波床正敏先生「この辺の話は,東海道新幹線の工事誌に公式に書かれている.」→「じゃあ見てみますか」の結果
http://wr19.osaka-sandai.ac.jp/ce/rt/ByRail/?p=307
これは、大阪産業大学の波床正敏先生のブログ「鉄道で国づくり」に記載されているお話である。
世間でよく言われている「東海道新幹線は東京オリンピックに間に合わせるために鈴鹿峠からルートを変更した」というお話だ。
波床正敏先生は「この辺の話は,東海道新幹線の工事誌に公式に書かれている.」とも書かれている。
じゃあ、実際に東海道新幹線の工事誌にはどう書いているのだろうか?
「東海道新幹線工事誌 名幹工篇」日本国有鉄道名古屋幹線工事局 編
「こうして全線の基本ルートが定められ、(昭和)33年8月幹線調査事務所の発注によって航空写真測量が開始されたのである。」
ご存知のとおり、東京オリンピック開催が決定されたのは、1959(昭和34)年である。
そして、1958(昭和33)年8月に「全線の基本ルートが定められ」たとなれば、「鈴鹿峠をやめて関ケ原ルートに決定したのは、東京オリンピック開催決定前」である。
他にも裏取りのネタを探してみよう。国会ではどのように答弁されているのか?
1958(昭和33)年に航空測量をして、鈴鹿峠は捨てて関ケ原経由とし、1959(昭和34)年から予算が付いたので地上の測量を始めたと磯崎国鉄副総裁(当時)が答弁している。やはりオリンピック決定前に鈴鹿峠は捨てられているのであった。
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