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2015年7月11日 (土)

「名神全通50周年企画」近江鉄道の高速バス路線計画

「名神全通50周年企画」建設時のインターチェンジ青焼き図面において「早稲田大学大学史資料センター」所蔵の名神高速道路のインターチェンジの図面を紹介したが、これは近江鉄道が高速バス路線開設の免許申請のために日本道路公団から入手したものであったことは既に紹介したとおりである。

 では、近江鉄道の高速バス計画はどのようなものだったのか、それを示すパンフレットを紹介したい。

近江鉄道高速バス (1)

 

近江鉄道高速バス (2)

 

近江鉄道高速バス (3)

 

近江鉄道高速バス (4)

 

近江鉄道高速バス (5)

 

近江鉄道高速バス (6)

 

近江鉄道高速バス (7)

 

近江鉄道高速バス (8)

 

近江鉄道高速バス (9)

 

近江鉄道高速バス (10)

ところで、名神高速道路概成にあたっての高速バス申請路線一覧にも書いたのだが、

昭和三十四年二月以来、日本急行バス・日本国有鉄道をはじめとして、近畿日本鉄道・名神高速自動車・近江鉄道・北陸急行バス.。関西高速自動車・京阪自動車・名古屋近鉄バス・名古屋鉄道・江若鉄道・滋賀交通・三重交通など十三社から、二九二の路線と一〇四の系統について、順次に免許の申請がなされて来たのである

 

「地域間高速道路と定期バス事業-名神高速道路のバス免許をめぐって」 西藤雅夫・著 http://libdspace.biwako.shiga-u.ac.jp/dspace/handle/10441/3228 から引用。

 多くの会社から多くの路線の申請があり、その調整の困難さから「道路公団がやればよい」との意見も出たほどであった。

名神高速のバスは道路公団で

1964年8月15日朝日新聞

 そんな中で実際に免許された路線は名神高速道路概成にあたっての高速バス申請に係る審査結果に記したとおりである。

 注目すべきは、近鉄、名鉄、京阪といった大手鉄道会社が単独での路線開設ができず、日本急行バス等に出資する形でしか路線開設できなかったにもかかわらず、近江鉄道は単独で路線開設が認められているのである。

近江鉄道高速バス (11)

 ここで気になる文書がある。

 以前、東海道新幹線建設に係る近江鉄道との景観補償を巡る攻防を、早大大学史資料センター所蔵の資料をもとに解説したが、新幹線と近江鉄道にまつわる「景観補償」の検証(その3)

(4)尚また貴国鉄自動車部門に於かれましては名神間高速自動車道の敷設に伴いこの程17系統にも及ぶ路線免許を出願されましたが、これとても当社既設バス木の本-彦根間33粁9系統に重複し、而も仝大垣-大津間101粁10系統の現行路線に完全並行する競合申請で、前叙鉄道部門の赤字を補いつゝ当社の事業基礎を一応安定して来た当社自動車部門いもその死命を制するが如き影響を与える重大案件ではあります。

さり乍ら当社は貴国有鉄道の立場を尊重申し上げて、他同業が挙げて貴国鉄自動車の申請に協力反対をなしているにもかゝわらず、にわかに之に同調することなく貴国鉄自動車に依る幹線輸送網の造成には賛同して話し合いたいとの方針を打ち出し、御協力申上げているのであります。勿論、貴国鉄自動車当局ではこの大方針実現のためには関係民業と十分協調する用意ある旨言明されてはおりますが、さればとて貴国鉄自動車御当局よりは現状之に対する何等の具体的保証を得ているものではありません。若し万一、一方的に何の話合いもなくして高速自動車道に依る国鉄自動車の路線設定を強行されるならば当社自動車部門もこれ亦新幹線により大影響をうける鉄道部門同様に恐らくは崩壊の運命をたどらねばなりません。斯くては自動車部門の黒字によりかろうじて余喘を保持し得ている当社鉄道部門は、この面よりも更に壊滅的な圧迫を受け、益々窮地に追い込まれるは火を見るよりも明らかであります。

 

昭和36年6月19日付け 日本国有鉄道 大阪幹線工事局長 高橋 好郎 宛て 「東海道新幹線の当社線路と並行建設について」 近江鉄道株式会社 代表取締役 山本 広治

 近江鉄道は、新幹線建設だけでなく、国鉄による高速バス路線解説についても近江鉄道経営の支障になると申入れていたのである。

 それに対し、国鉄側は

 自動車路線関係のことにつきましては、早速関西支社長へ連絡しておきましたので何卒御了承下されたくお願い申し上げます。

 

昭和36年7月12日付け 近江鉄道株式会社 代表取締役 山本 広治宛て 「東海道新幹線を貴社と並行し建設することについて。」 日本国有鉄道 大阪幹線工事局長 高橋 好郎

 と、何やら低姿勢である。

 そして昭和36年7月17日付けの日本国有鉄道  総裁 十河 信二 及び 新幹線総局長 大石 重成宛ての陳情書「東海道新幹線を当社鉄道線に膚接並行して建設されるに対し御再考方陳情の件」からは、国鉄高速バスについての言及はなくなっている。

 

 大変下種な勘繰りであるが、ここのところのやりとりがあって、近江鉄道に高速バスの路線が免許されたんじゃないかなー等と思ってしまう訳でありまする。根拠はないけど。

 

 「高速バス進化の軌跡: 1億人輸送機関に成長した50年の歴史と今」和佐田貞一 ・著という本が出版されるようだが、この辺の経緯なんかは絶対出ないだろうなあ。

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