松浦 晋也氏「 日本でなぜそんなにモテる? 実は我が国は「モノレール大国」だった」「同じようでも実は違う! 大阪と東京、二都を走るモノレール」について(その1)
日経トレンディネットの「新モビリティビジョン 」という連載(執筆:松浦 晋也氏)に「 日本でなぜそんなにモテる? 実は我が国は「モノレール大国」だった」「同じようでも実は違う! 大阪と東京、二都を走るモノレール」という記事が掲載され、触発されたので、私も松浦氏のモノレールネタに便乗した記事を書いてみたい。
別に松浦氏と何か勝負しようというわけではなく、インスパイヤされて私が書きたいことをただグダグダと書き散らかすだけであるが。
見る通り、この法律は非常にざっくりとしたもので、具体的な施策は行政に委ねられていた。そこで運輸省(当時)は、道路法で道路が「トンネル、橋、渡船施設、道路用エレベーター等道路と一体となつてその効用を全うする施設又は工作物及び道路の附属物で当該道路に附属して設けられているものを含む」と定義されていることを利用して、モノレール線路を下の道路の付属物と見なすようにした。こうすると、道路整備関連の豊富な財源をモノレール建設に振り向けることが可能になる。
「日本でなぜそんなにモテる? 実は我が国は「モノレール大国」だった」松浦 晋也著 から引用
道路法は建設省(当時)所管の法律だし、道路特定財源(当時)は建設省所管の財源だ。運輸省が目を付けたからといって勝手に振り向けられるものなのか?
そこで、「都市モノレールの整備の促進に関する法律」をもう一度よく見てみる。
運輸大臣と建設大臣が連名で署名している。つまり運輸省所管の法律でもあり建設省所管の法律でもある(共管)わけだ。勝手に運輸省が見做すことなどできない、建設省が決めるのだ。ちなみに建設省の中ではどうなるかというと、第3条は「都市計画において定める」とあるので建設省都市局(当時)の所管、第5条は「道路管理者は~」とあるので建設省道路局(当時)の所管となる。
さて、道路財源から支出するとなれば、それは道路側にメリットがなければ、整理がつかないのであるが、モノレールに手を出すことに道路側にとってどういう整理がされて、モノレールに対して道路財源の支出を正当化したのか?
当時の業界誌「道路セミナー」の昭和49年度道路局予算を道路局職員が解説した記事に下記のようなくだりがある。
道路セミナー1973年11月号83頁から引用
つまり、こういうことか。
余談だが、都市モノレールのインフラ部分は斯様に「道路」なので、このような3層構造の「道路」も北九州では見ることができる。
ここも道路だよ メーテル。。。
他方、都市モノレールでは、ぞれ以前のモノレールのような家の真ん中に橋脚を建てることもない。
では、都市局の関与についてはどうなのか?まとめるのが面倒なので、関心がある方は、「都市と交通」にやたらと新交通システムや都市モノレールの記事が載っているのでその辺にお目通しいただきたい。
「運輸省が道路財源に目をつけた」というより、「建設省がこれから伸びると思われるモノレールに権限を確保した」とも読めるのかな?或は両省の思惑が一致したと。
なお、松浦氏が「モノレールと新交通システム、仰ぎ見た未来とやってきた現実」で「良く分からない」とした埼玉のニューシャトルや「間違った未来、新交通システム(その1) 新交通システムは軽便鉄道である」でとりあげた「山万が運営するユーカリが丘線と、西武が運営するレオライナー山口線」は、道路の上を走る「都市モノレール(新交通システム)」ではない。(神戸のポートライナーと大阪南港のニュートラムも港湾区域の上は道路法の道路の上にはないので、軌道法として道路財源でインフラ部を整備するのではなく、鉄道事業法として港湾の金=運輸省の金でインフラ部を整備している。)
ところで、松浦氏は「政府が1972年に都市モノレールの整備の促進に関する法律を制定」と記しているが、厳密にいうとこれは議員立法である。「この法律は非常にざっくりとしたもの」となっている理由もその辺にあるのかもしれない。「都市モノレールは、建設省都市局と道路局がカネも口も出すよ」と言ってるだけの法律だ。
「道路法は田中角栄の議員立法で利権がうんたら」とおっしゃる方がいらっしゃるが、都市モノレールが何故に議員立法になったのか、そこに利権はないのか?(提案議員がナントカ製作所とかナントカ重工から政治献金を貰ったりしていないのか?)とかはお好きな方がどうぞ。え、さっきの法律の画像に「総理大臣 田中角栄」って書いてあるって??うーん。総理なら自分で政府にやらせるわなぁ。。。
(その2)へ続く。
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