【暗渠】玉川上水と新宿駅南口地区の開発について(その3)
【暗渠】玉川上水と新宿駅南口地区の開発について(その2)に続いてその3である。
(その2)は、東口だったので、今度は西口だ。
(その2)で見て分かるように、玉川上水は随分土被りが薄い所を走っている。鉄道もそこをこわごわ縫っていくように走っている。
ところで、西口の小田急はどうなっているのか?こわごわどころか地上と地下の2階建てである。(下記リンクは小田急公式の新宿駅構内図)
http://www.odakyu.jp/station/shinjuku/station_map_3d.html
「交通技術」1960年6月号に「小田急電鉄新宿駅改良工事」という報文が掲載されている。地上のみだった小田急線新宿駅を地上と地下の2階建て構造にするにあたっての事前の計画についての報文である。
そこに
玉川上水路のサイフォン化とある。
縦断図で見ると地下ホームの更に下に玉川上水を潜らせている。
例によってコメントを付けてみる。
平面図で見ると
コメントしてみると
国土地理院の空中写真に被せてみると
(その1)で大活躍した「日本鉄道施設協会誌」2008年1月号「新宿駅南口地区基盤整備事業に伴う玉川上水用地処理」の案内図に被せてみると
この頁最上の絵の正解はこういうことだったのだ。
(ポンプ室は、サイフォンのためのものなのか、地下ホームのためのものなのかは不明)
※「水面を同じ高さに戻すだけなら、ポンプアップは不要ですね(それが逆サイフォンなので…)。」とのご指摘をいただき、修正いたしました。
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ところで玉川上水サイフォンの西側には葵橋跡地がある。
このプレートがあるビルは地上階しかない・・・ということは玉川上水暗渠が支障となって地階が作れないんでしょうかね。
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コメント
水面を同じ高さに戻すだけなら、ポンプアップは不要ですね(それが逆サイフォンなので…)。
投稿: | 2015年11月22日 (日) 11時41分
御意見ありがとうございます。
サイフォンの理屈としては不要だろうなあと思いつつ、絶妙な位置にポンプ室があったので引きずられていました。
都営新宿線と新幹線の位置も間違っているので絵は直します。
投稿: 革洋同 | 2015年11月23日 (月) 13時34分