カテゴリー「ドボク」の56件の記事

2020年2月18日 (火)

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか

 先週の日曜日は雨が降っていて外出する気にならなかったので、ちょいと前回の東京オリンピックとドボクのネタをまとめてみた。

 また、前々回の記事の際にTwitterでアンケートをとったところ、「レイアウトを工夫しない読みづらい」との声を結構いただいた。

 

 なので、今回はパワポ型式で作ってみたのでどうぞ。

 実際にこれでどこかプレゼンするという予定は一切ない。

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (1)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (2)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (3)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (4)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (5)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (6)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (7)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (8)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (9)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (10)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (11)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (12)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (13)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (14)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (15)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (16)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (17)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (18)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (19)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (20)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (21)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (22)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (23)

 

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (24)

 

 東京都庁議の詳細はこちら→http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/31228-d1e1.html

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (25)

  ここは読みづらいので、テキストを抜き出しておこう


 

首都整備局長(山田正男君) 

 

(略)

 最後に、三原橋─日比谷間の地下の自動車道路計画の問題について、経緯のご質問があったわけでございます。実はこの問題につきましては、都心部の道路交通を解決いたしますために、地下鉄の二号線を建設いたします際に同時に地下の一階に自動車道路を作る必要がある、こういう立案をいたしまして、数年来営団当局と協議を進めて参ったわけでございますが、営団当局がどうしても同意をいたしませんために、この計画については、建設・運輸両省並びに首都圏整備委員会が問題を取り上げまして、この三者の間で都の案について検討が行なわれたのでございます。そうしてその三者の間で技術委員会を作っていろいろ検討いたしたわけでございますが、東京都の主張にもかかわりませず地下の一階に道路を作ることを否定いたしまして、地下鉄のレベルと同じ地下の三階に自動車専用道路全作ることが適当であろう、こういう決定がされたわけでございます。その決定の理由は、地下の一階に道路を作る費用と地下の三階に作る費用とは、それほど費用の差がないということが主たる理由のようであったわけでございます。そこで、この決定を受けまして、都といたしましては、はたしてその決定の通りであろうかどうか、費用がその程度でできるかどうかということを検討して参ったのであります。特に地下鉄二号線の建設を急ぎますので、営団当局と鋭意協議を進めて参ったのでございます。当初十八億余で地下の三階に自動車道路ができるということであったのでございますが、いよいよ実際に協議してみますと、あるときは二十五億円といい、あるときは三十六億円といい、最近に至っては五十億円もかかるというような申し出があったわけであります。これでは都といたしましては自動車道路を作る投資効率、投資に対する効果が少ない、こういうことで建設省当局に、一応そういう決定がされたけれども投資効率が少ないんだ、さてどうするか、こういう協議をいたしておる際に、たまたま河野建設大臣からのご注意がありました。そういう決定がかって行なわれたけれども、実際にそういう投資効率が低いならば、最初想定されたよりも工事費が非常に高いならば、もっと再検討するべきである、こういうご発言かあった次第であります。現在建設運輸両省及び首都圏整備委員会と東京都の間で検討いたしておる途中でございますが、おそらく三階に地下自動車道路を作ることは、投資効率の点からいって必ずしも採用すべき性質のものでないと考えております。しかし、この都心部の道路交通能力をこのままで放置しておくことは適当でないのでございまして、これにかわる対策を目下関係者間で協議中でございます。いずれ遠からず決定を見るものと存ずるのでございます。

 

1962.09.29 : 昭和37年第3回定例会(第14号) 

 

 

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (26)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (27)

  

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (28)  

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (29)

  

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (30)  

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (31)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (32)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (33)

 

 

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (34)

  

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (35)  

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (36)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (37)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (38)

  

東京オリンピックに向けて銀座の地下で(39)  

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (40)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (41)

  

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (42)  

  

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (43)  

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (44)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (45)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (46)

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (47)

  

東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (48)  

  

 東京オリンピックに向けて銀座の地下で何が起こっていたのか (49)

  パワポで作ったからといって、どこかで講演するつもりもないのだが、まあお試しということで。

 HTMLをいじるよりも、ベタベタパワポで切り貼りしちゃった方が楽ちんなのだが、SEOとしては弱いやね。 

  

 ---関係ブログ---

 アド街・日比谷特集記念/日比谷地下道はなぜ一方通行なのか?

 http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/post-f494.html

三原橋地下街に係る疑獄について(その1)

 http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/cat23477491/index.html

 三原橋地下街に係る疑獄について(その2)

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-554e.html 

三原橋地下街と銀座シネパトス さようなら 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-60c3.html 

三原橋地下街 銀座シネパトス最終日 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-f962.html 

日経新聞 「東京ふしぎ探検隊」河尻定氏記事「東銀座に地下広場出現 現役最古の地下街は閉鎖へ」に係る疑義 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-0de1.html 

 三原橋地下街や観光センターの経営者の新東京観光株式会社についてのメモ

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-8445.html

三原橋地下街や橋上のビルに係る経緯の公式見解(都議会議事録)にたどり着いた 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-4930.html 

三原橋地下街等をめぐる経緯を年表にしてみた 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-2781.html 

三原橋地下街の当初占用許可に係る東京都庁議公文書 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-3f36.html 

昭和31年2月28日東京都庁議「三原橋」問題の処理について→関係局間においてなお検討すること 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/31228-d1e1.html 

 三原橋(6月15日時点)

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/615-23dc.html 

三原橋の建物は、地元から撤去せよとの訴訟を起こされていたというお話 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-81bb.html 

東京五輪関連:地下鉄と競合して未成となった銀座の地下自動車専用道路にして首都高速計画線の名残 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/--4890.html 

三原橋ビル(三原橋観光館)解体中(その1) 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-7702.html 

 三原橋地下街 カレーコーナー三原最終営業日

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-8f73.html 

三原橋ビル(三原橋観光館)解体中(その2) 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-30b7.html 

三原橋ビル(三原橋観光館)解体中(その3) 

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-7114.html 

 「安井都政の七不思議」と山田正男と三原橋地下街

 http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-740c.html

斉藤 理 山口県立大学准教授の「川がない橋が秘めた東京の履歴」を読んで 

 http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-924f.html

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2020年2月 7日 (金)

福川裕一千葉大名誉教授監修の「ニッポンのまちのしくみ」が酷い

福川裕一監修「ニッポンのまちのしくみ」が酷い (6)

 こんな本をみかけた。

 お子様向けにまちづくりの仕組みを解説する本のようで、千葉大学工学部名誉教授の福川裕一氏が監修しているという。

 

 ただ、その中身がヒドイのだ。

 

 

 まずは、首都高。

福川裕一監修「ニッポンのまちのしくみ」が酷い (3)

福川裕一監修「ニッポンのまちのしくみ」が酷い (4)

 ここでも「オリンピックに合わせて急いで高速道路を通す必要があったから空いていたお濠の上を通した」「渋滞だらけの町を世界に見せるわけにはいかなかった」と書いている。

 へー、千葉大学工学部名誉教授様は流石言うことが違う。事実と。

 

 首都高を河川や道路等の公有地の上に通す方針を決めたのは、1957(昭和32)年7月。

 現在の河川の上を走るルートは、1957(昭和32)年12月だ。

 

 ちなみに、東京オリンピック準備委員会・設立準備委員会及び第1回総会開催は、1958(昭和33)年1月である。

 オリンピックの招致活動を開始する前からルートは決まっていたのである。

首都高と東京オリンピック  

 上記は、東京都技監等を歴任した鈴木信太郎氏の「私の都市計画生活 -喜寿を迎えて-」山海堂刊36頁からの引用である。

 首都高については「たまたまオリンピックが決定したので、始めからオリンピックの為ということは絶対なかったといえる。」と明言している。

 首都高のルートとオリンピックの関係については、以前にもブログにまとめているので、詳細はそちらを参照していただけると幸甚である。

・「首都高をオリンピックに間に合わせるためには『空中作戦だ』」のアンビリバボーを検証してみる 

 http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-f51a.html

 ・古市憲寿氏「東京五輪“負の遺産” 首都高とモノレール 五輪に間に合わせた急ごしらえの代償」を検証する。

 http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-97a48d.html

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 また、東京の暗渠を説明しているところも怪しい。

福川裕一監修「ニッポンのまちのしくみ」が酷い (1)

福川裕一監修「ニッポンのまちのしくみ」が酷い (2)

 東京の暗渠は、オリンピックがきっかけで、観光客が集まる大イベントに変なものがあったら恥ずかしいだからだそうですよ。

 

 

 東京の河川の暗渠化は、1961(昭和36)年の「36答申」がきっかけである。


 1960年代に入ると、高度経済成長期に突入した東京では人口1000万人を突破、さらなる人口集中と都市化が進む。市街地がさらに拡大し、森林や田畑、未舗装地が減少していくことで、各地の湧水は涵養源を失って涸れていく。用水路も灌漑の使命を終えて送水が停止される。こうして河川の水源は枯渇していった。

 一方で、急増する生活排水に下水道整備が追いつかず、自然の水と入れ替わるように川に流入する家庭や工場の排水量が増えていく。その結果、川の「主水源」が下水であるといったような事態が発生する。また、土地の貯水機能が消失したことで、降雨時の急激な増水も多発するようになった。

 このような状況を背景に、昭和36年(1961)、東京都市計画地方審議会河川下水道調査特別部会より「東京都市計画河川下水道調査特別委員会 委員長報告」、通称「下水道36答申」がまとめられ、中小河川の暗渠化・下水道転用が打ち出されることなる。

 暗渠化の理由としては、①河川を下水に転用することでコストや時間、技術面でのメリットを享受できること(河川の水路と自然勾配の転用)、②別途下水道を整備した場合、川は「水源」を失うことになってさらに環境が悪化すること、③流域住民からの苦情や強い要請、といったことがあげられている。

 

 「東京暗渠学」 本田創・著、洋泉社・刊 107-108頁から引用

 

 ひょっとしたら、著者は分かり易くするためにオリンピックをダシにしたのかもしれないが、暗渠マニアの方の本の方がよっぽど36答申の時代背景とあわせてきちんと分かり易く書けている。 

 オリンピックが推進力になった部分があるだろうが、オリンピックのために恥ずかしいものを隠すために「臭いものにふたをした」というのは短絡的にもほどがあるのではないか?

  

 ちゃんとした?学会の論文を読みたい方はこちらなどもどうぞ。

 「36答申における都市河川廃止までの経緯とその思想」中村晋一郎・沖大幹・著 水工学論文集,第53巻,2009年2月

 http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00028/2009/53-0095.pdf

 興味深いのは、この論文では「オリンピック」という言葉が一言もでてこないのだ。なんでもかんでもオリンピックのせいにする福川裕一氏と専門家の論文は対照的である。

 

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 東京オリンピック時に東京都で局長として大活躍した山田正男氏は下記のように語っている。 

首都高速道路と東京オリンピックと空中作戦


対談「東京都における都市計画の夢と現実」 「時の流れ都市の流れ」403頁
 「オリンピックのために道路をつくるとかそんなことは夢にも考えておりません。」「この際年度を一年くりあげるということはあり得るけれども、それはオリンピックのためではなく、当然の事業であると考えてやっております。」と。

 

 発行元の「淡交社」は、茶道の本で有名だが、歴史を大事にしないと千利休が泣いているぞ。

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2017年5月21日 (日)

地下鉄銀座駅の階段がズレているのは、そこに旧数寄屋橋の橋脚が埋まっているから

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (4)

 東京メトロ銀座駅から日比谷方面に向かう階段が左右ずれている。

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (5)

 現地で見てもごらんのとおり。

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (3)

 なぜ、まっすぐ並べられないのか?左右の階段を繋げて広く使えばよいのではないか?

 それには、かつてここに何があったかを思い出す必要がある。

Sukiya_bashi_old

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sukiya_bashi_old.jpg

 そう、かつてここには外濠川が流れ、数寄屋橋がかかっていた。現在はそこに東京高速道路(KK線)が走っている。

東京高速道路

 実は、ここには、旧数寄屋橋の橋脚・橋台が埋まったままなのだ。

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (12)

 日比谷線建設史394頁から引用

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (13)

 日比谷線建設史392頁から引用

 そして、旧数寄屋橋と地下鉄日比谷線が直交していないため、橋脚跡と階段が斜めにズレる形となっているのだ。

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (15)

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (14)

 この地下通路の床に斜めにひかれている3本の線は、ここに数寄屋橋が架かっていた(外濠川が流れていた)ことを示すものなのだろうか?

 さて、日比谷線建設時には、既に外濠川、数寄屋橋は無くなっていたはずである。なぜこのようなものが地中に残っていたのか?

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (11)

 丸の内線建設史(下巻)104頁から引用

 丸ノ内線建設時に、東詰の橋台や上部工部分は撤去したようだが、丸ノ内線に支障ない真ん中の橋脚や西詰の橋台は地上に存置されたままだったようだ。

 では、日比谷線建設時にそんな不要な橋脚は撤去してしまえばよいのではないかと思うであろう。ところが撤去できないのである。

 上空を通る東京高速道路の橋脚が旧数寄屋橋橋脚の上に建設されたからである。

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (16)

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (13)

 日比谷線建設史392頁から引用

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (10)

 日比谷線建設史391頁から引用

 使っていないからといって今更撤去するわけにはいかなかったのである。斯くて、銀座駅から日比谷方面へ向けて降りていく地下階段は、旧数寄屋橋橋脚を避けて、心なしか、気持ち急勾配で、ズレた階段で降りていくのである。

 

 旧数寄屋橋橋脚が影響しているのは、地下鉄通路だけではない。

銀座駅の階段がずれているのは数寄屋橋の橋脚がそこに埋まっているから (7)

 日比谷線建設史405頁から引用

 その上をかすめるようにして日比谷地下自動車道が通っているのである。

 日比谷地下自動車道については、以前

・東京五輪関連:地下鉄と競合して未成となった銀座の地下自動車専用道路にして首都高速計画線の名残

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/--4890.html

・東銀座「幻の地下街」を作った経緯が(ほぼ)分かった

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-3bf6.html

・日比谷未成地下道とのバーターで地下鉄三田線が営団から東京都へ譲渡されていた

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-b86d.html

といった記事も書いているので、ご関心のある方は、あわせてお目通しいただけると幸甚である。

三原橋地下街と地下鉄日比谷線と有楽町ガード下地下道の関係

 

※東京メトロの主要路線の建設史は、「メトロアーカイブアルバム」で見ることができる。

https://metroarchive.jp/history.html

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2016年10月 3日 (月)

バスタ新宿の成功に味を占めた国交省道路局がバスタプロジェクトを立ち上げて全国にバスタを作る構想がでてきた

 これまでバスタ新宿については幾つかの記事を書いてきた。

 ここで、国土交通省が「バスタプロジェクト」を立ち上げて全国にバスタを作る構想がでてきた

 2016年9月27日に開催された社会資本整備審議会道路分科会第55回基本政策部会http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/road01_sg_000316.html における資料を見てみよう。

バスタ新宿に味を占めた国交省がバスタプロジェクト展開の構想 (1)

 複数の交通機関の結節点「マルチモードバスタ」

バスタ新宿に味を占めた国交省がバスタプロジェクト展開の構想  (7)

 高速道路のSAPAを活用した「ハイウェイバスタ」

バスタ新宿に味を占めた国交省がバスタプロジェクト展開の構想  (6)

 道の駅等を活用した「地域の小さなバスタ」

バスタ新宿に味を占めた国交省がバスタプロジェクト展開の構想  (2)

を道路事業として推進していくのだという。

(上記資料はいずれもhttp://www.mlit.go.jp/common/001146884.pdfから引用)

 上記でも紹介したブログ記事バスタ新宿は、やっぱり国道20号だった。を追認するかのように、バスタ新宿の立体道路区域についての紹介資料も掲載されている。

バスタ新宿に味を占めた国交省がバスタプロジェクト展開の構想 (3)

 国土交通省道路局としては、立体道路制度を積極的に活用して交通結節点整備を進めていくようだ。http://www.mlit.go.jp/common/001146885.pdf

バスタ新宿に味を占めた国交省がバスタプロジェクト展開の構想 (4)

 

 なお、「交通ジオメディアサミット 〜 IT×公共交通 2020年とその先の未来を考える〜」 でも指摘された「国土数値情報におけるバス停情報の古さ」については問題意識がもたれている模様である。

バスタ新宿に味を占めた国交省がバスタプロジェクト展開の構想 (2)

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※ 上記審議会資料に添付されている モーダルコネクトの強化「バスを中心とした道路施策(たたき台)」参考資料集

http://www.mlit.go.jp/common/001146881.pdf

 は、バスを中心とした公共交通網について脳内妄想を垂れ流すのが大好きな方にはこたえられない資料が満載なのでマニアックな方は是非。

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2016年9月28日 (水)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(振り返り)

 最後に簡単に権利関係をまとめてみた。

(1)船場センタービル

船場センタービル 阪神高速道路 (7)

道路の権原 所有権
建物の権原 道路法の占用許可
土地所有者 大阪市、阪神高速(高速道路保有債務返済機構)

(2)朝日新聞社ビル

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (8)

道路の権原 物権的なものは無い。前所有者である大阪市と朝日新聞社との売買条件
建物の権原 所有権
土地所有者 建物所有者

(3)梅田出口

阪神高速梅田出口立体道路 (2)

道路の権原 区分地上権(道路法の立体道路)
建物の権原 所有権
土地所有者 建物所有者

(4)OCAT(大阪シティエアターミナル)

OCATと阪神高速道路 (4)

道路の権原 所有権(共有)(道路法の立体道路)
建物の権原 所有権(共有)
土地所有者 道路側と建物側の共有

(5)りんくうタウン

りんくうタウン と高速道路 (5)

道路の権原 所有権(共有)(道路法の立体道路)
建物の権原 所有権(共有)
土地所有者 道路側と建物側の共有

(6)ホテルきららリゾート関空

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (13)

道路の権原 所有権(共有)(道路法の立体道路)
建物の権原 所有権(共有)
土地所有者 道路側と建物側の共有

<余談>

 今まで阪神高速道路と建物の権利関係をつらつらとみてきたところであるが、斯様に、「区分地上権」というのは例外的に使われているのである。

 ところで、TACという資格試験学校で宅建の講師が、土地の権原の講義の中で区分地上権の例として首都高を上げてきた。いや、区分地上権を使っていないとは言わないが、それは例外的なものであって、資格試験勉強用の例示としては不適切だと思うのだ。

 TACの講師なんてその程度だから目くじらたてる話ではないといえばそれまでなのだが、どうしても目くじらたてちゃう。

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(番外編)ホテルきららリゾート関空

 不動産カウンセラー No.4「座談会 道路一体建物について」には掲載されていないが、阪神高速道路の立体道路としては紹介しないわけにいかない物件があるので、番外編としてご紹介したい。

 「泉大津PA」と「ホテルきららリゾート関空」である。

 阪神高速湾岸線が走る港湾地域に何故に「リゾートホテル」なのか?まあこれも前頁同様関空バブルである。

「都市高速道路における道路一体建物を併設したパーキングエリアの計画」

http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/1993/48-04-0168.pdf

によると下記のような経緯で出来上がったもののようだ。

泉大津PAは、関西国際空港と大阪都心部を結ぶ阪神高速道路湾岸線のそのほぼ中間点である泉大津市なぎさ町に計画された 約18,000m2のパーキング施設である。

この地区周辺は堺泉北港港湾再開発の重要な拠点に位置付けられており、また泉大津市の中心市街地に隣接した好立地条件の場所でもある。このため、港湾再開発事業として商業、情報等の中枢としての高度利用及び複合利用を目的とした都市開発が行われる予定であり、湾岸線及びPAとの一体的かつ総合的な街づくりが望まれている。

この泉大津PAは昭和61年1月31日に都市計画決定(道路) がなされ、その後新しい街づくりを含めた種々の検討のうえ、平成5年2月1日に都市計画変更(用途地域)が行われ、道路との重複利用区域が定められた。その際の基本方針のひとつに開発地区の中枢機能となり、またランドマーク的な役割も持つ高層のツインビルを道路一体建物としてPAに併設して建設することが挙げられていた。

 

「都市高速道路における道路一体建物を併設したパーキングエリアの計画」 阪神高速道路公団 小松郁夫、堀松正芳 株式会社建設技術研究所 髙橋誠、荒巻聡

土木学会第48回年次学術講演会(平成5年9月)

 まあ、関空バブルの産物で、再開発のアテがはずれて本来高度利用するはずの箇所が、結局PAだけ高度利用して終わっているという代物である。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (13)

 左側に高い建物が見えるのがホテル。右側を走るのは阪神高速道路湾岸線。その間が泉大津PAである。1階はホテルの駐車場、2階は高速道路の普通車用パーキング、3階は高速道路の大型車用パーキングだ。左手に雑草が見えるがまあそういう開発に失敗した感じの土地である。

 港の方に回ってみる。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららりぞーと関空 (16)

 高速道路を挟んで水平に挟んでいるチューブはPAの上下線を結ぶ通路である。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (12)

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (15)

 「きららセンタービル」というらしいが、民間テナントは少なく、如何にも「港湾開発に失敗したのでその責任をとって港湾関係の公共組織でフロアを埋めちゃいました」という感じである。

 上記の「開発地区の中枢機能となり、またランドマーク的な役割も持つ高層のツインビル」という利用ができているようには思えない。

 ここで、道路と建物の権利関係を見て行くと、改正された道路法による立体道路制度を活用している。下図のピンク色の部分が立体道路区域だ。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららりぞーと関空 (1)

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららりぞーと関空 (2)

改訂版 立体道路事例集」から引用

 両側のビルの3階部分が阪神高速道路の上下線のPAとなっているため、ホテルのエレベーターは3階には止まらない。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (18)

 また、海側の11階はPA施設としての展望台である。夜景スポットとして著名であるようで多くのサイトで紹介されている。

http://yakei.jp/japan/spot.php?i=izumi-pa

http://yakei-mn.com/yakei/osaka/izumiotsu

http://www.nightview.info/yakei/detail/izumi/

http://www.osakanight.com/night_view/izumiotsu_pa.htm

http://yakei-world.com/spot_view.php?spot=403

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (3)

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (4)

堺泉北工業地域の工場夜景。フレアスタックも見える。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららりぞーと関空 (5)

 ホテルの客室からの夜景。わざわざ泊まったのである。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららりぞーと関空 (6)

 このようにパーキングエリアを見下ろして宿泊できるホテルは少なかろう。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (8)

 朝起きたらこんなかたちで目覚めるわけだ。

阪神高速湾岸線泉大津PAとホテルきららリゾート関空 (7)

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(1)イントロ

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(2)船場センタービル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(4)梅田出口

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(5)OCAT(大阪シティエアターミナル)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(6)りんくうタウン

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(番外編)ホテルきららリゾート関空

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(6)りんくうタウン

りんくうタウン と高速道路 (5)

佐藤 りんくうタウンの道路一体建物、これもちょっと教えていただきましょうか。

小川 これは船場センタービルと一緒のやり方ですね。

福元 当該地は例の埋め立て地でして、公法上は商業地というかっこうになっておりますが、先ほど申し上げましたように、平成2年12月12日に都市計画地区計画りんくうタウン北地区地区計画ということで立体道路制度を活用することになっております。
 道路一体建物はほとんどが商業業務ゾーンの中央部に位置しまして、その上にJRと南海電鉄の駅もできます。その横に高速道路等ができるわけですが、それにつきましても同じく1〜3階部分に道路と鉄道が一体整備されることになっています。
 りんくうタウンは空港機能をサポートする役割を担うとともに活気に満ちた都市活動を通して空港と地域と共存共栄をめざしていますので、道路については特に橋脚の位置に留意し建物の雰囲気を損なわないよう気をつけるとともに道路建物ともに機能を向上させるように配慮した設計になっています。

佐藤 さっきの船場センタービルの場合は道路の占用許可に基づくものですが、こちらは区分地上権か土地の共有ということで権利を持って屋上に交通ターミナルを造るということになるのですね。形態はよく似ていますが、権利関係は違うということになってくるんでしょうね。

小川 土地所有が違うんでしょうね。船場センタービルの場合は市なり阪神高速道路公団が持っている土地の上に建物を立てさせてやっていると。今度は逆ですよね、地権者が持っているところを通らせて頂くと、そういうことですね。 

佐藤 りんくうタウンの完成は...。

岡山 平成5年度くらいじゃないですかね、全部新空港関連で、いつになるか分かりません。(笑い)

 実際には、道路が区分地上権を取得し、立体道路制度を活用した道路一体建物として整備されている。

りんくうタウン と高速道路 (3)

 今となっては「りんくうタウン」は空地だらけで荒涼としており、わざわざ立体道路制度を利用して土地の高度利用を図る必要もないように感じてしまう。

関空バブル

 しかし、関西空港建設中の1990年頃は「関空バブル」絶頂で上記のように関西を代表する企業のビルが林立するはずだったのだ。

りんくうタウン と高速道路 (2)

 ゲートタワービルも高速道路と鉄道を挟んで南北両側に立つはずが北側だけになってしまった。

佐藤 ここに柱が見えますが、この柱で支えているんですか。この建物が仮りになくなっても耐え得る構造になっているのですね。

岡山 道路はビルみたいに軽いものが載っているのではなく、ものすごく重い車が通るから荷重には絶対強くしなければいけない、そのために縦の柱は非常に丈夫なものを造っておく。その柱を造るのは道路一体建物の場合でも道路管理者が負担する。柱は減法強く、そこに建物が林を張って一緒になっていると、こういう具合です。

加藤 これは建設省の方が書かれていますが、道路一体建物といっている意義は「道路を支持するものとしての道路と一体構造となっているものを言い、建物を取り壊してしまうと道路も壊れてしまうような建物」そういうものだけをいっているような感じですね。

岡山 そうそう、建物が壊れると道路が壊れる、そこで言う建物は縦の柱も全部とってしまうと道路も壊れる。だけど縦の柱はそれほど強くしないと道路は保たない。確かに建物ですから、いくら縦柱が太くても建物をのけると道路が駄目になるものが道路一体建物と、こういう表現になっているようですね。

加藤 そうすると道路一体建物というのは湊町の例だけですかね、あとは皆分離できるような気がするんですが、そうではないですか。

岡山 いや船場センタービルでも建物をのけると道路が落ちてしまう。というのは道路は所有権と上の道路だけ持っていて、真ん中は建物ですから、そういう物的にいうと建物をのけると道路が落ちてしまうということになっていますが、構造上道路は荷重がものすごく重いので、その荷重を持たそうとすると建物が柱になる、ものすごく太い柱を通す・・・。

佐藤 でもそれも建物の一部ですよね。

岡山 まさにそれが建物なんですよ。

小川 そこが複雑なとこなんですね。

佐藤 建物自体は道路の荷重に耐えうるような柱を入れているということになりますね。おさらいすると建物の側壁部分がつぶれてきたとしても柱部分さえ残しておけば崩れることはない。しかし、建物全体がつぶれたということになればこれを支えている部分もつぶれるわけですから、それは駄目よという話になるんでしょうかね。西梅田は道路の負荷がかかっていないですから、ブリッジで渡っているようなものですね。あれも道路一体建物になるんですかね。

岡山 あれは分離構造型です。

木内 道路のメンテナンスもビルのメンテナンスも協同でやることになるんですか。

岡山 それは実際難しい、どうするかね。その辺は管理協定で決めなさいと、こうなっている。どこまで協同でしていいものか、どうしていいのかよく分かりません。だから管理協定でしっかり決めていかなくてはならない。

木内 一体構築物なんでしょうが、太い柱に関しては共有しているんですね。

岡山 実際は道路側も建物の方にお金を払って、特に柱を丈夫にしてもらっているわけですね、だけど柱の一部をここだけは道路ですよというわけにはいきませんから、これは建物ですよと、こうなる。

加藤 所有権はどうなっているんですか。

岡山 所有権は建物です。だけど建物所有者はそんな太い柱はいらないから、道路はピアに相当する柱を丈夫にするためのお金は出しますよということです。

佐藤 建物に対して権利は特に何もないんですね。

岡山 何もありません。補強費だけを出している。

りんくうタウン と高速道路 (1)

改訂版 立体道路事例集」から引用

 (南海特急こうや号の車両が関空線を走ってるな。。。)

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(1)イントロ

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(2)船場センタービル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(4)梅田出口

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(5)OCAT(大阪シティエアターミナル)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(6)りんくうタウン

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(番外編)ホテルきららリゾート関空

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(5)OCAT(大阪シティエアターミナル)

OCATと阪神高速道路 (4)

OCATと阪神高速道路 (5)

 よく見るとビルの入口に「ETC」のマークとアンテナが。

佐藤 次に湊町のプロジェクト、これはまだ未着手ですが、現場は見せていただきました。高速道路等が錯綜してますが、この場所にランプ、交通センタービルを造る予定をされているわけですね。このプロジェクトの構想、その他権利関係がいったいどうなるのかを説明いただけますか。

岡山 ここはJR関西本線終着駅の湊町駅で、面積は約17.5haあるんですが、17.5haのところを新都市拠点整備事業で、新都市拠点整備事業というのはヤードを整備していく時の事業らしいんですが、平成元年2月に大臣承認を取っております。その新都市拠点整備事業で阪神高速のオフランプと交通ターミナルセンタービルですか、それとを繋いで、2階部分にバスの駐車場、そしてシティエアターミナルにしたいということで、新空港ビルが難波にいるだろう、それが一番の基になっております。東京でいいますと箱崎ですね、箱崎によく似たものをあそこに造ろうという構想の基にやられているものです。
 高速道路のランプは堺線の下り方向で、現在の環状線の方から分岐してきまして、そのシティエアターミナルビルの2階部分に入って、そこからまたスロープで降りて平面街路に出る。2階部分はバスターミナルです

OCATと阪神高速道路 (10)

 再開発前の湊町地区。駅が関西本線のJRなんば駅(旧湊町駅)である。

OCATと阪神高速道路 (9)

佐藤 2階にバスターミナルと阪神高速道路も入るわけですか。

岡山 ビルは真四角で、この一番西端が阪神高速道路になっており、ここから2階部分はバスターミナルと、断面でいきますとランプが下がってくるわけですね。それで建物の2階と一緒の高さのところがありますね、ここでバスターミナルとジョイントしている。阪神高速道路はここからビルの中を降りていく、こういう構想なんです。

OCATと阪神高速道路 (11)

OCATと阪神高速道路 (2)

OCATと阪神高速道路 (1)

改訂版 立体道路事例集」から引用

 ピンク色の部分が、前頁で触れた道路の立体的区域、すなわち建物の中であっても道路法上の道路となる部分である。

佐藤 このビルで新空港の通関手続ができるんですか。

岡山 箱崎みたいにそこまでやるのか、どこまでやるのかは分からないんです。

佐藤 チェックインとか手荷物手続きとかフライトに関する情報提供など都市における空港の出先機関としての機能を始め云々とパンフレットに書いてありますよ。

小川 パンフレットからいけばそういうことをやる感じですね。

 チェックイン機能は結局できなかったはず。関空バブルを感じますな。箱崎も今やチェックイン機能は無くなってしまったことだし。。。

佐藤 これは阪神高速を経て湾岸線と結んでいるわけですか、湾岸には行かない...。

小葉竹 直接には行かないですね。

佐藤 でも新空港へはここから行けるんでしょう。

岡山 そこでバスに乗って、そのバスが平面道路を走って湾岸線に抜けるとか、堺線に抜けるとか、そういうことですね。

佐藤 阪神高速道路とこの湾岸線はこの近所では繋がらないのですか。

岡山 繋がらないんです。

佐藤 それでは一旦一般道路へ降りて、湾岸線に乗っていくとか...。

岡山 堺線を走るとか、そういうことですね。

OCATと阪神高速道路 (7)

 ビルの裏側(南側)にバスターミナルからのバスの出口(右側)と高速道路の出口(左側)が並んでいる。

加藤 箱崎シティターミナルと同じと考えてよろしいんでしょうか。

岡山 まああれによく似たものだと、同じではないですね。

加藤 あれが出来たのは道路法の改正前ですね。同じではないんですね。

岡山 そのパンフレットを見る限り、シティエアターミナルとまるっきり同じ機能を持たそうということですよね。箱崎の場合は乗ったらそのまま首都高速道路で行けますが、ここの場合は阪神高速道路でそのまま行けないので、一部区間平面を走るか、ここで乗り換えて鉄道を利用することになります。

TCATと首都高速道路

 首都高速の箱崎ジャンクションとTCAT(東京シティエアターミナル)は上記のような関係である。「道路法の改正前ですね」とあるように立体道路制度ではなく、船場センタービルと同様に道路法の占用許可を得て作られている。ではTCATの登記はどうなっているのだろうか。

 ところが、成田空港(新東京国際空港)のダウンタウンエアターミナルである箱崎の東京シティエアターミナルについては、首都高速道路6号線と主要な骨組みについて一体構造物として建設されたビルであり、柱等は道路の管理者(首都公団)の所有であるにもかかわらず、ビルの建物登記がなされている。

 箱崎シティエアターミナルの事例の詳細については、誌面の都合上省くが、要点のみを言えば、違いとして、箱崎シティエアターミナルはすべての柱を道路の橋脚と共有しているものではなく、独自の柱もあるということが一点。もう一点、成田空港開港が遅れたため、船場センタービル等と違って、建物を建ててからどっこいしょと道路をのせたのではなく、始めに道路ができて、その橋脚を利用して建物が作られたということである。つまり、国電のガード下建物のように、既にある柱、壁等を一部利用して建てられた形となっている。鉄道ガード下建物の登記は、大審院の判例によって昔から認められているところである。

 

「道路敷地の空間利用 -代表的事例の紹介と分析-」 道路セミナー86年5月号10頁 建設省道路局路政課長補佐 倉林 公夫

 あまり納得がいかない部分もあるが、箱崎はすんなり建物登記ができたようだ。

木内 現在 予定されている敷地の所有権者は、コンテナヤードの跡地ですからJR清算事業団ですか。

岡山 交通ターミナルのこの部分は大阪市が既に収得済みです。株式会社湊町開発センターになっていると思うんですが、それは大阪市の外郭団体で、ここを整備するために生まれた組織で、実際は大阪市が持っています。

佐藤 スロープも含まれてくるんですが、この区分地上権はどの範囲で、どの部分を持っているのですか

岡山 公団はまだ区分地上権を設定しておりません。

佐藤 でも設定するんでしょう。傾斜がついているんでしょうがどんな具合に

岡山 出来ます。区分地上権というのは上下の範囲を区切ったらいいんですね。上下の範囲ですから、真っ直ぐで区切らなければいけないので、階段型で区分地上権を設定していくのです。

佐藤 JRの湊町駅も区分地上権を所有するんですか。

岡山 JRさんはどうされるのか分かりません。

佐藤 でも大阪市にいったん売っているんですね。

岡山 そうです。売る時に駅が入りますよという条件付きで売っているのか、その辺は僕らにはよく分からないんです。

加藤 これは道路が建物と一体構造になっているものではないんですね

岡山 なっています

加藤 大阪へ来る新幹線の中で、「NBL(No.430)」の“道路法の一部を改正する法律の概要について”を読んで来たんですが、立体道路の場合二つのケースがあり、一つは道路と建築物が構造上分離しているケースと、道路と建築物がまさに一体的な構造となっている道路一体建物のケースの二つがある。区分地上権が権原となるのは分離のケースだけで、道路一体建物については不動産登記等の問題があり、道路側の権原は敷地の共有持分になることを付記しておくと、こう書いてあるんですね。これが実態だったら敷地については共有持分でやることになるのかなと考えたんですが、区分地上権ではなく、そういう意味合いでここに書かれているんですが。

佐藤 やはり区分地上権でやるんですか。

岡山 多分区分地上権でやることになると思います。だけど最終的に法務局とその辺調整した結果、共有持ち分にせいと言われたら共有持ち分にならざるを得ないでしょうけれども。

小川 そうですね、不動産登記法というのはそのへん硬直的なんですよね。定義に合わなければ出来ないというところがあるんですね。

木内 この湊町プロジェクトの場合は建物の所有者はどちらになるんですか。

岡山 湊町開発センターです。

佐藤 何年の建築予定ですか。

岡山 これは新空港関連で現在も建築していますが、新空港自体が延びているから何時になるか。平成5年か6年になるか、新空港ができた時には建物もできているでしょう。

木内 これができると新空港までどのくらい時間がかかるんですか。

小葉竹 40〜50分というところでしょうか。

木内 東京は確か1時間ぐらいでしたかね、箱崎から。

佐藤 ここから新空港まで40kmくらいあるのと違いますか。

小川 40kmぐらいですね。

木内 さっき西梅田でお訪ねしましたけれども、立体道路を造る場合は都市計画法とか都市再開発法の地域地区計画のようなスペシャルゾーニングによる都市再開発事業としてやられるんですか。

岡山 最低限高度地区にかかっていればいいんです西梅田の場合は高度地区です。湊町は再開発地区計画ですね、りんくうは地区計画。

福元 りんくうにつきましては平成2年12月に地区計画が降りていて、ただし湊町はまだ未定で、確認されたところでは再開発の方で指定されたということです。

木内 西梅田はどうですか。

岡山 高度地区です。朝日新聞社も高度地区です。

 道路部分は区分地上権で権原を設定したようだ。

佐藤 北と南にビルが二つできる予定とおっしゃいましたね。

岡山 交通ターミナルビルの南側ですね。

南がこれで、北の方は今のところはっきりとは決まってません。

佐藤 やはりビルにはなるんですか。

岡山 多分道路一体建物になるのではないでしょうか。

 「北の方」は、現在は「湊町リバープレイス」になっている。上記の地図を見ていただいてわかるように、建物をグルグルと高速道路のランプが取り巻く形となっており、見事な道路一体建物である。

湊町リバープレイスの建設地である湊町地区は,戦災復興土地区画整理事業の減歩により生じた都心の貴重な区画整理公園予定地だった。当公園予定地に昭和37年に阪神高速道路のランプが都市計画決定され,当初の計画通りに整備したのでは公園機能の確保,地域の活性化に繋がらないと懸念され,平成元年に創設された立体道路制度を活用しながら,道路一体建物を建設することにより問題解決を図った。

 

大阪市都市工学情報2次情報集 [論文情報] 「湊町リバープレイスの建設と運営」

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (1)

 リバープレイスと一体的になっている阪神高速道路の湊町出口

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (2)

 自動車専用道路のマークと「」の看板が。

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (7)

 東側には湊町入口が。

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (6)

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (3)

 建物には阪神高速のランプがぐるぐると取り巻いている。

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (8)

改訂版 立体道路事例集」から引用

 模型で上から見るとこんな感じ。

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (4)

 施工中の写真からは建物と道路の関係がよく分かる。

湊町リバープレイスと阪神高速の立体道路 (5)

 リバープレイスからOCAT方面を望む。ランプが入り組んでいてスバゲッティ状態だ。

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(1)イントロ

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(2)船場センタービル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(4)梅田出口

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(5)OCAT(大阪シティエアターミナル)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(6)りんくうタウン

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(番外編)ホテルきららリゾート関空

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(4)梅田出口

阪神高速梅田出口立体道路 (1)

佐藤 今度は西梅田のビルなんですが、今の道路法改正後認可されたんですか。

岡山 そうです。

木内 そこはJRのコンテナ用地ですか、引き込み線跡地の西梅田再開発の・・・。

岡山 となりです。

木内 その再開発に関連してランプを作り替えたんじゃなかったですかね。それに関連してそういう問題が出てきたんじゃないかなと思ったんですが。

岡山 そういうことです。あそこは福島区になります。ビルの前の道路で北区と福島区に分れているんです。西梅田の再開発地区というのは10.6haあります。今日現場を見ていただいたときに毎日新聞社ビルがかなり出来ておりましたが、そのとなりはもともとオートガススタンドがあったんです。オートガススタンドとか自動車の整備工場とか、住宅とか社長さんの家とかそういうものがガチャガチャとありまして、そこに阪神高速のランプを架けると。どうしても阪神高速の高架下に建物を入れないことには移転ができないという事情があり、高速道路の下に建物を入れて下さいという補償を行ったんですが、高速道路の下に建物を入れるなら上までやりたいという話になりまして、ああいうビルになったというのが経緯です。
 あのビルはもともとランプで交通量が少ないということもあり、上にもってきても安全だろうということです。

佐藤 道路法がどのように改正されて、ビルを立てるのにどういう便益を得られるようになったかということをご説明して頂けますか。

福元 道路区域は上下全体をやっておりましたが、道路法の部分的な改正に伴い、47条の5なんですが、立体的に道路区域を設定できるということになりました。

佐藤 これは平成元年ですか。その道路法は、道路を立体的に造ってもいいということですが、基本的にビルの中を通ってもいいとか、上を通っていいとか、その辺の具体的なことはあるんですか。

福元 道路法で、四つの法律が一体的に改正されまして、道路法では道路の上下空間に建築物を一体的に整備するようにすると、これは道路法の改正です。道路の上下空間に建築物を一体的に整備することができる、これが一つ。それから都市計画法と都市再開発法ですね、こちらの方で道路整備と併せた良好な市街地形成を図るために地区計画及び再開発地区計画の拡充及び市街地再開発事業に関する措置、これが片一方。それから建築基準法の改正がございまして、道路と一体的に整備される建築物の道路内建築物の制限が立体道路制度でやられた四法の関係です。

佐藤 道路法、都市計画法と建築基準法ともう一法は・・・。

福元 道路法と、都市計画法と都市再開発法、それと建築基準法の、この四法が改正され、それによって道路区域を立体的に定めることができる。道路を立体的に定めると危ないことがございますね、上から物が落ちてくるとか。そういうことは道路保全立体区域ということで、窓はこうしなさいとか、それと道路一体建物に関する協定、道路管理者と建物所有者との間で協定を結ぶ。そういうことによって確保していく、こういうことです。

 福元氏が道路法第47条の5と述べているようになっているが、実際には第47条の7である。

 (道路の立体的区域の決定等)

第47条の7  道路管理者は、道路の存する地域の状況を勘案し、適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため必要があると認めるときは、第18条第1項の規定により決定し又は変更する道路の区域を空間又は地下について上下の範囲を定めたもの(以下「立体的区域」という。)とすることができる。

立体道路制度2

立体道路制度

http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/ppp/kenkyu/pdf04/6.pdf

佐藤 では、この西梅田は具体的にどういう経過を経たのでしよう、阪神高速道路の下を使ったらどうですかという阪神高速道路公団の申し出に対して、下だけでなく上も使うよということで、ああいうビルになったということですかね。

岡山 そうですね。この法律ができる時期でしたので、どういう形の法律ができるかということはあらかた分かっており、建設省の指導もいただいて、ビルの中に建物を通すと、立体的区域でいくということです。あのビルは幅が11mから約14mですかね、それが幅、高さはTPの15.4から25.25と、これが区分地上権の設定範囲です。階数にすると5〜7階です。

佐藤 あのビルは全体で何階だったんですか。

岡山 全体で16階、ただこれは16階と勘定していいのか13階としたらいいのか難しいんです。道路が通っている部分は床がないので、登記法上の表示は地上13階になるんです。1階というのは床がないと駄目ですからね。高さは地上16階地下2階、ただしビルそのものは地上13階地下2階ということになります。

阪神高速梅田出口立体道路 (3)

入口の看板には16階建てと表示されているが、登記上は阪神高速道路分の5~7階は勘定に入れないこととなり13階建てということなんだそうだ。

佐藤 道路の両側に部屋があったんじゃないですか。

岡山 コアです。エレベーターとか階段とか、道路部分が事務所になっているんです。

阪神高速道路梅田出口の立体道路区域 (2)

改訂版 立体道路事例集」から引用

加藤 補償はどうなっているんですか。

岡山 あのビルは補償はしておりません。高架下にビルを入れるというシンプルな補償で考えております。 佐藤 区分地上権は取得されたのですか。

岡山 区分地上権は取得しております。

佐藤 今おっしゃった部分についての区分地上権の設定を、これは有償取得されたのですね。区分地上権の補償の考え万はあまり具体的には言えないかも知れませんが、どの様にされましたか。

岡山 立体道路関係の区分地上権というのは概ね25%〜33%くらいですかね、その辺が大体オーダー数字ですね。

佐藤 更地価格のでしょうね。これを区分地上権の補償費として地主に払ったということですね。

岡山 建設省の方で、立体道路制度が出たときにどう補償金を払うかを研究しまして、それは通達で出ているんですが、大体譲渡所得と不動産所得ですか、あの線引きは25%になっていますね。あれよりはちょっと上と、だからこれは対価補償にあたると、ただし率はいろいろあって難しいけれども、確かに対価補償だと、それなら25%よりちょっと上だと、まあ30%くらいかなと、税金なんかも考え併せて。立体利用阻害率を考えてそういうものから区分地上権は3分の1とか3割とか、それが一応の目安みたいですね。

佐藤 あの建物は容積一杯に立っているんですかね。

岡山 容積は一杯です。

佐藤 その区分地上権部分は容積に入っていないんですよね。

岡山 入っていません。

佐藤 そうするとドテッ腹を突きやぶられて若干不倫快ではあるが、容積は100%使えて補償額として3分の1ほどもらっていることになりますね。道路が真ん中を通っている弊害としては、騒音とか振動があるかも知れませんが。

岡山 ビルに荷はかかっていないから振動はないです。両方とも独立しているんです。

佐藤 少なくとも不快感はあるわけだけれども、経済ベースでいうと約3分の1程度の補償額をもらって容積満配のビルを立てることができるというのは得ですかね。まあ建築費が高くついたのかな。

岡山 建築費がものすごく高い。道路と一体となった建物というのは僕らもよく分からないんですが、うまく利用すると非常にメリットがある。あのビルも最初は四角いビルを考えていたらしいんですが、四角いビルではコア部分が作れない。丸型ビルであれより大きくしてもコアが増えるだけで事務所は増えないということです。だから道路と建物を合体させるのは敷地の位置形状、ビルの利用等が複雑に絡みあい、どちらがいいのかは非常に難しいと思います。

佐藤 さっき建物と一体になった支柱の話しをされてましたが、これは建物に全然荷がかかっていないんですね。」言い換えると建物の真ん中に大きな穴を開けておいて、高速道路を通しているということですね。

岡山 そうです。

阪神高速道路梅田出口の立体道路区域 (1)

改訂版 立体道路事例集」から引用

梅田の阪神高速立体道路 (1)

「これは建物に全然荷がかかっていないんですね。」言い換えると建物の真ん中に大きな穴を開けておいて、高速道路を通しているということですね。」という状況がよく分かる。

 以前「阪神高速道路 梅田出口:ゲートタワービルの立体道路について」

http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-2128.html

という記事も書いているのであわせてご覧いただければ幸いである。

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(1)イントロ

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(2)船場センタービル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(4)梅田出口

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(5)OCAT(大阪シティエアターミナル)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(6)りんくうタウン

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(番外編)ホテルきららリゾート関空

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (8)

佐藤 後でまた全体についてお聞きしますが、さっき見てきました朝日ビルに話を移したいと思います。これは朝日新聞社の社屋の4〜5階部分の一部を高速道路が通過しているわけですが、どういう経過でこういうことになったのでしょうか。

小葉竹 阪神高速道路の供用の最初の頃でして、当時は出入橋〜湊町間の部分供用の時期で昭和39年11月ですね。立地条件の制約があり、朝日新聞社ビルの敷地をうまく使わせてもらわないと道路の線形を描くことができなかったという事情がございました。昭和39年でしたから道路法は道路の路下の占用すらも、当時は高架下の利用も街並みの全体の景観を保持する趣旨から非常に厳しく制限されており、当然上空部についても使用制限されていました。そういった中で実際に線型ルートがその敷地を通らないと都市計画できないという事情があり、地権者にも協力いただいて、一体構造で出来上がったということです。

佐藤 高速道路を通そうと思って、その予定地で買収がうまくいかないという場合、収用によって収得するといった方法もあるわけですが、本件は地権者との妥協の産物ということになるのですか。

小葉竹 うまく協力が得られたということです。私どもの高速道路に対してもご理解いただかないとうまくいきませんので、そういった産物であると言っていいんじゃないでしょうか。

小川 法的には区分地上権が設定されているんですか。土地は朝日新聞社のものですか。

岡山 この土地はもともと大阪市の所有地で、朝日新聞社が狭いからビルを立てたいと、その土地を売って下さいと大阪市に、言ったわけです。大阪市も利用計画がない土地なので朝日さんに売ります、ただし先程小葉竹課長が言いましたようにそこは阪神高速のルートを入れなければ駄目だという事情があり、ビルを立てるときに高速道路を入れるのが条件だと、そういう条件付きの土地を朝日新聞社が買ったその条件によって朝日新聞社は道路部分を空け、うちは無償で通ったということなんです。

木内 そのときにはもう都市計画決定はされていたんですか。

岡山 都市計画決定まではいってないんですが、基本計画の指示というものがあり、建設省の方でここにルートを造りますよと、最初に阪神高速の道路網をこうやりますよと、こういうものがあるわけですね。都市計画決定があり、建設省から基本計画の指示を受け阪神高速道路になっていくんですが、そこまではいっていなかったんだと思います。

佐藤 朝日新聞社と阪神高速の権利関係はどうなっているんですか。高速の方は区分地上権ですか。

岡山 何もないんです

小川 払い下げの条件として4〜5階部分の使用は制限されますよという条件付きで売られているんですね

佐藤 登記上何もない

岡山 ないんです。

小川 当然払い下げ価格もその部分が使えないということを考慮された上で出されているわけですね。

岡山 そういうことです。

加藤 その分が安くなっているんですね。

小川 完全な所有権ではないということですね。

佐藤 朝日新聞社の土地は登記簿で見ると完全な所有権を所有しているように見えることになるわけですね。契約書はあるんですか。

岡山 大阪市と朝日新聞の契約に基づいて阪神高速がそこに入っているということです。阪神高速が入るにあたり柱の補強を行い、補強費はうちから出したということです。

 通常、何らかの物を土地に設置する際には所有権が基本で、そうでなくとも区分地上権なり借地権なりの物権的な権利を土地に設定して登記するのであるが、ここではそのような権利設定はなく、阪神高速が通る前に、大阪市と朝日新聞社が土地の売買をする際に付した条件という債権のみに依って阪神高速が無償使用しているという珍しい事例である。第三者への対抗力を有しないことになる。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (9)

佐藤 あの道路もビルには荷がかかっていないのですか。

岡山 補強した柱に荷がかかっています。

佐藤 それはビルの中に柱が入っているわけですか

岡山 そういうことです。ふつう柱は何センチか知りませんが、それをうんと太くして、これが高速道路を支えているんです

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (7)

 また、船場センタービルでは、道路法の占用許可をしているが、朝日新聞社ビルは占用許可をしていないというのである。

佐藤 ビルの一角にもなっているということですか。これは権利関係で問題はないんですかね、公的なものだからいいようなものの。

岡山 いや、建物ができますと、道路の上を使うにしても下を使うにしても建物は占用しかないんですね。道路の供用時に、占用許可申請を出しなさいと朝日新聞社に言いにいったんです。「阿呆か!」と怒られましてね、(笑い)「おまえのところに使わせてやってんのに占用許可申請を出せとは何ごとか」とこっびどく叱られ、そのままになっています。占用許可も何もなし、うちの権利が分からんのに相手に占用許可を出せとは言えません。

佐藤 道路用地そのものには賃料も買収費も何もかけていないということですか。

岡山 何もかけておりません。

小川 所有形態として、もともと朝日新聞社が持っておられた土地へ高速道路を貫くというのであれば区分地上権の対価が当然必要になってくるんでしょうがね。

佐藤 だけど大阪市はその分を負担したことになりますかね。大阪市は朝日新聞社と、阪神高速道路を前提として、その部分を除いたところを利用するなら売ってやるといったときに値は安くなっているわけでしょうね。その部分は結局大阪市が自分の所有地を通さすために若干犠牲を払って、値段を安くして、利用制限のある土地を朝日新聞に譲ったことになり、おかげで阪神高速はただで通れることができたと、言うことになりますね。

岡山 その通りですが、あそこに取付けるカープ、Sカーブといいまして、あの工事がものすごく難しいんですよ。朝日新聞社のビルが立っており空間がありますね。そこに道路をスポッと入れなければならない。しかも道路が斜めにカーブしているので、Sにしないと取付かない。用地費はかかっておりませんが、工事費の方がだいぶかかっております。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (1)

 Sカーブ

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (2)

佐藤 道路の下は何階あるんですか。地上3階ですか。

小葉竹 道路はビル本体の西側ビルの4〜5階を通っています。

佐藤 そうするとその下に3階部分があるんですね。4〜5階の部分が体育館ですか。

岡山 ビル自身は地上9階の地下5階です。

佐藤 ビルの本体が高いんですね。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (10)

改訂版 立体道路事例集」から引用

 朝日新聞社ビルの改築に伴い、道路の上にあった「体育館」は撤去されたようだ。

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (4)

阪神高速道路と朝日新聞社ビル (5)

 ↑体育館撤去前

 ↓体育館撤去後

阪神高速と朝日新聞社ビル

(参考)

https://www.facebook.com/yoshikazu.takahashi.526/posts/589016181220715

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阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(1)イントロ

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(2)船場センタービル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(3)朝日新聞社ビル

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(4)梅田出口

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(5)OCAT(大阪シティエアターミナル)

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(6)りんくうタウン

阪神高速道路とあの建物の権利関係ってどうなってんの?(番外編)ホテルきららリゾート関空

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