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2016年9月28日 (水)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (8)

佐藤 後でまた全体についてお聞きしますが、さっき見てきました朝日ビルに話を移したいと思います。これは朝日新聞社の社屋の4〜5階部分の一部を高速道路が通過しているわけですが、どういう経過でこういうことになったのでしょうか。

小葉竹 阪神高速道路の供用の最初の頃でして、当時は出入橋〜湊町間の部分供用の時期で昭和39年11月ですね。立地条件の制約があり、朝日新聞社ビルの敷地をうまく使わせてもらわないと道路の線形を描くことができなかったという事情がございました。昭和39年でしたから道路法は道路の路下の占用すらも、当時は高架下の利用も街並みの全体の景観を保持する趣旨から非常に厳しく制限されており、当然上空部についても使用制限されていました。そういった中で実際に線型ルートがその敷地を通らないと都市計画できないという事情があり、地権者にも協力いただいて、一体構造で出来上がったということです。

佐藤 高速道路を通そうと思って、その予定地で買収がうまくいかないという場合、収用によって収得するといった方法もあるわけですが、本件は地権者との妥協の産物ということになるのですか。

小葉竹 うまく協力が得られたということです。私どもの高速道路に対してもご理解いただかないとうまくいきませんので、そういった産物であると言っていいんじゃないでしょうか。

小川 法的には区分地上権が設定されているんですか。土地は朝日新聞社のものですか。

岡山 この土地はもともと大阪市の所有地で、朝日新聞社が狭いからビルを立てたいと、その土地を売って下さいと大阪市に、言ったわけです。大阪市も利用計画がない土地なので朝日さんに売ります、ただし先程小葉竹課長が言いましたようにそこは阪神高速のルートを入れなければ駄目だという事情があり、ビルを立てるときに高速道路を入れるのが条件だと、そういう条件付きの土地を朝日新聞社が買ったその条件によって朝日新聞社は道路部分を空け、うちは無償で通ったということなんです。

木内 そのときにはもう都市計画決定はされていたんですか。

岡山 都市計画決定まではいってないんですが、基本計画の指示というものがあり、建設省の方でここにルートを造りますよと、最初に阪神高速の道路網をこうやりますよと、こういうものがあるわけですね。都市計画決定があり、建設省から基本計画の指示を受け阪神高速道路になっていくんですが、そこまではいっていなかったんだと思います。

佐藤 朝日新聞社と阪神高速の権利関係はどうなっているんですか。高速の方は区分地上権ですか。

岡山 何もないんです

小川 払い下げの条件として4〜5階部分の使用は制限されますよという条件付きで売られているんですね

佐藤 登記上何もない

岡山 ないんです。

小川 当然払い下げ価格もその部分が使えないということを考慮された上で出されているわけですね。

岡山 そういうことです。

加藤 その分が安くなっているんですね。

小川 完全な所有権ではないということですね。

佐藤 朝日新聞社の土地は登記簿で見ると完全な所有権を所有しているように見えることになるわけですね。契約書はあるんですか。

岡山 大阪市と朝日新聞の契約に基づいて阪神高速がそこに入っているということです。阪神高速が入るにあたり柱の補強を行い、補強費はうちから出したということです。

 通常、何らかの物を土地に設置する際には所有権が基本で、そうでなくとも区分地上権なり借地権なりの物権的な権利を土地に設定して登記するのであるが、ここではそのような権利設定はなく、阪神高速が通る前に、大阪市と朝日新聞社が土地の売買をする際に付した条件という債権のみに依って阪神高速が無償使用しているという珍しい事例である。第三者への対抗力を有しないことになる。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (9)

佐藤 あの道路もビルには荷がかかっていないのですか。

岡山 補強した柱に荷がかかっています。

佐藤 それはビルの中に柱が入っているわけですか

岡山 そういうことです。ふつう柱は何センチか知りませんが、それをうんと太くして、これが高速道路を支えているんです

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (7)

 また、船場センタービルでは、道路法の占用許可をしているが、朝日新聞社ビルは占用許可をしていないというのである。

佐藤 ビルの一角にもなっているということですか。これは権利関係で問題はないんですかね、公的なものだからいいようなものの。

岡山 いや、建物ができますと、道路の上を使うにしても下を使うにしても建物は占用しかないんですね。道路の供用時に、占用許可申請を出しなさいと朝日新聞社に言いにいったんです。「阿呆か!」と怒られましてね、(笑い)「おまえのところに使わせてやってんのに占用許可申請を出せとは何ごとか」とこっびどく叱られ、そのままになっています。占用許可も何もなし、うちの権利が分からんのに相手に占用許可を出せとは言えません。

佐藤 道路用地そのものには賃料も買収費も何もかけていないということですか。

岡山 何もかけておりません。

小川 所有形態として、もともと朝日新聞社が持っておられた土地へ高速道路を貫くというのであれば区分地上権の対価が当然必要になってくるんでしょうがね。

佐藤 だけど大阪市はその分を負担したことになりますかね。大阪市は朝日新聞社と、阪神高速道路を前提として、その部分を除いたところを利用するなら売ってやるといったときに値は安くなっているわけでしょうね。その部分は結局大阪市が自分の所有地を通さすために若干犠牲を払って、値段を安くして、利用制限のある土地を朝日新聞に譲ったことになり、おかげで阪神高速はただで通れることができたと、言うことになりますね。

岡山 その通りですが、あそこに取付けるカープ、Sカーブといいまして、あの工事がものすごく難しいんですよ。朝日新聞社のビルが立っており空間がありますね。そこに道路をスポッと入れなければならない。しかも道路が斜めにカーブしているので、Sにしないと取付かない。用地費はかかっておりませんが、工事費の方がだいぶかかっております。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (1)

 Sカーブ

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (2)

佐藤 道路の下は何階あるんですか。地上3階ですか。

小葉竹 道路はビル本体の西側ビルの4〜5階を通っています。

佐藤 そうするとその下に3階部分があるんですね。4〜5階の部分が体育館ですか。

岡山 ビル自身は地上9階の地下5階です。

佐藤 ビルの本体が高いんですね。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (10)

改訂版 立体道路事例集」から引用

 朝日新聞社ビルの改築に伴い、道路の上にあった「体育館」は撤去されたようだ。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (4)

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (5)

 ↑体育館撤去前

 ↓体育館撤去後

阪神高速と朝日新聞社ビル

(参考)

https://www.facebook.com/yoshikazu.takahashi.526/posts/589016181220715

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(1)イントロ

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(2)船場センタービル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(4)梅田出口

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(5)OCAT(大阪シティエアターミナル)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(6)りんくうタウン

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(番外編)ホテルきららリゾート関空

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