもって終了しているはずでありますが、それにもかかわらず明け渡しに応じないのは単なる居座りにほかならず、法的には不法占拠であります。また、これら一部の占用者の区画の中には、占用許可条件に反し、占用者みずからが使用していない、いわゆる転貸されている区画が複数あると聞きます。
我が会派では、たとえ公共的に必要な工事であっても長年にわたり高架下を利用してきた方々にとって明け渡し自体は大変なことでありますから、丁寧な説明で粘り強く理解・協力を求めていくよう、建設局に要望しておきたいです。しかし、許可条件に反する行為をこれまで継続した上、占用許可終了後も依然として明け渡しに応じないのは明らかな背信行為であり、もはやこれ以上の議論の余地はないと考えますが、どうお考えですか。
◎横山建設局管理部路政課長 お答えいたします。
当該区画につきましても、他と同様に、これまで占用者や区画を実際に使用している方々に対しまして繰り返し御理解・御協力を求めてきたところでございます。
当局といたしましても、高架橋の耐震対策のこれ以上の遅延は許されないものと認識しておりまして、今後、法的措置を含むあらゆる手段を選択肢として対応してまいりたいと考えております。以上です。
◆伊藤良夏委員 冒頭申し上げたとおり、南海トラフ巨大地震などいつ何どき発生するかわからない大規模地震に備え、市民の生命や財産を守るために建設局には速やかに耐震対策を進める責任があり、中津高架橋に続く残りの高架橋についても滞りなく取り組みを進めていただきたいと思います。
もちろん、長年にわたって高架下の利用を生活の糧や場としてこられた方々がいることも承知しており、繰り返しになりますが、建設局には取り組みに際して十分な検討・配慮を求めてきました。しかし、三津屋高架橋では全件、中津高架橋では7割以上の占用者が明け渡しに応じていただいている事実に目を向けた場合、一部の占用者による振る舞いをこれ以上許しておくことは、工事のおくれというだけでなく、公平性・公正性の観点からも看過できないと考えます。
中津高架橋の占用許可が終了し間もなく半年を迎えるに当たって、建設局には毅然とした対応を要望しておきたいと思います。以上です。
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/150214/20150214034.html
江坂に移転し復活 中津の文化拠点ピエロハーバー
2015年2月14日
大阪市北区の国道176号・中津高架橋の耐震化工事計画に伴い、高架下の拠点から立ち退いた「中津芸術村ピエロハーバー」が吹田市江坂町3丁目に拠点を移し、「えさか芸術文化館ピエロハーバー」として活動を再開した。毎週金曜~日曜日に演劇や歌謡などのステージを上演。『昭和』のぬくもりのある地域文化拠点を目指している。
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