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2017年6月25日 (日)

電柱への無断架線でゆうせんの宇野社長は逮捕されたが、関西電力、中国電力、九州電力の社長は逮捕されないのか?

 電力会社が、道路法上の手続きを経ずに無許可で電線を張っている事例が続々と明らかになっている。

中電が道路占用許可得ず電線設置 管内に7万5千カ所

 

   中国電力(広島市中区)は31日、道路法が定める自治体の道路占用許可を得ないまま、他の事業者の電柱を借りて設けた電線が、管内に約7万5千カ所あると発表した。未払いの道路占用料は推計で年間約3800万円で、同社は「許可申請や支払いについて各自治体と相談し、適切に対応したい」としている。

 同社によると、岡山、広島県など管内で利用している道路上の電柱は自設が約56万本、他社の設置が約15万5千本あり、このうち自設電柱は電線設置と合わせて道路占用許可を申請しているという。しかし、他社電柱のうち電線について申請の記録が残っているのは約8万本だけだった。

 昨年4月に島根県から指摘を受けて調査し、申請漏れが判明した。同社は今後2カ月程度で現地調査を終え、必要な申請手続きなどを行う方針。

 同社は「電線設置に道路占用許可が必要との認識を徹底できていなかった。記録がないため、いつから許可を得ていないのか特定できず、今後支払うことになる道路占用料の総額は現時点では不明」と説明している。

(2017年05月31日 21時29分 更新)

http://www.sanyonews.jp/article/540111

https://megalodon.jp/2017-0612-0010-47/www.sanyonews.jp/article/540111

・中国電力記者発表資料

道路占用許可申請(共架電線類)の適正化に向けた対応について 平成29年05月31日

http://www.energia.co.jp/press/2017/10474.html

道路占用許可申請(共架電線類)の適正化に向けた対応計画

http://www.energia.co.jp/assets/press/2017/p170531-1a_1.pdf

https://megalodon.jp/2017-0612-0013-14/www.energia.co.jp/assets/press/2017/p170531-1a_1.pdf

 

 これはどういうことかというと

道路法

 (道路の占用の許可)

第32条  道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。

一  電柱、電線、変圧塔、郵便差出箱、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物

(以下略)

 道路上(上空、地下も含む)に電柱、電線を設置する場合には、その道路を管理する者(県道なら県、市道なら市といった感じで)の許可を事前に得る必要がある。

 その許可手続きを行うことなく、電力会社が電線を設置していたのだ。

道路法

 (占用料の徴収)

第39条  道路管理者は、道路の占用につき占用料を徴収することができる。ただし、道路の占用が国の行う事業及び地方公共団体の行う事業で地方財政法 (略)第6条に規定する公営企業以外のものに係る場合においては、この限りでない。

2  前項の規定による占用料の額及び徴収方法は、道路管理者である地方公共団体の条例(指定区間内の国道にあつては、政令)で定める。但し、条例で定める場合においては、第35条に規定する事業及び全国にわたる事業で政令で定めるものに係るものについては、政令で定める基準の範囲をこえてはならない。

 そして、規定の占用料を支払う必要があるのだが、電力会社は許可手続きをとっていないので、本来払うべき占用料を支払わずにいたのである。

 この後、続々と類似の例が発覚している。

 

九電が電線無許可設置 県内9500カ所 占用申請怠る

2017年06月04日 07時57分

 九州電力(福岡市、瓜生道明社長)が佐賀県内の約9500カ所の電線を無許可で設置していたことが3日、分かった。地方道の上に電線を架ける場合、自治体の道路占用許可が必要で、九電は3月までに佐賀県と20市町に占用料計3500万円を支払った。

 九電は2015年3月、佐賀県から指摘を受けて調査を実施。申請漏れがあったのは通信会社など他の業者が設けた電柱に架けた電線で、「2次占用」の許可申請が必要だったという。九電の広報担当者は「認識不足による手続きミス。再発防止に向けて意識を高めていく」と語った。国道では同様のミスは無かった。

(以下略)

 

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/435002

https://megalodon.jp/2017-0611-2315-09/www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/435002

 中国電力では、昨年島根県から指摘されたことを踏まえ公表したようだが、九州電力は一昨年佐賀県で指摘されていたが、中国電力が5月31日に公表するまでは黙っていたわけだ。そして大分県に対しては佐賀県分を公表したのちにお詫び行脚に入ったという。

九電が県内1万7千か所で無許可電線設置(6/5(月) 20:03)

九州電力が自治体の道路占用許可を得ずに、県内およそ1万7千か所で電線を設置していたことがわかりました。九州電力大分支店によりますと許可を得ないまま電線を設置していたのは県内でおよそ1万7千か所です。他社の電柱を利用して電線を設置する場合、自治体への申請と占用料が必要で、担当者の認識不足で手続きを怠っていたということです。九州電力はおととし佐賀県で同様の申請漏れが発覚したことを受けて調査を開始。5日は九州電力大分支店の関係者が県と18市町村を訪れ、これまでの経緯を説明したということです。

(以下略)

 

http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=06050037709&day=20170605

 西の雄、関西電力も負けじと中国電力の後追いだ。

関西電力 電線の占用許可申請せず

2017年6月3日 大阪朝刊

 関西電力は2日、公道への電線設置に必要な占用許可を、自治体に申請していなかったと明らかにした。2005年に約7万1000カ所で発覚し、翌年から申請手続きを進めているが、近畿2府4県と岐阜、三重、福井各県で1万1867カ所(今年3月末)が未許可のままになっている。

 許可を申請していなかったのは、通信会社など他社の電柱を利用して架けた電線。05年5月に市民団体の指摘で発覚した。関電は来年3月までに申請を終え、今年3月末時点で未許可だった各自治体に、年間640万円の占用料を支払うとしている。

(以下略)

https://mainichi.jp/articles/20170603/ddn/008/020/006000c

 なお、関西電力のウェブサイトhttp://www.kepco.co.jp/corporate/pr/index.htmlや九州電力のウェブサイトhttp://www.kyuden.co.jp/press_2017.htmlには掲載はなく、両者のTDnetでの開示にも該当するものはなかった。この姿勢の違いはなんだろうか?自治体を舐めているかどうか、予定外の支出が発生することについて投資家に告知する姿勢が欠けているかどうかといったところだろうか? 

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 ところで、どうしてこのようになったのか?

 実際に、NTTが敷設した電信柱に電力会社が電線を架設したり、その逆だったり(2次占用)ということは、道路管理者の許可を得て、至極一般的に行われている。

 その許可を取らずに、他人の電柱、電信柱に音楽放送線を張りまくってそのあげく社長が逮捕されたのが大阪有線である。(後述)

九電は「許可が必要という認識が不足していた」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170604-OYT1T50012.html

 果たして、九州電力は2次占用に許可が必要な許可が必要という認識は無かったのか?

 九州電力のウェブサイトに「電柱共架について」という頁がある。

認定電気通信事業者等のお客さまに、当社の電柱や管路等を有効にご活用していただくため、ご利用条件・手続き等を以下のとおりご案内致します。

http://www.kyuden.co.jp/service_pole-tube_denchu_01.html

https://megalodon.jp/2017-0612-0113-34/www.kyuden.co.jp/service_pole-tube_denchu_01.html

 九州電力が所有する電柱等に他の事業者が共架する(つまり「2次占用」する)ことについての手続きを自社ウェブサイトに公開し、例えばNTTが九州電力の電柱を利用したいときには必要な官公庁の許可(「2次占用の許可を道路管理者から得ることも含まれると思われる。)をさせたうえに電柱共架料までとっているのである。

 ここまでやっていて、自分が(例えば)NTTの電信柱に九州電力の電線を共架する場合の手続きを知らないというのはありえないだろう。「認識が不足していました」と言われて「はいそうですか」と引き下がってくるマスコミも愚かである。いやはや。

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 そして、もう一つ「電力会社が2次占用を知らないわけがねえだろ」というのが、前述の「大阪有線」

有線宇野社長逮捕

 これは、大阪有線放送の宇野社長(現在USENの会長である宇野康秀氏のお父上)が道路法違反で逮捕された際の読売新聞の記事である。

 このときの被害者は無許可で道路上空を使われた道路管理者であり、無許可で自社の電柱を使われた(無許可2次占用された)電力会社、電話会社である。

 有線の無許可二次占用の大変な被害にあった電力会社が「他人の電柱に無許可で電線を架けてはいけないとはどう考えても知らないわけがないだろう。再発防止のための組織に電力会社も加盟しているのである。

道路行政セミナー1991年5月号

http://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/1991_data/seminar9105.pdf

「有線音楽放送施設に係る正常化の現状」等を参照のこと。

 

キャリアの原点

マイナス800億円の“遺産”を背負って

U-NEXT社長・USEN会長 宇野康秀氏(上)

 

 同じ頃、私は村井ゼミ出身の社員を通じ、直接、先生とお話させていただく機会を得ました。その時、先生から「有線放送のネットワークを使って日本でインターネットを広げられないだろうか」という話も出たんです。「どうして有線なんですか?」って聞いたら、こんな話を教えてくれました。

 なんでも、村井先生が慶大の湘南藤沢キャンパス(SFC)の近くに事務所をつくった。「電話回線を引きたい」とNTTに電話をしたら、いろいろあって2、3週間かかってしまったそうなんです。一方で、音楽好きな村井先生が有線を引こうと思って有線に電話をしたら、その日のうちに工事をしてつなげてくれた。「だから僕は、日本でインターネットを広めるのはこういう会社だと直感的に思ったんだ」と、おっしゃって。

 その頃の大阪有線放送はコンプライアンス(法令順守)的に言うと、完全にアウトの会社でした。有線放送のケーブルを張るために、電柱を無断で使用するなどしていましたから。けれど、先生は「それくらいやんちゃな会社じゃないと、インターネットは広められない」と思ったらしいんです。

http://style.nikkei.com/article/DGXMZO03737500X10C16A6000000

 なんでNTTは、「いろいろあって2、3週間かかってしまった」のかというと、その部分に新規で通信線を架設するのであれば、当該道路管理者の占用許可等の手続きが必要である。そして有線がなぜ「その日のうちに工事をしてつなげてくれた」のかというと大阪有線は、必要な行政上の手続きをとらず、自分で電柱を設置することもせず、他事業者の電線に無許可で音楽放送線を架設するから早いのである。それが宇野氏のいう「コンプライアンス(法令順守)的に言うと、完全にアウト」であり、「それくらいやんちゃな会社じゃないと、インターネットは広められない」とは、村井純氏は何をみていたのだろうか。それをいい話風に話す宇野氏といい話風に掲載する日経のコンプライアンス感覚はどうなっているのだろうか?

 なお、大阪有線がこういう違法営業により、他ライバル企業を駆逐してしまい、有線放送といえば大阪有線(現・USEN)という恰好になってしまった。道路法上は適正化したが、営業活動ではあいかわらず、キャンシステムと違法営業合戦を繰り広げ行政指導の打ち合いとなっている。

 とまあ違法営業をいけしゃあしゃあと美談にしたててしまう有線に煮え湯を飲まされ続けてきたのが電力会社なのである。許可が必要であることを知らないわけないだろう。許可なしの電線架設は、自らを有線と同じレベルに落とすことなのだから

TBS がっちりマンデー 2005.9.18 ONAIR USEN

さて、スタジオでは宇野社長にお話を伺いました。

Q:それにしてもお父さんはすごいですね、40年間勝手に電柱を使ってたということですもんね(笑)!

 

http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20050918/1.html

https://megalodon.jp/2017-0612-0151-45/www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20050918/1.html

 

 なにが「お父さんはすごいですね、40年間勝手に電柱を使ってたということですもんね(笑)!」だ。道路法で逮捕された犯罪者に「すごいですね(笑)!とは、いくらがっちりマンデーが企業ヨイショ番組であってもこれは情けないにも程がある。

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 で、道路に無許可で設置して同様に道路法違反で刑事事件及び民事事件となった事例がある。

 たばこ会社、飲料会社の「はみだし自販機」である。今でこそスリムな形の自動販売機が建物と道路のスキマに立っていたりするが、平成に入ってしばらくは、分厚い自動販売機が道路に堂々と無許可ではみ出していた。

 これを市民団体が告発したり、道路管理者に占用料相当を請求するよう求めたり、たばこ・飲料会社に不当利得の返還請求を求めたりといった法的手段に出たのである。概要はこちら。https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/senyou_bukai/pdf/2.pdf

はみだし自販機訴訟

 詳細は下記リンク先をご覧いただきたい。

https://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/library_data/soshoujirei_data/0411soshoujirei.pdf

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/310/052310_hanrei.pdf

http://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/35-2-05.pdf

 なお、上記の民事事件に並行して刑事告発が行われている。

 平成6年1月には、たばこや酒類の自動販売機を道路からはみ出して設置し、歩行者の通行を妨害したなどとして、市民団体の告発を基に大阪府警が道路法違反(不法占用)などの疑いで大阪市内の酒類販売業者16社、社員48人、たばこ製造会社1社、社員130人を書類送検し、平成5年2月には飲料メーカー1社を書類送検している。

 

道路行政セミナー2004年11月号「不法占用の放置と行政の責任 -はみだし自販機住民訴訟<最高裁>55頁」

http://www.shufuren.net/modules/tinyd4/print.php?id=2

によると、訴訟の被告は、「はみ出し自販機の中身メーカーのうち、特に悪質だった日本タバコ産業、東京コカ・コーラボトリング、サントリーフーズの3社と東京都知事」ということである。

 このはみだし自販機事件から得られる教訓としては、

 違法事態を長期間正常化できなかった電力会社と自治体等に対して不服不満があれば、

・自治体へ占用許可を得ていない期間についても有線のように占用料相当額を請求するようもとめる。(住民監査請求や民事訴訟)

・占用許可の正常化が終わらないようであれば電力会社を刑事告発する。

といった手段により法律に基づくそのふるまいの是非を問うことができることが打ち手としてかんがえられそうだ。(必ず勝てるとは言っていませんのでご注意を)

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