階段国道339号に公共交通機関(JR津軽線と路線バス)で行く方法
前回は階段国道の謎にエビデンスなしで迫ってみたのだが、ついでの記事を。
階段国道の現地レポは先人の方々がたくさん書いておられるので今更私が書くほどのことはないが、「公共交通機関でどうやって階段国道に行くのがよいか」について書いたものはあまりなかったようだ。
「道路マニア」はやはり車で行くのかな。
しかし「せっかくなら津軽線の乗りつぶしとセットで階段国道に行きたい」という方もいらっしゃるかもしれないので、私が行った記録でも何かのご参考になるようでしたらどうぞ。
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私が階段国道に行ったルートは
(東北・北海道新幹線)
↓
JR奥津軽いまべつ駅
↓
(徒歩)
↓
JR津軽二股駅
↓
(JR津軽線)
↓
JR三厩駅
↓
(外ヶ浜町営バス)http://www.town.sotogahama.lg.jp/kurashi/koutsuu/minmaya.html
↓
龍飛崎灯台バス停
↓
(徒歩)
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階段国道
↓
(徒歩)
↓
龍飛漁港バス停
↓
(外ヶ浜町営バス)http://www.town.sotogahama.lg.jp/kurashi/koutsuu/minmaya.html
↓
JR三厩駅
といったルートである。
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詳細をご案内したい。
まずは、北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅で乗り換えだ。
往復津軽線に乗るのもよいが、「秘境新幹線駅」扱いされている奥津軽いまべつ駅で降りる機会も他にないだろう。
なお、新青森駅からはJR北海道の路線なので、JR東日本の乗り放題の切符等では、追加料金が必要になることにご留意されたい。窓口は一つしかないので、あらかじめ車内で精算しておくとよいだろう。
徒歩数分で津軽線の津軽二股駅である。
道の駅の裏側になるので、ご注意を。なんか文房具を買いたくなるような名前のお店がありますね。
JR津軽線の終点駅である三厩駅を降りると、目の前に小さなバスが止まっているが、これがお目当ての階段国道まで行く外ヶ浜町営バスである。
なお、駅前にはバス停以外何もないので迷う心配は一切ない。何か食事をしたり買い物をする店もない。
唯一あるのが、これから向かう龍飛岬付近の観光案内の看板なので、地理感をよく掴んでおこう。
バスの運賃はどこまで乗っても100円だ。料金箱に入れよう。お釣りはないように準備しておこう。
途中、国道280号は、緑看板となる。きっと自動車専用道路なんだろうw
途中、国道280号と国道339号の合流点で、二つのおにぎりが並ぶ看板と、国道280号が北海道まで結ぶ「海上国道」たる所以の「東日本フェリー」の錆びた看板がある。
「全国版 ハイパワーA 道路地図」日地出版 1984年・刊
ところで、北海道・福島~青森・三厩の東日本フェリーについてはよく語られるけれど、この地図に載っている、福島~竜飛~今別~平館~蟹田~青森の旅客船も気になりませんか。ネットではあまり情報がないようだし。
https://www.davidrumsey.com/luna/servlet/detail/RUMSEY~8~1~301923~90072794:14-Aomori-ken,-Japan
脱線するが、1956(昭和31)年の地図だと、航路はもっとマメに集落に寄港している。それだけ道路が貧弱だったのだろうなあ。
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左が国道339号だ。
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ところで、外ヶ浜町営バスの走行ルートには注意しないといけない。
三厩駅→龍飛崎灯台行きはこんな感じ
帰りの龍飛崎灯台→三厩駅行きはこんな感じ
私は、こういう感じで訪れた。逆ルートで龍飛漁港バス停から龍飛崎灯台バス停まで歩いてもよいのだが、それだと階段国道が上り坂になるのでご留意を。
私の場合は、この23分間で特に問題はなかった。
乗りつぶし目的で青函トンネル記念館のケーブルカー(竜飛斜坑線)に乗りたい方は、その時間を考慮すればよいだろう。
なお、バスの時間は外ヶ浜町のウェブサイトで最新のものをご確認いただきたい。
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龍飛崎灯台バス停を降りるとこんな感じだ。
なお、この一帯は青函トンネルの発進坑があった。
降りるとすぐ目の前にでかい看板があるので、道に迷うことはない。
目の前に「津軽海峡冬景色歌謡碑」が鎮座する。
紅白歌合戦で隔年で聞くことができる、あの石川さゆりの歌だ。
中央の赤いボタンを「ポチっとな」とすると、”爆音”で津軽海峡冬景色が流れる。
私が投稿したものではないが、こんな感じだ。
道を急ぐ方はわざわざ聞くものではないかもしれない。
ちなみに裏側はこうなっている。
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左手に「階段村道」の看板がある。階段になっている村道なぞ幾らでもあるだろうが、ここは一応登ってみる。
灯台にたどり着いて津軽海峡を眺めることができるのだが、私のブログを見るような方に見落としていただきたくないのは、右側のコンクリートの柱?である。
日本鉄道建設公団と建設省国土地理院による「渡海水準点」である。
青函トンネル建設にあたって設置されたのだろう。
私は問題なく行けたが、体力に自信の無い方は、最小時間の乗り継ぎであれば階段国道一本に絞った方がよいかもしれない。
くれぐれも「津軽海峡冬景色を聞いていたら時間がなくなった」ということのないようにw
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階段国道と言ってしまえば、そのとおりで、普通に階段である。
国道の標識がなければなんてことはない。
照明灯を見ると、「青森県」「339」と書いてあるなあ。
途中の「国道」部分と同じように管理しているから、やっぱり青森県が管理する国道339号なんだなあ。
とか
森林管理局の杭かなな。山ってなんのことだ?」
とかくらいしか見るものもない。
中腹に学校跡地がある。
立ち寄る前に、バスの時間を確認だ。
三厩村立竜飛中学校跡地
裏には校歌が刻まれている。青森の中学校なのに、最初に出てくる地名が北海道なのは、海峡の街らしい。
中学校跡地を過ぎると、目の前に津軽海峡が広がってくる。一番のフォトスポットだろう。
そして階段を降りていくと、龍飛漁港が見えてくる。道路沿いの小さい小屋のところに「龍飛漁港バス停」がある。
階段をほぼ降り切ったところに、もう一つのフォトスポットがある。
ぶっちゃけ、道路マニアや珍スポマニア以外にとっては、2箇所で写真撮るだけで、他の一般人にはなんてことないと思っちゃう(個人の感想です。)。
こう言っては身も蓋もないのだが「階段なのにわざわざ国道に指定した珍スポット」ではなくて「国道指定したときには、龍飛漁港以西はずーーーーっと長い区間が階段どころか山道すらない通行不能区間で、順次開通したら結果的に階段区間だけ残っただけ」だから。ここを国道に指定した頃は、全国に「国道なのに自動車が通れない」山道のままの国道なんて日本中にあったから。
ただ誤解のないように申し上げると、私は道路マニアなので大変な達成感や充実感を味わいましたが(個人の感想です。)。
この看板が見えたら、階段部分は終わり。普通の一般国道だ。
龍飛漁港側から階段国道に入ろうとする方にはちょっと入り口が分かりにくいかもしれないが、この辺を参考にしていただきたい。
ここが龍飛漁港バス停
時間があれば後ろの小屋を回り込んでから見回してみよう。
「日本一の風を受けるトイレ」だ。
このトイレも原子力関係の補助金でできているようだ。バスにはトイレがないため、記念に用を足していくのもよいかもしれない。
目の前に広がるのは龍飛漁港だ。
バスの時間次第だが、灯台、中学校、漁港の探索にどう時間を配分するかイメージしておいた方がよいかもしれない。
さあ、三厩駅行きのバスが戻ってきた。
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こんな感じで、JR津軽線と外ヶ浜町営バスを使った駆け足の階段国道巡りはおしまい。
太宰治好きな方等にはもっと見所があるので、駆け足で戻るのは本当はもったいないのだが、
「車は使えない(使いたくない)けど、階段国道は見ておきたい」
という方には、参考になれば幸甚である。
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(参考)
■階段国道339号にまつわる謎にチャレンジしてみた
http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-47cb80.html
階段国道は関係ないけど、三厩駅付近に青函トンネル用の貨物ヤードを設置する構想があったことを紹介する
「東北新幹線への貨物新幹線(荷物電車)導入は、約50年前に国鉄で決定済だった」
http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-82da04.html
もご関心があれば。
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こんな動画も参考までにどうぞ
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