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2016年1月17日 (日)

熱海(来宮)の新幹線新丹那トンネルのズリ捨て場で西武・堤康次郎がやらかしたこと

 ブラタモリで熱海が登場したと聞いて、さぼっていた熱海ネタを書く。

 以前、新幹線を妨害しようとした?伊豆箱根鉄道下土狩線(未成というか無免許工事線)その2 という記事を書いた。

 その中に、堤康次郎の指示事項と思われるメモで

伊豆箱根鉄道下土狩線文書 (1)

「4.来の宮(旧河川広場)継続使用する。(政令改正が成立したとき随契にする。)」という項目がある。

 説明するのがとても面倒くさいわりにはあまり面白くもなさそうなので先に結論を言っちゃう。

 場所は、多分ここ。

西武と国鉄でひと悶着あった「来宮の新丹那トンネル土捨て場」

 ざっくりした経緯は

・戦前の弾丸列車で新丹那トンネルを掘り始める。

・来宮駅近くにトンネルズリ(残土)の捨て場を作って残土を入れ始める(上記の「河川広場」)。

・戦況が厳しくなり、弾丸列車の工事は中止。ズリ捨て場も土を入れ切る前に放置。

・戦後、駿豆鉄道(伊豆箱根鉄道)が「来宮-十国峠間のケーブルカー」を作るということで国鉄から使用許可を得る。

・東海道新幹線建設開始に伴い、国鉄が伊豆箱根鉄道に返還を要求したところ、伊豆箱根鉄道は静岡地方裁判所の沼津支部に、占有妨害禁止仮処分命令を申請。(ざくっというと裁判所に「この土地を伊豆箱根鉄道が使うことを邪魔しちゃだめだ」(国鉄には使わせるな)という命令を出してもらおうとした。)

・国鉄はトンネル工事をしても残土を捨てられなくて困る。

・ちょうど三島では、伊豆箱根鉄道下土狩線と新幹線のゴタゴタが起っていた。

・伊豆箱根鉄道は大雄山線と新幹線の交差でもゴタゴタを起こしている模様。

・新幹線の送電線が国土計画の土地を通ろうとしてゴタゴタが起している模様。

・その手打ちとして、来宮のトンネルズリ捨て場を伊豆箱根鉄道に随契(随意契約→競争入札ではなく、一社決め打ちで契約すること)で売却したんじゃないかという疑惑が国会で何度も取り上げられる。

 その問題の「来宮のトンネルズリ捨て場」の写真が早大に残されている。

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (12)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (13)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (1)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (11)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (4)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (7)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (10)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (3)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (8)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (9)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (5)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (6)

伊豆箱根鉄道関連来宮の土地 (2)

 下記でいうと西熱海ホテルの西側の土地なんじゃないかと。

伊豆半島ジオパーク推進協議会さんで「熱海市街ぐるぐる三次元地図」という興味深いコンテンツを提供しておられるのであわせて参照していただきたい。

http://izugeopark.org/office/3D/atami/geo_atami.html

 細かい経緯は、例によって国会議事録から引用していく。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/043/0016/04303080016012c.html

第043回国会 運輸委員会 第12号
昭和三十八年三月八日(金曜日)


(略)
○久保委員 資料をいただいてから再び申し上げますが、そのほかにやはり新幹線工事で丹那の隧道のズリ捨て場に使おうとした鉄道用地をあるホテルに払い下げたそうでありますが、事実でありますか。
○大石説明員 丹那の隧道のズリ捨て場を某ホテルに払い下げたという事実はございません。おそらく先生のお話はズリ捨て場の予定地をお話だと思いますが、これは前から西武鉄道に――丹那付近のくぼ地でございますが、ここをケ-ブルカーをつくるということで西武に貸してあったのであります。丹那トンネルの着工前にすでに貸してあったのであります。しかしながら直ちにその工事はやらないで、むしろ私たちといたしましては丹那トンネルのズリを捨てるのに適したくぼ地であるということを見まして、返してほしい、丹那トンネルのズリを捨てる間はこちらへ返せということで、丹那トンネルの着工と同時にそのくぼ地はこちらに返していただきました。そうして工事中そこにズリを捨てて工事を進めたのであります。最近に至りましてその土地を再び貸してくれ、ないし売ってくれというようなお話がございますので、私たちといたしましては、今申し上げましたようにもともと貸してあった土地でございますから、丹那の工事のズリをそこに一ぱい捨ててしまったのでありまして、国鉄といたしましては使用の目的もございませんので、これの適当な値段につきましては国鉄内に土地建物評価委員会というものがございますので、その委員会にかけまして値段をきめていただきまして、そうして運輸大臣の認可が得られましたならば貸す――ということよりも売却をいたしましょうというお話をしておりますので、まだ売却をしたというところまではいっておりませんが、そういうような意思を持っておる次第でございます。
○久保委員 そうしますと、今まだ国鉄の所有地でありますね。賃貸借というか、貸借関係は今あるのですか。
○大石説明員 ただいまは貸借関係もございません。まだ国鉄の用地になっております。
○久保委員 それじゃその以前の貸借関係の書類の写しをいただきたい。以前に貸借関係があったのでしょう。それからいつ返してもらったのですか。
○大石説明員 それは丹那トンネルの着工と同時に返していただきました。
○久保委員 それではその資料を出して下さい。

(略)

 この国会での質疑のあとに上記の堤メモが出ているわけだ。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/043/0016/04303130016014c.html

第043回国会 衆議院運輸委員会 第31号
昭和三十八年六月十一日(火曜日)

    
○木村委員長 これより会議を開きます。
 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 東海道新幹線の工事に関連してまずお尋ねするわけでありますが、先般予算委員会でも若干質問がありましたので、多少重複するところがあるかと思うのでありますが、一応順を追うてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一に伊豆箱根鉄道と新幹線に関係してでありますが、これは伊豆箱根鉄道が昭和三十七年の四月に下土狩線の免許申請を出しておるわけであります。まず第一に、この下土狩線の免許申請に関して運輸省の見解はいかようになっておるか、これをお尋ねしておきたい。
○広瀬説明員 免許申請は名古屋の陸運局に提出されまして、陸運局の手元にしばらくございまして、ごく最近本省に上がってまいりました。ただいま鉄道監督局において審査中でございます。
○久保委員 この会社は、すでに予算委員会でもお話がありましたとおり、免許を待たずして路盤を構築し始めたということでありまして、その中間において警告を発したというのでありますが、よろしくこれは法に照らして処断すべき性質のものではないだろうかと思うのであります。新幹線の妨害であるかどうかは別にして、免許申請中にもかかわらず、工事施行認可も受けずして――もちろん受けませんから。――それを路盤構築を始めたというのでありますから、当然これは法に基づいて処断をなし、その免許申請は却下すべき性質のものではないだろうか、かように思うのですが、いかがですか。
○広瀬説明員 名古屋の陸運局長から文書で工事中止命令を出しまして、これに従いまして会社のほうは工事を中止したということでございます。現在は工事を中止しておるという段階でございます。
(中略)

○中畑説明員 その地点は、先ほども申し上げましたように、会社が工事をいたしましたそれとは関係なく、当初国鉄が計画いたしました工事計画で工事を進めるということで会社に申し出をしてございます。会社のほうもその国鉄の原案で考えてみようという話し合いで、ただいま折衝を進めておる状態でございます。
○久保委員 そうしますと、その路盤についても、将来折衝の過程では、補償なり何なりを要求される見込みはありますか。
○中畑説明員 会社からは格別の要求が工費担当の幹線工事局にただいまのところ出ておりませんので、おそらく話は出ないのではないかというふうに判断しております。
○久保委員 それはたいへんすなおな話です。すなおな話の裏には来宮の鉄道用地の問題がからんでおるそうですが、そうですか。
○中畑説明員 来宮の用地問題は、その件とは全然別個の問題としまして、会社のほうで使いたいという申し出はあります
○久保委員 この来宮のほうはそれじゃ会社の申し出どおり認める方針でございますか。
○中畑説明員 ただいまのところ検討いたしておりまして、まだ結論を得ておりません。
○久保委員 大石政務次官にお尋ねするわけでありますが、この下土狩線と来宮の鉄道用地の問題を相関関係をつけまして、それで下土狩のほうは国鉄の大体要求どおりに折り合おう、しかし来宮のほうは用地は払い下げる、こういう運輸大臣のメモがあるそうでありますが、そのとおりですか。
○大石(武)政府委員 そういう話は聞いておりません。
○久保委員 メモは別として、そういう話を聞いたことはございませんか。
○大石(武)政府委員 そういううわさは聞いたことがございますが、われわれはそういうことは別に考えておりません。
○久保委員 これは中畑さんでは答弁ができないかもしれませんが、来宮の土地は、あなたの御答弁では、いま検討中というか、これはそういうことで伊豆箱根のほうへひとつ払い下げよう、こういう話し合いになっているそうです。そのとおりだと思うのですが、いかがですか。
○中畑説明員 具体的な先生のただいまお尋ねのございました点についての内容は、私、承知いたしておりません。
○久保委員 あなたのところでなければ、それじゃどこですか。そういう問題を扱うのはあなたではないですね、これはもっと上のほうですか。
○中畑説明員 事務上の手続といたしましては、来宮の土地と申しますのは、静岡の幹線工事局と東京鉄道管理局の両局で分けて管理いたしておりますので、もう一度使いたいという話でございますれば、両管理局に手続があるものと考えております。
○久保委員 この土地について、われわれは、現地を調査した際に、ある鉄道関係者からそういう話を伺っているわけです。これは大体そうだろうと思うのです。何か代償がなければすなおにおりるはずはない、この案件に関係している人の人柄を見れば、こういうふうに思うのが大体世間の通り相場になっているのです。そうですよ。しかもこれは、名前を出しては悪いのでありますが、前の常務理事から非公式に、これは払い下げあるいは貸し渡しの考えでおりますというお話を私は聞いた。非公式な話を公式に出しては悪いのですが、いかがですか。
○中畑説明員 ただいまお話の、前常務理事から格別私は話を聞いておりませんので、どんな話がございましたものか、一向に不案内でございます。
○久保委員 これは大石政務次官、あなたにお尋ねするのもちょっとどうかと思うのでありますが、まあ運輸委員会でありますから、やはり根掘り葉掘り聞かぬと、あとで禍根を残すもとだと思うのであります。やはりどうも取引があったように聞いておるのでありますが、運輸省も一枚加わったのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○大石(武)政府委員 これは、私の知っている範囲では、そのようなことはございません。
○久保委員 前の民鉄部長は御退席になったが、国鉄の部長がおられるから、どうですか、あなたは聞いておられますか。
○向井政府委員 存じておりません。
○久保委員 もっとも存じておると言ったらぐあいが悪いでしょうから、しかし実態は、それじゃ国鉄の方針として前どおり再び貸すのか、あるいは譲り渡しをするのか、大体おおよその見当はどうなんです。いかなる点で調査をしておりますか、いかなる点で審議をしているのか、どういう観点から審議しているのかお聞きします。
○中畑説明員 将来伊東線の線路工事などの場合に、その用地がどういうことになるかといったようなことも検討をいたしまして、結論をつけたいと存じております。現在のところは、国鉄としましては、いま申し上げました伊東線の工事関係でどうなるかということの問題を除きましていたしますと、大体不用地であると考えてよろしいと思います。
○久保委員 ちょっと聞き漏らしたのですが、結論的には伊東線の問題があるからそれを中心に検討している、こういうふうにとってよろしいかどうか。そうですな。伊東線の将来についてはどういうことになるのですか。つけかえなり線増なりということは考えられないですね。考えているのですか。
○中畑説明員 直接私の担当でございませんのでお答えいたしかねますが、関東支社で具体的に検討しておると聞いております。
○久保委員 たとえば、伊東線の関係がなければ、これを払い下げるということになりますか。
○中畑説明員 その点はこの間も申し上げましたように、大体不用地ということになっておりますので、よく検討をいたしまして結論を求めるようにしたい、かように考えております。
○久保委員 よくわかりませんな。
 そこでこれは鉄監にお尋ねするのでありますが、来宮-十国峠の、途中の銀山というところまでは、これは鉄道でありますが、その先は索道という話でありますが、これは免許の申請は認可した。工事施行の認可にあたって、何項目か膨大な項目にわたって照会したのだが、いまだに返事がない、こういうことでありますが、こういう鉄道の認可にあたって、長年懸案になっているものがこんなにたくさんあるのですか。この認可は二十一年の九月に申請して、二十五年の二月に免許をしているということになっています。そこで途中いろいろな変更がありまして、三十年の三月に最終的な認可をした、こういうふうに書いてあります。それから三十三年の三月に工事施行認可申請のこれは追加申請が出ております。ところが三十五年の六月に民鉄部長から、二十五項目の照会をしたがいまだに返事がない、こういうふうになっているわけです。これは前の民鉄部長御退席でありますからなんでありますが、これは鉄監局長に、就任早々でたいへんなにでありますが、こういうことがはたして鉄道建設の意欲があるのかどうか、実際言って私は疑わしいのでありますが、当初の計画からいくと、とてもこれじゃ登山鉄道というか、そういうものの基準に合わぬということで突っ返しているのですね。そこで再三持ってきたんだが、最後には二十五項目にわたって質問しているわけですね。ところがいまだに返事がない。これはおそらく何か別な目的があるのではなかろうかと私は思うのであります。しかも今日こういうところから鉄道でやることが必要かどうか。りっぱな道路もできたし、十国峠の観光道路というか、そういうものもできているわけですね。しかも申請してから長年になっているのですね。こういうことを、しかも鉄道用地を借用したのは、その認可申請を出してから、古い昔これは出しているのですね。これははっきり言うと、国鉄もばかだから、これにまんまと貸しているわけですね。それで今度の新線工事になってから返せという。返せと言ったら、立ち入り禁止の仮処分をやってきた。話がついたかどうか知らぬが、二回目の日の前日に取り下げておる。取り下げた裏にはおそらく何かの密約がある。御案内のとおりこの付近は景勝の地であります。熱海の貴重な土地であります。実際鉄道などでやるべき筋合いのものではありません。はっきり言うとホテル街ですよ。こういうものを運輸省も国鉄も知らぬはずはないと思うのです。国鉄もずいぶんばかなことをしたと思うのであります。人に貸すときには十分用心して貸すべきだと思うのです。また財産を有効に使えということで幾たびか国会並びに行政管理庁その他からも注意が出ているわけなんです。しかもこれは使いもしない土地を借りていたのです。いままで一つも使っていない。それを今度返せと言ったら仮処分にしておる。何の意図があるのか。どう思いますか。
○広瀬説明員 免許あるいは工事施行認可申請の経緯は、ただいま先生のおっしゃったとおりでございまして、三十七年の五月に民鉄部長から二十数項目につきまして照会をいたしました。これに対しまして三十七年の九月に回答がございました。なお、いろいろ技術的な問題あるいはただいまおっしゃいましたような客観的な情勢の変化ということもございますので、この点についてただいま検討いたしておるわけでございます。
 なお、先ほどいろいろ許認可関係の事務が遅滞しておるんではないかというお話がございましたが、一般論でございますが、かなり時間のかかっておるものがございますが、鉄監におきましては、事務を促進しまして、従来に比べますとかなりスピードアップしておりますが、こういった問題点は、ぐずぐずしておりますと、いろいろ疑惑という点も生まれてまいりますので、今後さらに一そう事務を促進して、てきぱきと処理をしてまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一点。先ほど政務次官にもお尋ねがございましたが、何か運輸省が一枚加わっておるのではないかというお話でございますが、これは前局長からもそういった点は何も聞いておりませんし、また運輸省の重要な問題につきましては、私官房長として大体のことは承知しておると思いますが、そういった話は現在まで何も出ておりません。
○久保委員 そこで免許をする場合に、工事施行の期限というのが条件としてあるはずだと思うのですが、それはいかがですか。
○広瀬説明員 もちろん一定の期限というものは付しておりますが、従来の例によりますと、いろいろな事情から期限の延伸を願い出ておりまして、やむを得ないというものはこれを認めております。そういう手続をとっておるものだと考えております。
○久保委員 本件はいつまでの期日をつけておるのでしょう。
○広瀬説明員 話は先ほどに戻りますが、工事施工の認可申請に対しまして、認可は出したわけであります。認可を出すにあたりまして、先ほど申しました二十数項目のいろいろ解明しなければいけない項目がございますので、これを照会をして、これについて先ほど申し上げましたように回答があったわけでありまして、工事施行認可の期限という問題は、したがって本件に関しましては一応ないということが言えると思います。
○久保委員 工事施行の期限はない、こういうのでありますが、たとえば免許申請をした場合に、大体何年何月から始まって工事の完成は何年何月までに終わる予定である、こういうものはとらないのですか。
○広瀬説明員 先ほどの私の答弁が少し間違っておりましたが、二十数項目につきまして、まだ完全に回答はきておりません。したがって回答がきてから、いつ着工していつまでに工事を完成しろということを言うわけであります。まだその段階に至っていない、向こうからの回答がまいっておらないというわけであります。
○久保委員 そうしますと、たとえば甲という鉄道事業者がある地点について工事の認可を受けた、しかし、これは実際においてやる能力も何もない、あるいはそういう考えもなくなってきたという場合に、新しい企業家が出てきてこの地点でこれならばできるということがあっても、もう重複いたしますから、免許の認可はしませんね。そうなりますと、単に権利をとるだけでそういう免許申請を出す場合が往々にしてあると思います。たとえば武州鉄道のごときは、これはあとの問題でありますが、これもどうもその後の事情を勘案すれば、土地の値上がりとかそういうものでさや取りをしようというもくろみが多かった。免許だけは受けよう、しかし工事の、いわゆる鉄道を建設するという本命については消極的である、こうなった場合に、この免許申請にあたって考えたところの目的というものは永久に達せられない、こういう矛盾があるわけであります。本件についても、私はどういう項目について照会をしたかわかりませんけれども、できないような目論見書を出し、あるいは工事施行の中身を出して、運輸省からおそらく指摘してくるだろう、これに対しては回答しないでそのままにしておけば、いつまでもこの免許は生きておる、こういうことになるのじゃなかろうか、眼光紙背に徹するような審理が私は必要だと思いますが、いかがですか。
○広瀬説明員 まず一般論を申し上げますが、いわゆる俗にいうつばをつける式の免許申請というものが従来もないわけではございません。私が前に民営鉄道部長をやっておりましたときも、そういった種類のもの、あるいはずっと前に免許をとりまして、まあ当時はやる意思があったのでございますが、いろいろ道路事情その他客観情勢が変わりまして、あまり価値のない、またしたがって免許申請者がこれを真にやるという意思が非常に薄いというようなものもかなりございまして、そういったものは免許を取り下げさせるというようなことでかなり大幅に整理した経験もございますので、本件を含めまして、そういった観点から真にやる意思のあるのかどうか、あるいは客観情勢の変化によって価値があるかどうかというようなことを至急検討いたしまして、極力整理といいますか、事務を促進して、実情に沿うようなかっこうにいたしてまいりたいというふうに考えております。
○久保委員 これは二十五項目ですかの回答を迫ったのでありますが、これは期限を付してありますか。
○広瀬説明員 本件に関しては期限を付しておりません。
○久保委員 これはどうして付さないのでしょうか。これは付さないのが普通だと思いますか。どうして付さないのか、なぜ付さないのか。
○広瀬説明員 一般的に照会をいたした場合には、大体すみやかに回答をもらう、従来もらっておりますので、特に期限を付していないということだと思います。
○久保委員 それじゃこれは条件つき工事施行認可を出したということでございますか。いかがです。条件つきで、二十五項目についての回答あり次第これは認可をした、工専施行認可をした、こういうことになりますか。このことはいかがですか。工事施行の認可はしないのか、したのか、どっちなんです。
○広瀬説明員 先ほどちょっと私が途中で言い直しましたので誤解があると思いますが、工事施行認可は出しておらないのでございます。二十数項目について照会を出して、その上で出そうということで、照会中でございます。
○久保委員 免許にあたっては工事施行の認可は期限を切りますね。そうでしょう。いかがですか。
○広瀬説明員 工事施行認可を出す場合には、免許の場合は期限をつけます。
○久保委員 それじゃその免許をしたときには工事施行の期限は、免許申請の期限はいつまでになっていましたか。
○広瀬説明員 いまちょっとこまかい資料を持っておりませんので、後刻いまの手続関係を全部調べまして御報告をいたします。
○久保委員 いずれにしてもそれは後刻資料をいただきますが、こういう長期にわたって質問を出して回答がないというのは、これは誠意がないということであります。これは地方鉄道法を改正して、そういうものはみんな免許失効という条項に当てはめるべきだと私は思うのです。政務次官、いかがでしょう。
○大石(武)政府委員 あまり法律的な具体的なことはわかりませんが、常識的にはお説のとおりだと思います。
○久保委員 そこで国鉄にまたお尋ねするわけでありますが、国鉄は先ほど言ったように、この当該地を貸すか貸さぬか、いま検討中だというが、私ははっきり申し上げておくが、この鉄道は大体建設する見込みはなさそうです。鉄道建設ならある程度協力してもいいと思うのでありますが、大体地点からいって違う目的に使用する、万が一施行認可もできて工事がやれるという段階になればあらためて考えていいのであって、いま貸すか貸さぬかなんということを考える必要は私はないと思うのだが、いかがでしょう。
○磯崎説明員(日本国有鉄道総裁) 私からお答え申し上げます。
 先ほど先生のお話のように、この土地につきましては多少のいきさつがあったことは事実のようでございます。しかし現在の、今日ただいまの段階で申し上げますと、私のほうから昭和三十三年十二月に使用承認を取り消すという通知、これは三十四年二月一日から使用承認を取り消すという通知を出しまして、それに対して会社のほうから延長願いが出ております。その延長願いに対してさらに三十四年三月に否認の通知を出しております。したがいまして、いまの時点におきましては、あの土地につきましては、全く会社の使用権なり一切の法律的な権限がないというふうに見ていいと思います。現在手元にあります資料によりますとそういうふうになっております。したがいまして、現在全くあの土地につきましては白紙であると申せると思います。今後工事が進みまして、あの土地が、一応新丹那トンネルのズリ捨て場として使った相当な場所、――約一万平米近い相当広い土地でございます。ズリを捨てましたので、いままでのくぼ地が相当平地になっているようで、土地の価値も相当変わっているのじゃないかというふうに考えます。一方、先ほどの御質問にありましたように、新幹線ができますと伊東線の問題はどうしても新しい問題として私ども考え直さなければなりません。現在の単線ことに熱海と来宮の間を現在線と併用して運転していくということは、将来の伊豆地方の開発にとりまして非常に輸送上大きな問題になりますので、この伊東線の複線化と申しますか、伊東線の改良は相当新幹線完成後の大きな問題として考えなければいけないというふうに考えられます。そういった諸般の事情を考えますと、たまたま法律的に現在用地が白紙であるということと、それから将来国鉄自体としてその土地を一部でもあるいは半分でも全部でも使う可能性が皆無ではないという問題等をいろいろ考えますと、一応いままでの多少のいきさつがあったにいたしましても、この際純粋な法律的な立場からこの問題を白紙に返しまして、新しい目でもって再検討する必要があるのじゃないかというふうに考えます。
 ただ、非常にこれは法律的にむずかしい問題でございまして、いまの運輸省のお話の免許があるかないかという問題、それから、これはちょっと私がいま考えた問題だけでございますが、会社側が免許を受ける期待権というようなものがはたしてあるのかどうか、すなわち国鉄の土地を借りた上で鉄道を敷設するという認可申請になっておるわけでありますが、その借りるつもりの土地が借りられなかったということは、はたして会社側が持っている免許を受ける期待権を侵害するかどうか、私どもといたしますと、十分そういう点を検討いたしませんと、いますぐにここでどうこう申し上げられませんが、ただいま手元にございます資料から申しますと、あの土地は現在法律的に全く白紙の問題である、全く国鉄が一〇〇%所有権、使用権を持っておる土地であります。それから、先ほど申しましたように、将来の伊豆の開発と関連して、どうしても伊東線の問題をこの際考え直す必要があると思うのであります。それから土地の価値が、先生も御指摘のとおり、非常に変わってきておると思うのであります。こういった問題等をすべて勘案いたしました上で、運輸省御当局の新しい鉄道敷設に対する御方針等も承りまして、十分法律的に間違いのないような処置を講じたい、講ずべきであるというふうに考えております。
○久保委員 そこで運輸省にもう一ぺんお尋ねするのですが、当該鉄道の建設について、工事施行認可にあたって二十五項目の回答を求めているわけなんですね。その回答の中には、国鉄の所有地が使用できるかどうか、そういう問題についての回答を迫っておりますか。
○広瀬説明員 ただいま手元に資料を持っておりませんので、二十数項目の内容を明らかにしておりませんが、工事施行認可に関連して質問を出しておるわけでございますから、当然経過地あるいはどの土地を具体的に使うかというようなことも聞いておるかと存じますが、これはなお調べまして後ほど御報告いたします。
○久保委員 それは鉄監局長がおっしゃるように、どういう土地を通るかというような、そんなことじゃないと思うのです。工事施行認可にあたっての質問は、いわゆる技術的な問題、特にそういう問題が多いのではないかと思うのです。私が聞きたいのは、国鉄の土地が使用できる見込みがあるのかないのかという質問をその中に出しているかどうかです。これは国鉄部長、わかりませんか。
○向井政府委員 二十五項目の質問書の内容を承知しておりませんので…。
○久保委員 いや全部でなくて、ぼくが質問する点……。
○向井政府委員 まだ質問書そのものを私は検討しておりませんで、調べればすぐわかりますから、御報告いたしたいと思います。
○久保委員 ちょっと質問中に電話で聞いてください。――そこで副総裁から、全く国鉄のものであって他人の容喙を一切許さぬ土地であるということだが、そのとおりだと私は思います。そこで中畑局長は先ほど、払い下げるかどうかについても伊東線の問題とからんで検討中だというのですが、その検討の必要はないと私は言うのです。ところが副総裁の答弁とあなたの答弁は若干違います。いまさら何も、鉄道建設に対して国鉄の所有地について従来どおりこの会社に貸すか払い下げるかなんというそういうものを頭に置いて、伊東線のつけかえなり線増というか、そういうものを検討していくというのは、それは全く誤りであります。私はおかしいと思う。いかがでしょう、必要ないじゃないですか。
○磯崎説明員 先ほど中畑総務局長から御答弁いたしましたのは、中畑総務局長はいままでずっとこの問題に関係いたしておりましたので、いろいろ過去のいきさつが頭にあったために、そういう御答弁を申し上げたと思うのですが、その点私がただいま御答弁いたしましたとおりというふうに御了承願いたいと思います。
○久保委員 そういたしますと、当該土地については一切もう考えておらぬ、こういうふうに了解してよろしいですね。だめを押しますが……。
○磯崎説明員 ただいま手元にございますいろいろな資料を見ますと、法律的に全く白紙の事態に戻つているというふうに私は了解いたしております。裁判上いろいろのいきさつなどもございまして、私の答弁に間違いないと思いますが、もう一ぺん法律的に検討いたしました上で御返事いたしませんと、またいろいろ問題を起こしますので、私のいまの認識では完全に一〇〇%国鉄の所有権の昔に返っているというふうに了承いたしておるのですが、さらに法律的にもう一ぺん検討さしていただきたい、こういうふうに考えております。
○久保委員 政務次官、私が申し上げるとおりだと思うのです。運輸省としてもそうだと思うのですが、いかがでしょう。国鉄は来宮のズリ捨て場をこの会社に貸すかどうかという観点から検討する必要は今日の段階では何もない、毛頭ない、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。
○大石(武)政府委員 全くそのとおりでございます。

(略)

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/046/0106/04604140106018a.html

第046回国会 決算委員会 第18号
昭和三十九年四月十四日(火曜日)
 
○押谷委員 (略)
 新幹線の送電線の問題について、箱根の地区で国土計画興業株式会社の所有地を送電線が通過をしたということがあると思うのですが、この箱根の国土計画興業株式会社――なかなか名前がでかい名前なんですが、この会社所有地の箱根で送電線の塔を建ててやったのですが、これはスムーズにできておりますか、あるいは工事に非常にお困りのようなことがなかったですか、一応お伺いします。
○石原説明員(日本国有鉄道常務理事 お答えいたします。  これもうまくいきましたほうでございまして、だいぶん支障はございましたのですが、折衝の結果承諾を得まして現在工事を進めております。このいきさつを申しますと、これも御承知と思いますが、新幹線は六十サイクルの交流を使いますので、富士川から東のほうは五十サイクルの電源しかございませんので、買電をいたしまして、これを六十サイクルに直しました高圧線を一本通さなければ新幹線が運転できないというはめになっております。それで富士川から東京の近くまで高圧線をずっと引いてまいります途中で、どうしても国土計画興業の敷地を通さなければならないという事態になりまして、これも折衝いたしましたがなかなか話に乗りませんで、長い間かかりましてやっと案をまとめたのでございますが、一応の案を電気工事関係の局長と国土計画興業とできめましたあとで、西武鉄道系からこの線は観光開発上障害があるから三年間だけただで貸す、けれども三年以上の契約はしないという申し入れが昨年の十月にございました。それで直ちに理事会にはかりまして、こういう重要な東海道新幹線の電源を運んでくるものに対して、しかもこれは二年越しで折衝してきめたルートに対して、三年の期限のついた契約というようなことには応じられないし、それからただで貸すと言われてもこれはただでは借りられない。これは土地自身といたしましては、電柱を建てるのが十一基だったと記憶しておりますが、十一基の電柱の基礎とそれから線下補償の問題だけでございますけれども、三年後にどうなるかわからぬというようなことでは応じられないということで強硬に西武系と折衝いたしまして、直ちにこれも事業認定を受けることにいたしまして、一方において収用法発動の手続をいたしまして期限を切って折衝いたしました結果、起工承諾を受けまして工事に着工いたしました。現在はもうほとんど完成いたしております。ただしまだ正式の契約は――このときは覚え書きをかわしまして、将来観光開発上必要があった場合は、そのルートを別のルートに変えることの交渉に国鉄は応ずるという覚え書きをかわしまして、着工いたしまして、すでに工事はほとんど完了いたしております。
○押谷委員 この工事に関してルートの変更をしたことはありませんか。
○石原説明員 これは何べんもいろいろなルートで変更をいたしまして、初めからでありますと、ずいぶん何べんも変更をいたしました。それで最後的にやっと落ちついたのが昨年の十一月だったと記憶いたしております。
○押谷委員 まあ国鉄の新幹線の工事なり運営に協力をしようとする人の態度としては、この送電線の塔をつくり、送電線を通すということについて、いろいろルートに注文をつけるまではよろしいけれども、三年間という期限をつけること自体がこれは無理で、国鉄の強腰の態度でもって、ついにここも大体目的を達成せられたことは喜びにたえませんが、しかしこういうことの折衝にあたって、何かほかに条件でもつけて、こうしてくれればまた便宜をはかるとかなんとかいうような、たとえば熱海の丹那トンネルのズリ捨て場がある、ああいうものを貸すとか貸さぬとかいうような条件でもついているのじゃありませんか。
○石原説明員 これは折衝の過程において、そういうものを条件として出してきた時期がございますが、それを条件として妥結したというわけではありません。ただし、これは高架鉄道の鉄道敷にこちらに貸してくれという問題が将来の問題として残ってくると思いますが、そうなりますればこれはその場合で考えなければならぬ問題かと思いますが、条件ということにはちょっとなっておりません。
○勝澤委員長代理 いまの西熱海の問題で関連をして御質問申し上げますが、条件にはなっていないけれども、その出されてきた条件については将来国鉄としては検討しなければならぬようなことになっているのですか、どうですか。
○石原説明員 ちょっと前の答弁を修正いたします。
 御質問のありましたズリ捨て場の梅園の用地でございますが、これは「梅園附近の国鉄用地を伊東線の線増その他国鉄の事業に支障がない範囲において、地方鉄道法に規定する地方鉄道の用に供するための線路敷として、運輸大臣の許可を得た後売却するものとする。」という約束になっております。
○押谷委員 まあ、むずかしい文章を並べてのいまの御答弁でありますが、ここにもやはりごね得の一つのあらわれがあるのじゃないかと思うのです。そのズリ捨て場というのは梅園ですか、相当問題のあるところでありまして、これを政府の関係で使うか使わぬかということは問題なんです。相当の大きな利益があるのです。その利益を提供することが、一つの送電線の、架線の通過、鉄道の建設に条件を付せられたようになると、やはり一つの妥協にあたってのごね得があらわれているような感じがいたしますが、そういうことのないように、国鉄の財産を国鉄の利益のためにはあくまでも確保する、一部の権力者のごね得は許さないというき然たる態度をもって臨んでもらいたいと思います。これはまだ未定の問題で、これからの問題にかかっておりますが、そこを私鉄の認可を得、私鉄の用に供するという条件はありますけれども、そういうことで、他にまた適当な口実等を設けて観光用ホテルの施設に使うとかあるいはケーブルカーの建設に使うとか、何かそういうことでどんどん使う道を考えるかもしれない。そうなると、架線を、送電線を通すという条件に大きな利益を与えたということになりますと、やはりゴネ得ということが考えられる。その点は特に御注意を願いたいということを希望いたしておきます。(略)


○廣瀬政府委員 先ほどお尋ねがございました国鉄から伊豆箱根鉄道に買収の申し込みをいたしましたのが、三十七年の三月三十日、伊豆箱根鉄道から名古屋の陸運局へ鉄道敷設免許申請がありましたのが、三十七年四月二十五日でございます。
勝澤委員 あまり時間がありませんから、なるべく簡単にお伺いいたしますので、答弁のほうも簡単にお願いしたいと存じます。
 最初に、先ほど押谷委員が箱根の送電線の関係で、この送電線と西熱海ホテルですか、この用地とが条件になっていないのかどうか、こういう質問があったわけであります。資料をいまいただいたのを読んでみますと、国鉄のほうが熱海の梅園付近の用地を貸してやる、そのかわり送電線やら、あるいはまた大雄山線の、この辺の線路を通ることについて了解する、こういうように書面がなっておりますが、この書面どおりなんでしょうか
石原説明員 さいぜんの答弁、ちょっと勘違いいたしましたので、訂正いたしたいと思いますが、昨年の二月に、新幹線その他の整備に関係いたします諸問題と、それから梅園の土地の貸し付け等につきまして覚え書きをかわしております。この梅園の土地のいきさつを申し上げますと、駿豆鉄道と申しました時分に、昭和二十七年八月に、来宮から十国峠に至ります鋼索鉄道を敷設するという認可を、当時の駿豆鉄道、いまの伊豆箱根鉄道がとりまして、それに伴って用地を、この場合は借りるのでございますが、貸してくれということで、よろしいという返事をいたしたのでございます。ところが、その後になりまして一向に施工をいたしませんでしたので、これは新幹線のズリ捨てをするのにその土地を使う以外に方法がありませんので、またそのときにはそのズリ捨てに使うぞという条件がつけてございましたので、三十三年の十二月になりまして、東鉄局長から、使用最中の国鉄用地は三十四年度から国鉄が工事を再開する新丹那トンネルのズリ捨てに使うから、三十四年一月三十日限り使用承認を取り消すという通告をいたしました。それに対しまして、伊豆箱根鉄道から抗議を申し込んでまいりまして、ついに三十四年八月に、静岡地方裁判所の沼津支部に、占有妨害禁止仮処分命令の申請というのを伊豆箱根鉄道でいたしましたが、続いて十月十日にはその仮処分申請を取り下げております。そういったようないきさつになっておりまして、伊豆箱根といたしましては、この工事の着工が非常におくれておりましたが、もし工事認可を受けて着工する場合には再びこれを貸してくれというのが向こうの言い分でございます。これに対しましては、その前に過去いきさつがあるというばかりではございませんで、もし、ルート認可も得ますし、工事の認可も運輸大臣から得られました暁におきましては、ほかにルートがおそらくとりにくいと思いますので、その場合にはこれは協議に応じなければならないかと思います。これはあまり利権とか非常な利益とかいう問題ではありませんで、当然それに見合うだけの正当な時価で土地を売り払うということになりますので、特別の利権を与えたとか特別の利益をあらかじめ約束したとかいうことにはなるまいかと思います。
勝澤委員 伊豆箱根鉄道はそこに何をつくろうとしているのですか。
石原説明員 お答えいたします。
 これは、昭和二十七年に届け出ましたときには、熱海市来宮――十国峠間の鋼索鉄道敷設ということで認可を求めております。その後、この鋼索鉄道が非常に急勾配なので、その認可についても運輸省で疑義を持っておられたような話も聞いておりますが、いずれにいたしましても着工が非常におくれておりましたので、いまのような取り消しというところまでまいったわけでございますが、何でもいま聞いておりますのでは、従来の鋼索鉄道と設計を変えまして、新しい方式の登山鉄道で認可を求めるつもりだというようなことを聞いております。
勝澤委員 そうすると、これはあくまで鋼索鉄道なりその鉄道に関係があることをやるのですか。
石原説明員 当然さように了解しております。鉄道に使う用地だけを売り払うということに考えております。
勝澤委員 相手は国鉄よりも、極端に言いますと、一枚上手の人物ですから、何をやらすかわからないと思うのですよ。この文書を見てみますと、これはあとでたいへん問題になると思うのです。ここ二、三年あるいは四、五年、これを見ますと、二十七年からの問題ですから、問題になると思うのです。ですから、これはやはりもう少しいまの段階できっちり詰めた意見にしておいていただきたいと私は思うのです。そうしないと、運輸大臣の許可があったら、必ずこれは売却するものとする、売り払う、売ったということになっているわけですから、許可があって売り払った、その売り払ったあとどうするかというのは、これまた問題なんです。ですから、これはやはり使用目的にきっちりついた、かりに売らんとするならば、それが実行されない場合には、また取り立てができるようなしかたをしておいてもらわないといけないと思うのですが、そこまでお考えになっておるでしょうね。
石原説明員 これは私が締結した条文ではございませんが、これは私取りかわした文面をその後見まして、大体抜けがないのではないかと実は思っております。それがいかに老獪に解釈されましても、大体だいじょうぶだろうと思うのでございますが、それは「甲は、乙に対し熱海市梅園附近の国鉄用地を伊東線の線増その他国鉄の事業に支障がない範囲において、」ということが一つの条件、「地方鉄道法に規定する地方鉄道の用に供するための線路敷として、」というのが一つでございます。それから「運輸大臣の許可を得た後売却する」こういう条件になっております。線路敷に、カッコで条件がついておりまして、「最小限度の附帯施設を含む。」となっております。したがって、これはほかのものにはこちらは売らない。運輸大臣の許可を得た後に、地方鉄道法に規定する地方鉄道の用に供するための線路敷(最小限度の附帯施設を含む。)としてだけ売るのだ。こういう相当厳密な条件がつきまして、さらに伊東線の線増その他国鉄の事業に支障がないという条件をもう一つつけております。いかに老獪にかかってきましても、これで大体抜けが――そうやられることもないのじゃないかと思います。
勝澤委員 それは「運輸大臣の許可を得た後」となっておる。運輸大臣の許可とはいつの時点かということです。
石原説明員 これは工事認可の許可を得たということだと思います。
勝澤委員 工事認可を得なくとも工事を行なったことの経験のある会社なんですね。ですから、法律がどうあろうと、こうあろうと、とにかくやって、負けたら裁判を下げればいい。元っ子だ。かかった分は国鉄が補償してくれる――補償したかどうかよくわかりませんけれども。ですから、ここで運輸大臣の許可を得た、運輸大臣が許可をした、実際には工事認可の許可を得たけれども工事が行なわれなかった、行なわれなかった場合においては当然これは国鉄が買い戻すのだ、その辺ははっきりしたことをしておいていただきたい。これはかつて国有財産の処理で大蔵省にあった例ですから。売った、一週間たって転売された、買い戻しができないという例が現実にいま起きているわけですから、ひとつ国鉄の参考のために。それくらいでこの問題は終わっておきます。
 次に、ただし来宮構内について貸し付けるものはそのままだ。来宮構内では何を貸し付けておるのですか
石原説明員 これは、この前の計画でございますと、向こうの鋼索鉄道の終端の停車場を駅の前につくるようなことになっておりました。この場合にはこちらの鉄道の将来の計画とも関連いたしますので、売却をしないで貸し付けだけをするという契約になっております。
 なお、一言申し落としましたが、国鉄の用地を売却いたします場合には運輸大臣の認可を受けることになっております。したがいまして、工事施行の認可が運輸大臣から向こうにおりまして、こちらが売却の価格その他全部交渉が済みますれば、運輸大臣の認可を得て売却するということになります。
勝澤委員 そこで、次に、別紙二の覚え書きというのがありますね。別紙二の覚え書きの中で見ますと、先ほども言っておりました「将来乙の観光開発計画の実施に伴い乙の要請により前項の施設の変更を必要とする場合は、友好的に両者、誠意をもって協議する。」これはこの一札が入っておるわけですね。しかし、これを別紙一の二月の四日に結んだ覚え書きにつけ加えて八月の二十九日に結ばざるを得なくなったということは、どういうわけですか。二月の四日の覚え書きで明確になっているわけですから、その明確になっているのへ八月の二十九日にプラスアルファをして、あなたのほうで、必要なときには相談に乗りますよ、相談に乗りますよと言っておりながら第一の覚え書き、これでは梅園付近の問題がひっかかるじゃありませんか。これは両方とも、また片一方でおどかされてまた今度はこっちのほうを譲るということになるじゃありませんか。そこはいかがですか。
石原説明員 お答えいたします。これはさいぜんもちょっと申しましたように、あそこは観光開発の計画を持っております。これは事実持っておりまして、すでにゴルフ場だとか、ヘルスセンターみたいなものをつくっております。そういったような場合に、景色をじゃまをしたとした場合にはルートの変更をすることについて協議に乗ってくれという申し出がございましたのです。さいぜん申しましたように、それは三年間の期限につきであるというようなことは、こちらがけとばしましたのですが、そういう期限なしに、一応つくったからには将来こっちは絶対にルート変更には応じないということではないのだということでございまして、この程度のことは向こうの希望を入れておいても、送電が途中で中断するという問題もございませんし、それから経費の問題につきましては当然原因者負担になるものと考えます。そういったような点がございますので、これはこちらが一度引いた送電線は、幾ら国土計画のほうで言ってきても絶対に変えてやらないといったような意地悪はしないということになりますので、こちらといたしまして格別将来の大きな負担になる問題ではございませんので、向こうの希望どおりに覚え書きをかわしまして、着工いたしたわけであります。
勝澤委員 そこで乙の要請があった場合においては友好的に誠意を持って相談に乗らにゃいかぬ。相談に乗った結果、移転をするということになったら、原因者負担だから、この国土計画興業株式会社ですか、ここが負担をするのだということが、国鉄の態度ではっきりいたしました。はっきりしたけれども、友好的に誠意を持って協議するということは、ただ単なる期待だけであるということになると思うのです。期待権だけを持たしたために三億の補償をしたという例があるのです。これは一つ申し上げますと、電源開発株式会社が奈良県にダムをつくるときに、この道をつくりますという約束をしたわけです。そうしたら電源開発株式会社で計画が変更になったわけです。計画が変更になって、こっちへ行くからこの道路はつくらなくてもいいということになったわけです。しかしこの道路をつくるという約束をしたから、この道路をつくる補償をせよと言われて、三億円電源開発株式会社が奈良県に払って、奈良県は三億一般財源に入れた例があるのです。これは会計検査院の報告書に載っておるのです。あるいは国鉄も例があるのです。何も影響のないところに景色補償をしたという近江鉄道の例です。近江鉄道という会社と、このいまあなたがやっておる送電線の会社との関係は同じじゃないでしょうか。同じだとするならば、いまあったことがまた将来ないとはいえないと思うのですが、その点をもう少し明確にしておいていただきたい。
石原説明員 お話のございましたように、近江鉄道は西武系の会社でございまして、近江鉄道に関する交渉は全部主として西武鉄道の社長がいたしております。したがいまして、これも全く同じ系統でございます。しかし少し違いますのは、国鉄が違っておりまして、今後はこれはあくまで相互に誠意をもって友好的に交渉するのでございまして、先方が友好的、好意的でございませんければ、こちらとしては決して友好的、好意的にやるつもりはございませんし、今後はさような言いがかりにつきましては、少なくともこの問題なんかにつきましては、こちらは近江鉄道の二の舞いをするようなことはいたしません。
勝澤委員 近江鉄道と伊豆箱根、それから国土計画興業株式会社というものは、同じ立場にある人であるということが明確になりました。(略)

H.FUK 様の「西武グループの歴史 History of Seibu Group」を参考にさせていただきました。ありがとうございました。

http://web2.nazca.co.jp/dfg236rt/page083.html

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コメント

近江だけでなく いろんなところで 
「じぇーえぬあーる」を食い物にしたんですねぇ ( ゚д゚)ポカーン

山陽新幹線は トンネルを掘りまくって その残土は・・・
あっ 「堤防」に転用したかも coldsweats01

投稿: イワノブッチ | 2016年1月20日 (水) 21時28分

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