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2015年3月 8日 (日)

祝 首都高速道路中央環状線 全通

 首都高速道路中央環状線(品川線)が全通した。

 全通の瞬間が

首都高速中央環状線開通1

首都高速中央環状線開通3

首都高速中央環状線開通2

 開通おめでとう!!

 ところで、昭和36年当時の中央環状線等の路線図がこちら

 西側はともかく東側は随分違う。中央環状線は江東区を縦断している感じ。

首都高速道路中央環状線路線図

 現在は2号線と中央環状線は接続していないが、接続する計画はあったようだ。

首都高速2号線と中央環状線が接続していたころの計画図

 大山顕さんがデイリーポータルZで

 大崎から大井までの区間は目黒川をトレースするようにその下を走っていて、つまりその道路の曲線は川の蛇行の転写なのだ!

世界一長い高速道路トンネルを歩く」から引用

 と書いているが、当初の計画では

 環状6号線の附近に一つ内郭の環状線を作る.外郭環状線に対しまして,内郭環状線と呼んでおります.ここに一つの環状線を作る.目黒川という川がございます.品川区役所の横を流れている川でございますが,この川は臭くてしようのない川でございますから,これは将来下水道が完備すればいらなくなる川でございます.そこでこの河川敷を利用すると渋谷附近まで行く.渋谷から先はまた環状6号線でも拡幅してその上を高架で通すというような事をやりまして,四谷までこれをもって行く.四谷から先は神田川の上を道路にする.そうすると隅田川まで行く.そういった環状の道路を作るような計画を追加したい.

 

「東京都の都市計画について<トヨペットマネージメントスクールにおける講演要旨>」「時の流れ・都市の流れ」 鹿島研究所出版会・刊 山田正男・著 516頁から引用

 というような考え方であったようだ。大橋ジャンクションの横を目黒川が流れているが、そのあたりまでは、京橋付近のように「目黒川跡地」を半地下で通るような構想だったのだろうか?

第三京浜と首都高速道路3号線が直結している路線図

「東京都道路整備10ケ年計画について」( 「時の流れ・都市の流れ」) 560頁から引用

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 ところで、中央環状線関係の記事で下記のようなものを見つけた。

板橋~熊野町間は、5号池袋線とC2が重複しています。どちらも片側2車線のため、合流部は2+2で4車線必要なのは小学生でもわかる理屈ですが、なぜか3車線しかありません。

 

首都高C2全通で渋滞悪化か 原因は「お役所」と政治」乗りものニュース 清水草一・著 から引用

 車線数というのはそんなに単純な足し算なのか?疑問に思ったので、ぐぐってみたら下記のような記事があった。

車線数の決定方法は、あらかじめ車線数を仮定した上で当該道路の交通容量を設定し、それを交通量と比較することによって行われる。

(引用者注:第1種第2級の高速道路における【構造令解説】による設計基準を示す)

高速道路の車線数の決定基準

道路の交通容量における新しい設計法に関する検討http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0317pdf/ks0317007.pdf 36頁から引用

 「第1種第2級」というのは、東名高速道路のような都市間高速道路の規格なので、首都高速道路にこの数字がそのまま適用されるわけではないだろうが、いずれにせよ「合流部は2+2で4車線必要」というような単純なものではないようだ。

 つまり、同じ4車線(この場合は片側2車線)道路の合流にしても

「1万5千台/日の道路と1万8千台/日の道路が合流した場合は、3万3千台/日なので4車線(片側2車線)でOK」

「2万5千台/日の道路と2万8千台/日の道路が合流した場合は、5万3千台/日なので6車線(片側3車線)が必要」>

ということか。

 まあ、そうでもないと「2+2で4車線」という考えを単純に敷衍していくと「その先で4車線が2車線に合流すると6車線」「更に6車線が2車線に合流すると8車線」と延々と増え続けなければならない。

 「小学生でもわかる理屈」というよりも「(小並感)」とする方が妥当なのかもしれない。

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 まったくの余談だが、清水草一氏は、高速自動車国道の名称について「法定路線名」という用語を多用しているが、これは私が考えた言葉で、正式名称ではない。

 前世紀末でまだ2ちゃんねる等がないころに国道系のBBSに出入していた私が下記のような経緯で書き込んだものだ。

 管理人さん「国土開発幹線自動車道建設法別表の路線名とかよりも分かりやすいいい言葉ないですかねー」

 私「法定路線名とかいんじゃないですか」

 管理人さん「いいですねー」

 これがいつのまにか、wikipediaの高速道路関係のテンプレートに採用されて普及してしまったものである。

高速道路の「法定路線名」というのは嘘用語で官報には単に「路線名」と書いてある

 官報公告を見ると「路線名」とだけ書いてある。これが正解であろう。

 なお、路線名には「国土開発幹線自動車道建設法」別表記載の路線名と、「高速自動車国道の路線を指定する政令」別表記載の路線名の2種類があり、微妙に異なる。

 例えば、前者「近畿自動車道名古屋大阪線」が後者「近畿自動車道名古屋亀山線・天理吹田線」だったりする(名阪国道の部分は、政令では高速道路路線としては中抜けになっている)。後者は、法律で定められているのではなく政令で定められているのだから「法定路線名」というと嘘になるのである。

 また、関西空港線や関門自動車道は、前者にはなく、後者にしかない「法定されずに政令でしか定められていない路線名」なので、法定路線名というのは如何なものか

 wikipediaで横着してばかりで、原本にきちんとあたらないと恥をかくことになるのでご注意あれ。

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 なお、wikipediaの「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」の一覧表は、おそらく私のサイトのパクリ。

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コメント

また清水草一の悪い癖で事業仕分けで一度も俎上にのぼらなかった板橋熊野町を、とか書いていて笑いました。

投稿: hoge | 2015年3月17日 (火) 19時50分

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