≪2020東京オリンピックに係る首都高の1000円値上げの関係で、京葉道路と首都高7号小松川線の料金の境を調べるために、当サイトへお見えになった方へ。≫
千葉方面から都心方面に京葉道路に乗ってきた際に、首都高の料金を課金されないためには、「篠崎」で降りてください。
下記のグーグルストリートビューにあるように、篠崎から西は「別料金」=「首都高への課金」です。
京葉道路と首都高の物理的な管理境界自体は、篠崎よりもうちょっと西側にありますが、そこでは車は乗り降りできませんので強制的に首都高課金となります。
また、理由は分かりませんが、地図サイトによってこの辺りの京葉道路と首都高の境界はバラバラです。
例えば、google mapでは、篠崎~市川間に「首都高7号小松川線」の表示が出ますが、実際には江戸川を渡る橋は、NEXCOの京葉道路であり、google mapが間違いです。
ここから下は、道路マニア兼地図マニアである管理人がマニアックに道路地図毎の違いについて重箱の隅をほじくるだけですのでご留意を。
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今年は、ガンガンと道路ネタで攻めていきたいと思いますので宜しくお願いします。
さて、表題のようにNEXCO東日本のE14京葉道路と首都高速道路7号小松川線は接続しているのだが、そこの境界はいったいどこでしょうか?というチビネタが今回の話題。
上記は、NEXCO東日本のドラぷらから引用してきた路線図だが、ICやJCTといった施設で明確に区切られているわけではない。
で、各種地図サイトを見るとこれがバラバラなのだ。
※著作権的には、地図サイトの画面をキャプチャしてUPすることはアウトですが、各地図の内容を検証し、よりよいものにするための提言を行うための最小限の作業ということでお許しください。
まずは、googleである。
首都高一之江~京葉道路篠崎間は、全て京葉道路という扱いであり、更に一之江から都心側にも京葉道路の表記がある。
※2021年7月段階で確認したところ、google mapでは、更にまずい形で改悪されていますが、この記事では当初書いた段階のものを載せています。
次いで、ヤフー!である。
ヤフー!も、首都高一之江~京葉道路篠崎間は、全て京葉道路という扱いである。
そして、ゼンリンのいつもNAVIである。
ゼンリンもgoogle、ヤフー!と同様に、首都高一之江~京葉道路篠崎間は、全て京葉道路という扱いである。尤も、google、ヤフー!ともに、地図のベースはゼンリンなので同じ結果であってもおかしくはない。
こちらもゼンリンをベースにしているNVITIMEである。
やはり同様の結果である。
ではMapionはどうか。
Mapionも、首都高一之江~京葉道路篠崎間は、全て京葉道路という扱いである。ゼンリンの地図をベースにしているとみんな同じなのだな。当然か。
次は、カーナビベースのMapfanである。
今までと違って、首都高一之江~京葉道路篠崎間は、全て首都高速という扱いである。
衆知を集めて作られているはずのOpenstreetmapはどうか?
大きな地図を表示
こちらも、首都高一之江~京葉道路篠崎間は、全て首都高速という扱いである。ルートマーカーの「7」が篠崎をこえて江戸川まで入っているのが気になるが。
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というわけで、地図会社には大きく2つの表記があるようだ。
では、本家首都高速道路株式会社の地図ではどうなっているのか?
「首都高ナビマップ(路線概略図)」http://www.shutoko.jp/use/network/navimap/の頁からダウンロードできる地図を見てみよう。
こちらも、首都高一之江~京葉道路篠崎間は、全て首都高速という扱いである。
ということで、取りまとめてみるとこんな感じ。
ということで、「正解はMapfanとopenstreetmapでした!」パフパフパフ~
とならないのが俺の性格である。こんな簡単なことなら記事にはしないのだ。
首都高速道路株式会社のサイトには、「首都高最終出口のご案内」http://www.shutoko.jp/use/network/jct/exit/という頁がある。「首都高の終点に一般道路への出口がない(他の高速道路のみに接続している)場所をご案内します。」という趣旨だ。
そして、この頁の真っ先に登場するのが「【谷河内】(7号小松川線下り→京葉道路接続)」である。
一之江出入口と篠崎ICの間に出入口のない「谷河内」が接続点だということである。
NEXCO東日本のサイトではどうか?「首都高速7号小松川線 一之江 ~ 京葉道路 原木IC間
夜間通行止めのお知らせ」http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/kanto/h26/1219b/には、下記のような図面が掲載されている。
数字が若干違うけど、中間地点にて区分が違うようになっていることが分かる。
つまり、こういうこと。
大丈夫か、首都高ナビマップ。
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現地にそれらしい標識等はないのか?
まずは、上り線都心方面に向かう区間に、「ここから首都高速道路」の標識と「0キロポスト」がある。
逆に、下り線都心から千葉方面へ向かう区間には「ここから京葉道路」の標識と「0キロポスト」がある。
よく見ると中央分離帯のガードレールや遮音壁の形態もその前後で異なっている。
場所は、ここ。ここが江戸川区谷河内なんである。ここが首都高速道路7号小松川線とE14京葉道路との本当の境界なのである。首都高ナビマップと違って。
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なぜ、こんな中途半端なところが境界なのか?
ここからは、私の推測である。
そこには、京葉道路の成り立ちが関係あると思われる。
これは「道路公団年報」(1958年刊行)に掲載された京葉道路の路線図である。
京葉道路は、もともと、日本道路公団による、江戸川区一之江から船橋までの一般有料道路として1960年に開通し、途中に一つ料金所があるだけだった。現在の無料区間はその名残であろう。
一之江橋のたもとには、今でも「京葉道路終点」の標識と「0キロポスト」がある。
先ほども紹介したNEXCO東日本のサイトに掲載された路線図で「首都高区間1.5km」とされた赤い部分の上部にある緑の線が京葉道路の現在は無料で一般道路とは違いが分からないのだけれども、現在もNEXCO東日本によって管理されている区間である。参考→http://www.jehdra.go.jp/pdf/hoyu/h027.pdf
この京葉道路の後に、首都高速小松川線が建設された(1971年開通)。そこで、もともと日本道路公団の京葉道路の敷地であった部分(谷河内から篠崎まで)はそのまま京葉道路として日本道路公団が建設・管理することとなったのではないか?
その結果、江戸川区谷河内という出入口も何もないところに京葉道路と首都高7号小松川線の境界ができたのではなかろうか?
以上、推測終わり。
ということで、地図会社各位におかれましては、表記方法をご検討いただければ宜しいのではないかと。。
特に自動運転等の技術においては、デジタルマップの役割は大きいので。
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(追記)
「こんなのは一般道路利用者には関係なくて、オタクだけしか気にしないんじゃないの?」という趣旨のレスポンスを頂戴しました。
細かいことを言い出しますとですね、首都高速は、ETC車に従前の均一料金から対距離制の料金制度を導入した際に、従来は無料というか料金に変動はなかった「一之江~京葉道路接続部(谷河内)」にもその距離分の料金を設定したのである。
http://www.jehdra.go.jp/pdf/kyoutei/k1004_8.pdfから抜粋。2.1km分料金が違うのだ。
そういった意味でも、料金トラブルを防ぐために、正確に表示することで一般道路利用者に寄与する部分もあるのではないかと思う。
(追記終わり)
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他の道路でも同様の問題は多発している。
※中央自動車道と首都高速道路4号新宿線の境界は環状八号線だが、googlemapの表記は実際とは異なっている。
現地に行くとこんな誤った地図が表示されていたりする。(まさにここで中央道反対運動を展開していたにもかかわらず!)
データの持たせ方がうまくいっていないんだろうなあ。ICやJCTの分岐点にしか代表点を持たせられない仕組みになっていて、本線の途中で切り替える現実に対応できていないのかなあ。
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